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文部科学省の知的クラスター創成事業(第II期)に採択され、石川・富山両県が共同で取り組む「ほくりく健康創造クラスター」のキックオフ・フォーラムが11月17日、ホテル日航金沢で開催された。フォーラムでは、事業内容を周知するため、両県の知事の対談やパネルディスカッション、記念講演を通して、知事やパネリストなどが石川、富山の健康関連産業の発展について意見を交わした。この事業は(財)北陸産業活性化センターが中核機関を担い、ISICOと(財)富山県新世紀産業機構が支援する。
谷本正憲石川県知事、石井隆一富山県知事が対談形式で、Sync Lab 主宰の田柳恵美子氏を司会に、決意表明を述べた。
谷本知事は、「両県の協同で1+1が2ではなく、3や4になるシナジー効果を出したい。特に、医商工の連携で、医薬品と食品を絡めた新たな事業を展開するとともに、温泉などの観光資源を健康産業の拡大に役立てたい」と意欲を示した。
石井知事は、「地方から世界に羽ばたく事例となり、石川、富山の健康関連産業を活性化させたい。20年後には、売上1兆円を目指したい」と熱意を語った。決意表明後、両知事が壇上で握手を交わし、今後の事業発展を誓い合った。
パネルディスカッションでは、田柳氏をコーディネーターに、知的クラスター創成事業(第2期)に携わる大学や企業の代表者が集まった。パネリストには、中村信一金沢大学長、田中正人富山県立大学長、瀧岸眞一横河電機ライフサイエンス事業部長、濱崎勇二島津製作所分析計測事業部産学官・プロジェクト推進室副室長、末岡宗廣エスシーワールド代表取締役社長を迎え、「世界レベルのライフサイエンス研究開発拠点形成に向けて」と題して、石川、富山を医薬品産業や健康産業の拠点とするための利点や課題を話し合った。
中村学長は「地域の科学技術の振興を目指し、大学同士の連携を強化したい」と語り、田中学長は「企業との新しい協同の形を見つけ、製品化を意識した研究開発に努めたい」と意気込んだ。
瀧岸事業部長は「金沢は、周辺にライフサイエンスに秀でた数多くの高等教育機関があり、共同研究がしやすい環境だ」と話した。濱崎副室長は「今回の事業は北陸に根ざしたテーマだ。産学官のつながりを強化して取り組みたい」と述べ、末岡社長は「地元が本気にならないと成功はない。5 年の予算を有効に使い、1 年でも早く事業展開すべき」と、参加者たちに発破をかけた。田柳氏は、「市場化を見据え、ターゲットを絞った研究が必要」と自身の考えを述べた。
また、ドイツ・イエナでバイオ事業に携わるバイオセンティグ社最高経営責任者のクラウス・ウルリッヒ博士が「イエナにおけるバイオクラスター成功の秘訣」のタイトルで記念講演し、事業目標を達成するため、インフラ整備や資金調達の必要性を説いた。
企業名 | - |
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創業・設立 | 創業 |
事業内容 | - |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.43より転載 |
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掲載号 | vol.43 |