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中小企業のための総合的なサポートセンターとして、さまざまな支援を行っているISICO。「もっと支援内容を詳しく教えてほしい」。そんな要望におこたえして、提供している支援メニューを毎号ピックアップして紹介します。
軟質ウレタンやポリエチレンといった発泡素材をはじめ、ゴム、プラスチックの加工を手がける北陸カラーフォームは、建設機械やバスなどに使われる吸音材、緩衝材、制振材を主に製造している。取引の約5割をコマツが、約3割をジェイ・バスが占めている。
ここ3年、売り上げを1億円ずつ上積みしている同社は、順調に増え続ける受注にこたえるため、昨年11月、能美市内の岩内工業団地に、約3億円の総工費をかけて本社工場を建設した。延べ床面積約2,000平方メートル、鉄骨2階建ての本社工場には、それまで、同市内に点在していた3工場の生産設備と本社機能を集約した。加えて、ISICOの設備貸与制度を利用して裁断機、プレス機、図面データを出力するプロッターの3台を新たに導入。同時に社員も増やし、増産体制を整えた。
躍進の鍵と言えるのが多品種一個生産への対応である。同社では、さまざまな素材や形状、大きさの製品を、試作品一つからでも製造する。顧客のニーズに一つ一つこたえてきた結果、取り扱い製品は3万点を超える。1日1,000~1,200件に及ぶ注文にも的確に対応し、取引先と厚い信頼関係を築いてきた。
一つの受注に対し、一人の社員が素材の手配から、製造までを一貫して行うセル生産方式を導入し、品質の向上と短納期化を実現している。製品の単価は100~2,000円と安価で、生産効率が決め手となる業界だけに、時には、夕方に注文を受けた製品をその日のうちに出荷することもあるという。
現在の生産体制を維持するのに大きな役割を果たしているのが受注システムである。平成13年、ISICOが運営するバーチャルモール「お店ばたけISHIKAWA」のホームページドクターを務めている中野治美さんにシステム開発の指導を受け、パソコンから図面をメールするだけで簡単に注文できる自動受注システムを構築した。さらに、在庫や納品書の管理といった煩雑な作業をデータ化した。これによって、社員の作業効率が上がり、手書きだったころと比べ、対応できる件数が2倍に増えた。
中山知英社長は「生産能力が上がり、余裕ができた。一層、お客様の期待にこたえられるよう、これからも増産に励んでいきたい」と意気込みを見せた。
企業名 | 株式会社 北陸カラーフォーム |
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創業・設立 | 設立 昭和54年7月 |
事業内容 | 工業用ゴム加工 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.39より転載 |
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掲載号 | vol.39 |