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バイオマス素材を使って地球に優しい製品を開発

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

21世紀のチャレンジ

産業構造の高度化、急速な技術革新が進む中にあって、
企業にとってはビジネスチャンス獲得のために
新たなチャレンジが求められています。
その中で、独自の取り組みで工夫を見せ伸びゆく企業を紹介します。

シビアな温度管理で製品化に成功

フラットヤーンやPPロープ 写真 フラットヤーンやPPロープの製造、販売を手がける北辰化成工業では、近年、生分解性プラスチックやバイオマス素材を使った製品開発に取り組んでいる。
 フラットヤーンとは、ポリエチレンやポリプロピレンを主原料とする扁平な糸のこと。使用用途に応じてさまざまな強度や繊度、色の製品を作っており、主に土木シートや遮光ネット、包装資材などとして使用されている。また、ポリエチレンのフラットヤーンをウォータージェット織機で織り、包装資材として提供している。
 同社が生分解性プラスチックを原料とするフラットヤーンやロープの開発に取り組んだのは平成12年のことである。石川県工業試験場から提案を受けたのがきっかけで、その後、土や水の中に放置しても、微生物やバクテリアで分解される土のう袋などの素材として実用化された。
桶谷社長 写真 さらに近年では、トウモロコシなどから取れるデンプンを原材料にしたフラットヤーンの製品化に成功した。微生物やバクテリアによって二酸化炭素と水に分解されるのは生分解性プラスチックと同様だが、これらを吸収するトウモロコシなどの植物を原材料とすることで、より環境に優しい製品となっている。「ポリエチレンの糸などに比べると、強度が弱く、温度によっては加工途中に切れたり、溶けたりするので、シビアな温度管理が必要になる。3~4年かかってようやく製品化にこぎつけました」と話すのは、同社の桶谷八郎社長。今後、さらに品質を向上させると同時に、用途の開発に取り組んでいく考えだ。

ベテラン技能者が若手に技能を継承

 ところで、同社が最初にフラットヤーンを手がけたのは昭和44年のことである。業界では、昭和50年代半ばのピーク時、70社以上の企業がしのぎを削ったが、その後はアジア諸国の急速な追い上げなどにより淘汰が進み、現在では10数社にまで減少したという。
 企業の規模だけを見れば、同社は業界でも一番小さい部類に入る。しかし、桶谷社長は「小さいからこそ、ここまで生き残ってくることができた」と分析している。つまり、大手メーカーが敬遠する、小ロット、短納期の製品、あるいは規格外の特注品などをこなすうちに技術が磨かれたというわけだ。
導入した織機 写真 30年以上にわたって培ってきた技術を次世代へ継承しようと、今夏からは社内勉強会をスタートさせた。50、60代のベテラン技能者が講師役となり、20、30代の若手社員に素材の基本的な性質や加工技術、機械設備のことなどについて研修を行っている。
 昨年は3台、今年10月には2台の織機を新たに導入。最近は改めて5Sの徹底に取り組むなど、「社員が家族に自慢できる企業づくり」を目指して、職場環境の整備にも力を入れている。

企業情報

企業名 北辰化成工業 株式会社
創業・設立 設立 昭和41年7月
事業内容 フラットヤーン及びPPロープの製造販売

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備考 情報誌「ISICO」Vol.36より抜粋
添付ファイル
掲載号 Vol.36


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