石川県には、キラリと光る技術を持つ企業がたくさんあります。
そういった技術力を認められ、県外企業からも幅広く受注に成功しているものづくり企業の成長戦略を紹介します。
石川樹脂工業では、汎用樹脂から耐熱性などの機能を備えた特殊なプラスチックまで多様な樹脂素材を使って、電気・工業部品、日用雑貨類など、幅広い製品を成形、加工している。製品の例を挙げてみると、新幹線やブルドーザーなどの車両に組み込まれる部品、電力会社の送電設備などに取り付けられる碍子(がいし)(絶縁部品)、病院で利用されるトレー、
ファミレスで使われている箸など、実にさまざまで驚かされる。
同社の強みの一つは一貫生産体制にある。3次元CAD/CAMやマシニングセンタを駆使した金型の設計、製造にはじまり、プラスチックの成形、加工、さらには塗装までを自前の社員と設備でまかなっている。
また、金型の設計や成形、加工における独自の技術も大きな差別化ポイントとなっている。例えば、プラスチック製碍子と連結用の金具、あるいはプラスチック製トレーとすべり止め用のゴムといった具合に、異質の素材で作られた部品を一体成形する技術は同社の大きなセールスポイントとなっている。
人材難を跳ね返そうと、管理職の約6割に女性を登用。若手社員を対象に、コンピュータの基礎知識や会計学を学ぶ勉強会を月2回開催するなど、人材育成にも余念がない。
石川樹脂工業では自社製品の企画、制作にも力を入れている。同社の自社製品への取り組みは創業以来の夢であり、20数年前から手がけた仏具類は、現在まで連綿と続いている。
さらに、自社製品の製造を強化しようと、昨年4月に立ち上げたのが「Ai collection」だ。これは、快適で楽しい生活の提案をコンセプトに掲げ、遊び心とデザイン性に富んだ、日用雑貨を制作するプロジェクトである。昨年9月にはその第一弾となる「ペーパーpot」を発表した。ペーパーpotはトイレットペーパーを収納して、ティッシュのような感覚で使ってもらうためのケース。カラフルな展開とユニークな丸いデザインが評価され、東京ビッグサイトで開かれた第64回東京インターナショナルギフトショーでは「女性のハートをキャッチするギフトグッズコンテスト」で大賞を受賞。現在、雑貨店などで販売されており、当初目標の3倍を売り上げている。
これ以降も、ポケットティシュ用ポット「pokety」、ポップなカラーリングの多目的バスケット「ぷりる」など、意欲的に新商品を発表。今後もラインアップを充実させていく考えで、「近い将来は、製造技術の開発にも取り組みたい」と意欲を燃やしている。
企業名 | 石川樹脂工業 株式会社 |
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創業・設立 | 設立 昭和40年3月 |
事業内容 | 熱硬化性・熱可塑性プラスチックの成形・加工、金型の製造・販売、オリジナル雑貨の企画・制作・販売 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.39より転載 |
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掲載号 | vol.39 |