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ISICOは、県との共催で地方のコンテンツビジネス活性化を目的とした「コンテンツフォーラム in 石川 ~地域の魅力をコンテンツで世界発信~」を、10月2日に県地場産業振興センターで開催した。同フォーラムでは、コンテンツ制作の第一線で活躍するクリエーターらが集まり、石川県にコンテンツ産業を根付かせるための議論を展開した。前号に引き続き、今号では、後半部分の基調講演(2)とパネルディスカッションを紹介する。
2つ目の基調講演では、講師に映画監督の三原光尋氏とプロデューサーの三木和史氏、女優の石川紗彩さんを迎え、「地域での映画製作・ロケーションの魅力と可能性」と題し、映画製作を通した地方活性化についてそれぞれの考えを述べた。
3人は、金沢市大野を舞台にした映画『しあわせのかおり』や、この中で石川さんが演じたサブキャストを主人公としたウェブ配信ムービー『-故郷 珠洲-この街で暮らして行こう』の製作体験を交えて話した。三原監督は「地元の人の参加で映画に活力が出てくる」と地方ロケのメリットを語り、三木プロデューサーは「低予算でも、アイデアと発想力、行動力があれば良質のコンテンツはいくらでもできる」と強調した。石川さんは、珠洲焼について「素朴な味わいを全国の人にもっと知ってもらいたい」と語った。
パネルディスカッションでは、メディアラグの藤井雅俊代表取締役が司会進行役を務め、立命館大学映像学部副学部長の細井浩一教授、ストリートメディアの大森洋三代表取締役、映画プロデューサーの河井信哉氏、フォーティックデザインの土田一登取締役をパネリストに、「地域におけるコンテンツビジネスについて」というテーマで、今後の地方のコンテンツビジネスの方向性を探った。
石川県出身の細井教授は、「石川と大学のある京都をつないだコンテンツをぜひつくってみたい」と意欲を見せ、大森代表は「漆器を意味する“japan”を切り口に、世界に発信するコンテンツを制作すれば、日本を代表する漆器産地・輪島をアピールできる」と語った。
これまで、『私をスキーに連れてって』や『リング』など40本以上もの映画製作に携わってきた河井氏は、「最近は東京でも、小説や漫画といった原作に頼ったコンテンツが増えてきた。今こそ、既存のセオリーにとらわれない地方の斬新な発想が求められている」と訴えた。土田取締役は「地元企業がタッグを組み、お互いの意見をぶつけ合うことが地方のコンテンツ制作では重要」と意見し、これらを踏まえて、藤井代表取締役は「石川はコンテンツ制作能力が高い。それを産業に発展させることがこれからの課題だ」とまとめた。
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創業・設立 | 創業 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.43より転載 |
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掲載号 | vol.43 |