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ISICOは10月7日、県地場産業振興センターで独創的な技術やアイデアを持ったベンチャー企業を発掘する「革新的ベンチャービジネスプランコンテストいしかわ」を開催した。昨年に続き2回目となるコンテストには、全国から36件の応募があり、当日は1 次審査を勝ち抜いた7人が、200人の来場者を前に練り上げたビジネスプランを発表。最優秀起業家賞1人、優秀起業家賞4人を決定し、ISICO理事長の谷本正憲石川県知事が受賞者に表彰状を手渡した。
審査は(株)アイ・オー・データ機器の細野昭雄社長をはじめ起業家や経営コンサルタントなど7人が担当。今年は新たに金融機関の担当者9人がゲストとして加わり、関心を持ったプランには「融資検討」「面談希望」の札を上げてもらい、マッチングを図った。
以下、各受賞者の提案や現在の取り組みを紹介する。
友杉直久さん (株)エムジープロット・バイオテクノロジー代表取締役
現代医学の検査では異常を発見できず、自覚症状もない。そんなごく初期段階にある病気を、血液中のタンパク質を分析して発見、治療するビジネスプランが、最優秀起業家賞を獲得した。
金沢医科大発のベンチャー企業であるエムシープロット・バイオテクノロジー(内灘町)の友杉直久代表が提案したこのプランでは、人の体内にある20~200万種類ものタンパク質の中から、特定の病気にかかった際に変化するタンパク質の発現量を、最新の質量解析システムを使って測定し、病気の早期発見に生かす。現在、ガン、動脈硬化などの血管疾患、アルツハイマー病などの神経疾患の診断に有効なタンパク質の特定に向けて研究が進められている。
こうしたタンパク質が見つかれば、血液を一滴入れるだけで診断できる簡易検査キットを製作するほか、病気を悪化させるタンパク質だけを取り除く薬の開発も進める予定にしている。
同社はすでに、こうした技術を使って、ドライアイや口の渇きといった症状が特徴の自己免疫疾患であるシェーグレン症候群の診断をビジネス化しており、今後も実用化できるタンパク質の発見、特定に全力を挙げる構えだ。
企業名 | 株式会社 エムシープロット・バイオテクノロジー |
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創業・設立 | 設立 平成18年8月 |
事業内容 | プロテオミクス技術を用いた早期診断、健康管理システムの開発 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.43より転載 |
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掲載号 | vol.43 |