ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 情報誌ISICO > プラズマディスプレイの電磁波遮蔽材が好調

本文

プラズマディスプレイの電磁波遮蔽材が好調

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

21世紀のチャレンジ

産業構造の高度化、急速な技術革新が進む中にあって、企業にとってはビジネスチャンス獲得のために新たなチャレンジが求められています。
その中で、独自の取り組みで工夫を見せ伸びゆく企業を紹介します。

27ミクロンの極細糸を織物に

メッシュクロスの電子顕微鏡写真 ヤマニは、メッシュクロスと呼ばれる極細糸を網状に織った織物の製造において、全国トップレベルの技術を誇る。メッシュクロスに求められるのは、縦糸と横糸の交差するマス目をより細かく、より均一に織るための技術。同社では1インチ(2.54 センチ)間に、460本もの糸を織り込むことが可能だ。肉眼ではまったく分からないが、同社の製品を電子顕微鏡でのぞけば、整然と並ぶ正方形の織り目を確認することができる。
 製品は各種産業資材として使われており、スクリーン印刷の原版、プラズマディスプレイの電磁波遮蔽材、携帯電話の小型スピーカー、コンピュータのプリント基板、医療機器など、その用途は多岐に広がる。
製品は人の目と手でチェックし、品質を確認している 写真 中でも平成15年から取り組み、近年、主力となっているのがプラズマディスプレイの電磁波遮蔽材である。銅メッキを施した27ミクロンという極細糸を織ったメッシュクロスは大手メーカーのプラズマディスプレイに採用されており、月産平均6万メートルを生産している。今秋には、フルハイビジョンなど、より高精細な映像に対応するため、さらに細い糸で織った新製品を市場に送りだす予定だ。

新規事業開発部が研究開発をリード

 創業当初、絹織物を生産していた同社が、商社の求めに応じてメッシュクロスの生産に乗り出したのは約50年前にさかのぼる。その後、この分野に特化。用途が幅広く、個別のニーズに対応するうちに技術力が蓄積された。平成11年にはISICOから研究助成事業の支援を受け、技術の高度化を図った。
 大手が参入しにくいニッチな分野であることに加え、高い精度が要求される製品とあって、コストの安い中国や東南アジア諸国との国際競争でも圧倒的な技術レベルで優位に立つ。技術力が認められて、清水屋社長 写真今年5月には、中小企業庁から「元気なモノ作り中小企業300社」の1社に選ばれた。
 一方で、「技術革新が激しい時代だけに、電磁波遮蔽材も、いつ代替品が出てきてもおかしくない」と清水屋眞二社長は危機感を募らせる。研究開発体制を強化しようと、昨年には、新規事業開発部を新たに立ち上げた。目下、大阪大学と共同で、IT機器や家電製品向けの電磁波吸収材の開発に取り組むほか、将来性の高いバイオ分野への進出も模索。独自のものづくりに向け、開発の手綱を緩めることはない。

企業情報

企業名 株式会社 ヤマニ
創業・設立 創業 大正13年6月
事業内容 スクリーン印刷用メッシュクロス、産業資材用メッシュクロスの製造、販売

企業情報詳細の表示

関連情報

関連URL 関連URLを開く
備考 情報誌「ISICO」Vol.36より抜粋
添付ファイル
掲載号 Vol.36


月間アクセスランキングへのリンク

月間アクセスランキング
DGnet 企業情報/バーチャル工業団地/情報誌ISICO


ViVOサイトへのリンク

活性化ファンド・チャレンジ支援ファンド商品開発ストーリー集サイトへのリンク

じわもんセレクトサイトへのリンク

DGnetサイトへのリンク