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【巻頭インタビュー】能登半島地震からの復興や活性化ファンドの創設

印刷用ページを表示する更新日:2012年1月16日更新

巻頭インタビュー
(財)石川県産業創出支援機構 理事長 谷本正憲(石川県知事)

ISICOが10年目に突入

平成11年4月の発足以降、石川県内の中小企業をさまざまな角度から支援しているISICO。昨年度は能登半島地震で被災した中小企業の復興に存在感を発揮した年であり、設立10年目を迎える今年度は、被災企業の復興をはじめ、「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」を活用した新たなビジネスの創出や産業人材の確保・育成の支援が使命となる。理事長を務める谷本正憲知事に、今年度の新たな取り組みなどについて語ってもらった。

--------県政史上、未曾有の大災害となった能登半島地震の発生から一年が経過した。ISICOでは、昨年創設した300億円の「能登半島地震被災中小企業復興支援基金」を活用し支援を行っている。復興の状況は。

谷本理事長(石川県知事) 写真 被災者の方々や被災地の懸命な取り組み、県内外の多くの方々のご支援のおかげで、能登は、復興に向けて順調に歩みを進めている。
 ISICOでは、大変大きな被害を受けた輪島塗、酒造業、商店街を中心とする地場産業の再生・復興を支援するため、基金を活用して、企業の事業用施設の復旧をはじめ、販路開拓などをサポートしている。また、これまで培ってきた事業再生などのノウハウを生かし、巡回チームを結成して復興のための資金調達やその返済計画等についてアドバイスするなど、企業ニーズに沿った支援を行っている。
 その結果、今では輪島塗、酒造業、商店街において、7割を超える企業が施設の復旧に着手した。今年度は、地元のニーズを踏まえ、新たに輪島塗部門別コンテストの開催や酒蔵を活用したツアーの実施、共同販売所の設置のほか、風評被害の払拭のための「能登ふるさと博」「加賀四湯博」などに対して助成する。

--------震災をきっかけとして、各地で連携、協力しながら復興を目指す動きが具体化している。

 能登地域は地震によって甚大な被害を受けた。しかし、これを契機として、問題意識を共有したり、スクラムを組んで復興に取り組むなど、新たな動きも出てきた。
 例えば、震災で7割の店舗が全半壊した総持寺通り商店街では、すべての店舗で再開へのめどが付くと同時に、建物の外観を統一するなど、一体感のあるまちづくりに取りかかっている。また、「能登ふるさと博」は今年7月から10月にかけて、能登の各市町が連携してイベントを開催し、全国から誘客を図る試みだ。
 このように、単に震災以前の状況に戻すだけでなく、震災前よりもにぎわいのある、魅力的な地域や商店街を目指す前向きな計画が進んでおり、これらを積極的にサポートしていきたい。

--------今年度の新たな取り組みとしては、「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」の創設が挙げられる。

 いわゆる地域間格差を是正し、県全体を活性化していくことは大きな課題である。そこで、全国最大規模200億円のファンドを創設し、運用益で地域資源を活用した商品開発などを支援する。運用益は10年間で約20億円になる見通しで、これを生かして、新たなビジネスの種を育てていく。
 県では、その推進体制として、私が会長を務め、地域団体の代表者や学識経験者、ベンチャー企業経営者などに参画していただく「活力ある地域産業創出推進会議」を5月13日に立ち上げたところである。また、一日も早く地域の取り組みを支援するため、国の資金拠出に先駆け、99億円の地元負担分を拠出し、5月30日にファンドを創設した。
 ISICOにおいてもこの4月に、新たに「地域振興部」を創設したほか、能登地域を重点的に支援するため、そのブランチとして奥能登行政センター内に「能登サテライト」を設けた。それぞれに専任スタッフを配置し、きめ細かな人的支援を行う。

--------どのような事業内容を想定しているのか。

 県内には掘り起こせば全国に発信できる資源がまだまだあり、そうした地域の産業化資源を活用した新たなビジネスの創出を後押ししたい。また、能登では、食品産業の企業が自ら農地を借り上げ、農作物を栽培するなど、異業種分野からの農業参入がみられる。地域の農林水産業の発展にもつながる農商工連携の取り組みを少しでも多く支援していきたい。このことが、能登を元気にする原動力となる。また、高齢化の進展に伴い、高齢者等を支援するサービスのニーズが高まると予想され、医療と観光を組み合わせたヘルスツーリズムなど、医商工連携も支援したい。
 先日、農業に参入した建設業者から、地面ではなく土を入れた型枠でゴボウを育てる方法を実験したと聞いた。ゴボウは収穫に手間がかかるが、型枠を取り外せば簡単に収穫できるので、高齢化が進む農家の省力化が期待できる。このような発想は建設業者ならではのものである。ISICOが仲介役を担うことで、さまざまな分野の連携を促進したい。

--------モノづくり企業では、団塊世代の大量退職、学生の理系離れなどを背景に、人材不足が課題となっている。

 モノづくり企業を中心に、業種によって人材不足が深刻化しており、産業人材の確保、育成が急務だ。
 ISICOでは一昨年から「人材支援課」を設け、人材支援アドバイザーが県内企業からの相談に対応するとともに、人材の確保、育成、定着に関する助言をしてきた。また、昨年度は県内学生と県外へ進学した石川県出身の学生を対象とした就職フェアを開催した。今年度は新たに、モノづくり企業の中核を担う理工系人材を確保するため、県内の理工系大学や高専のキャンパス内で合同企業説明会を開催することとしている。
 このほか、企業を退職した、あるいは近く退職を控えるシニア人材の中から技術やノウハウを有する“新現役人材”を発掘するとともに、データベースに登録し、企業に活用してもらう「新現役チャレンジ支援事業」をスタートさせる。
 企業のニーズを把握しているISICOが人材と企業をマッチングすることで、求人側と求職側のミスマッチをなくすとともに、経営基盤の強化や新たな事業展開につなげてもらう。

--------中小企業の販路開拓を支援するため、今年度は新たにトヨタ自動車(株)との展示・商談会が予定されている。

 これまでも、中小企業の安定受注確保、受注品目の多角化などを目的に、東京や大阪、名古屋で受発注企業の交流を図る受注開拓懇談会を開催してきた。今年度はこれに加えて、世界トップクラスの自動車メーカーであるトヨタ自動車や関連企業を対象に、8月28、29日に技術力提案型の展示・商談会を行う。
 これは昨年6月にトヨタ自動車の張富士夫会長が県庁を訪問された際、石川県に集積する技術力が高い中小企業とトヨタグループとのご縁を作っていただきたいとお願いし、実現したものだ。私も先頭に立ってトップセールスを実施し、県内企業の技術力向上や新分野への販路拡大を後押ししたいと考えている。トヨタ自動車からの受注を獲得すれば、ステータスや信用度の向上につながり、他社からの受注の呼び水となる。また、7月5日には東海北陸自動車道の全線開通が控えており、アクセスが便利になる点も追い風になると考えている。コマツとその協力企業のような関係をトヨタ自動車とも築くことができれば理想的だ。

--------平成11年に設立されたISICOは10年目を迎えた。利用者へのメッセージを。

 ISICOは企業がワンストップで利用できるサービスセンターとして、それまで県内にあったいろいろな産業支援団体を統合してスタートした。正直言って当初は県内企業のニーズに応えられるか不安もあったが、年を追うごとにISICOという呼び名も浸透し、信頼も高まってきたように感じる。
 創設時は「産学官連携による新産業創出」や「ベンチャー支援」といった将来の新産業の芽を育てていくための取り組みに重点を置き、成果を挙げてきた。一方で、時代や経済状況の流れを受けて、新たな支援メニューや組織を設けるなど、適時、適切に対応してきた。
 スタッフも質・量ともに充実を図り、現在では100人を超える規模になった。産学官連携による研究開発から事業化、経営支援、販路開拓、人材確保、事業再生等、企業のさまざまなニーズにきめ細かく応える体制が整っている。
 これからも県内企業との信頼関係を大切に、また、創設時の原点を忘れずにしっかりとサポートしていきたい。企業の皆さんには、いい意味での「駆け込み寺」として、大いに利用してほしいと考えている。

企業情報

企業名 公益財団法人 石川県産業創出支援機構
創業・設立 設立 1999年4月1日
事業内容 新産業創出のための総合的支援、産学・産業間のコーディネート機関

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備考 情報誌「ISICO」vol.40より転載
添付ファイル
掲載号 vol.40

 


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