本文
昔ながらの醤油、味噌造りで、本物志向の消費者から支持の厚いヤマト醤油味噌が取り組むのは、「玄米あまざけ」(500ml入り/ 578円)の販路開拓である。
玄米あまざけは、米こうじと玄米だけで作った甘酒だ。同社が味噌を造る際に使用している米こうじがそのまま使われているほか、希釈せずに使えるストレートタイプのめんつゆを殺菌、ボトリングする技術を応用して、濃縮しなくても常温で6カ月保存できるようになっている。天然のアミノ酸やギャバ、ビタミンB1、ビタミンEなど、栄養が豊富で、そのまま飲んだり、料理や菓子作りにも使うことができる。
穀物菜食中心の食生活スタイルの浸透やLOHAS(健康で持続可能な社会を志向するライフスタイル)ブームを背景に玄米を使った商品開発に取り組み、玄米あまざけを発売したのは平成17年6月のこと。以降、自社の店舗やネットショップで販売し、特に40代以上の女性から人気を集め、「夏バテしなくなった」「便秘が解消した」「肌の調子がいい」といった評判が寄せられている。
甘酒と聞くと、正月や祭礼など特別な日に飲むもので、市場も限定的といった印象は拭えないが、同社の山本晴一社長は既存の甘酒とは一線を画す商品としてとらえており、「日常的に飲んでもらえる健康飲料市場に参入し、年間を通して受注したい」としている。
そのため、今回の事業計画では、これまでの直接販売以外にスーパーなどへ流通チャネルを開拓するのが第一の目標だ。また、健康飲料として一層のイメージアップを図るため、今年3月には有機栽培された素材で作ったオーガニック版の玄米あまざけ(180ml入り/価格未定)を発売する予定にしている。この商品は有機JAS認定を受けると同時に、世界で通用する国際的な有機認証を取得する準備を進めており、来年度には海外での販売も視野に入れている。さらに、マーケティング会社と連携して市場調査を行った上で、味のバリエーションを増やし、商品ラインアップを充実させていく考えだ。
企業名 | 株式会社 ヤマト醤油味噌 |
---|---|
創業・設立 | 創業 明治44年2月 |
事業内容 | 醤油、味噌の製造、販売 |
関連URL | 関連URLを開く |
---|---|
備考 | 情報誌「ISICO」Vol.38より抜粋 |
添付ファイル | |
掲載号 | Vol.38 |