ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 情報誌ISICO > 都市部のデザイナーと連携し傷付きにくい漆器を食卓へ

本文

都市部のデザイナーと連携し傷付きにくい漆器を食卓へ

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

巻頭特集 地域資源を活用して石川生まれのヒット商品に挑戦!
国の認定受けて8社が始動

傷つきにくい漆の器 写真 「漆器は傷が付きやすい」「手入れも大変で扱いにくい」。そんな消費者の声に耳を傾け、傷が付きにくい普段使いの漆器を製造、販売しようというのが今回の事業計画である。提案したのは輪島塗の木地などを製造する桐本木工所。同社は、現代の生活にマッチする器や小物の制作、建材や家具のオーダーメードなど、新たな漆の可能性の追求に力を入れている。
 普段使いに耐えられる漆器の製造に向け、同社が表面硬度を高めるために開発したのが「漆布着せ(うるしぬのぎせ)・蒔地技法(まきじぎほう)」である。
 漆布着せとは、破損しやすい器の縁に、漆と米のりを混ぜた半田漆(はんだうるし)をしみ込ませた布を張り付け、木地を補強する技術のこと。また、蒔地とは漆を塗る段階で、漆が乾燥する前に地の粉(珪藻土を焼成した下地材)を蒔き、よく乾燥させてから研ぐ方法だ。いずれも古くから輪島塗で用いられてきた技術である。特に蒔地については、この技法を用いると表面が硬くなることは知られていたが、後工程の効率が悪くなるため敬遠されていたという。この技法に着目した桐本泰一代表補佐は、傷が付きにくい漆器を生み出すための技法として改良を加えた。
 新たに開発された漆器は、従来技法で作られた漆器よりも表面が硬く、ガラス繊維質に近い硬度を実現している。例えば金属製のスプーンやフォークを使っても傷付かない上、スポンジや中性洗剤で洗えるので手入れも簡単だ。桐本代表補佐 写真漆器本来のしっとりと肌になじむ風合いはそのままに、ややざらつきのある表面は光沢のないマットな仕上がりとなっている。
 現在までに器、インテリア小物、ステーショナリーグッズなど110アイテムが商品化されており、事業を通じて、今後3年間で、都市部で活躍する30~40代のデザイナーと協力しながら、さらに70~75アイテムを開発する計画だ。また、同社が直営店を構える日本橋三越本店のほか、百貨店、工芸ギャラリー、インテリアセレクトショップを通じて、都市部の30~40代女性をターゲットに見据え、販路を拡大していく。

企業情報

企業名 輪島キリモト(桐本木工所)
創業・設立 創業 昭和4年
事業内容 漆器木地製造・販売、木製品・漆の器・家具・建築内装材の企画・製造販売

企業情報詳細の表示

関連情報

関連URL 関連URLを開く
備考 情報誌「ISICO」Vol.38より抜粋
添付ファイル
掲載号 Vol.38


月間アクセスランキングへのリンク

月間アクセスランキング
DGnet 企業情報/バーチャル工業団地/情報誌ISICO


ViVOサイトへのリンク

活性化ファンド・チャレンジ支援ファンド商品開発ストーリー集サイトへのリンク

じわもんセレクトサイトへのリンク

DGnetサイトへのリンク