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[ http://www.ch-h.net/ ]
(子供服・雑貨 H(アッシュ))
[ http://www.ojico.net/ ]
(TシャツのOJICO)
子供服や雑貨の販売を手がけるチャンネルアッシュでは、今年3月、東京都内のファッションビル・ルミネ北千住店にオリジナルTシャツブランド「OJICO(オジコ)」の直営店をオープンさせた。OJICOの直営店は昨年9月のエキュート立川店(JR立川駅構内)、今年2月の吉祥寺パルコ店に続いて3店舗目である。地方発のTシャツブランドが都内で次々と出店を果たすまでには、ネットショップが大きな足がかりとなっていた。快進撃の裏側をのぞいてみよう。
同社の第一歩は、平成14年9月に野々市町で開店した「H(アッシュ)」である。越原裕幹社長自身がフランスやベルギー、オランダで買い付けた子供服や雑貨を販売する店舗だ。5万人足らずの商圏では狭すぎるとネットショップをオープンしたのはそれから2年後のこと。しかし、その後約1年間、ネットによる売り上げは皆無だった。「実店舗の商品をそのまま載せていたので、実店舗で売れたらその商品を削除して、入荷したらまたアップして。ネットショップというより在庫管理表みたいなものでした」と越原社長は当時を振り返る。
商品力には自信を持っていたが、品ぞろえに不満がないわけではなかった。ヨーロッパブランドの子供服は、しゃれたお出かけ着が多く、毎日着て泥んこになって遊べるようなデイリーウェアがないのだ。そこで平成17年に立ち上げたのがOJICOである。大人でもほしくなるようなデザイン性を持たせながら、親子がおそろいで着られるようサイズは子供用だけでなく、大人用までそろえた。品質にもこだわり、生地の製造からプリント加工、縫製まで、ほとんどの工程において県内繊維企業の協力を得た。こうしてでき上がったTシャツは、Hで販売すると同時に、OJICO単独のネットショップを開設し、販売した。
大きな転機となったのが平成18年2月に広島三越が期間限定で催したフランスフェアへの出店である。Hのネットショップを見たバイヤーからの誘いを受け、OJICOのTシャツを売ることを条件に出店したところ上々の評判を得た。リピーター拡大の絶好のチャンスと、購入してくれた客にはネットショップを告知するビラを手渡した。フェアが終わってしばらくすると、広島からの受注が急増。1年後に再度出店すると、待っていたファンが駆け付けてくれた。
その後、越原社長は全国の百貨店に営業をかけ、催事への出店を増やしていった。催事への出店が、ネットショップでの購入の呼び水となり売り上げも伸びていった。
実績を重ねるうちに百貨店側からのオファーも増え、昨年8月から半年間は恵比寿三越に期間限定ショップをオープン。そして、ついに常設店舗としての出店要請が舞い込んだのだ。
地方の実店舗がネットショップへ、さらにネットショップから首都圏での実店舗へと展開した希有なビジネスモデルが実現したのは、商品力に加え、ネットショップと実店舗をリンクさせる地道な営業努力の結果にほかならない。「Tシャツのトップブランドとして、都内でさらに実店舗を増やしていきたい」と今後を見据える越原社長。金沢発のブランドが日本のファッションシーンを席巻する日も近いのかもしれない。
| 企業名 | 有限会社 チャンネルアッシュ |
|---|---|
| 創業・設立 | 設立 平成14年9月 |
| 事業内容 | 子供服・雑貨の販売、Tシャツ・雑貨の企画・製造・販売 |
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| 備考 | 情報誌「ISICO」vol.39より転載 |
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| 掲載号 | vol.39 |