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産業構造の高度化、急速な技術革新が進む中にあって、企業にとってはビジネスチャンス獲得のために新たなチャレンジが求められています。
その中で、独自の取り組みで工夫を見せ伸びゆく企業を紹介します。
パソコンの活用やネットワークの構築などをサポートするエヌ&ケイでは、今年3月、独自のCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)である「BORNSITE(ボーンサイト)」を開発した。
CMSとは、Webコンテンツを自動的に構築、編集してくれるソフトウェアのこと。ホームページやブログを制作するには、通常、HTML などの特殊言語を使って、文章や写真をレイアウトしたり、装飾する。これには専門的な知識が必要で、そのため、外注費がかさんだり、情報の更新がおろそかになるケースが多々ある。一方、BORNSITEを導入すれば、あらかじめ用意されたテンプレート(ひな型)を利用して、誰でも簡単にWebコンテンツを作ることができる上、特別な知識を習得しなくても、記事の投稿や編集が簡単にできる。
既存のCMSは、デザインの自由度が低いものが多かったが、BORNSITEでは細かなカスタマイズも可能で、オリジナリティの高いデザインが実現する。
ほかにも、携帯専用ページの構築、登録したユーザーだけが利用できるページを設定できるなど、多様な機能を搭載している。
そもそもエヌ&ケイの浜田昭代表がCMSの開発を思い立ったのは昨年2 月のことである。自身がさまざまなCMSを実際に使ってみたところ、理想的なソフトが見つからなかったことがきっかけだった。「知識がなければソフトのインストールさえも難しいのが現状。マニュアルがなくても、直感的に操作できるぐらい簡単でなければ」。そう考えた浜田代表は、オリジナルソフトの開発に向け構想を練った。
開発には、システム開発を専門とする能美システムデザインの西川方敏氏と共同で取り組んだ。ITに無縁と思われる50歳代の男たちが出会うきっかけとなったのは、浜田代表が一時期入居していたISICOのSOHO支援拠点「いしかわSOHOプラザクリエーションオフィス」だった。その後、浜田代表の描くプランに西川氏が共感し、開発がスタート。二人で議論を交わしながら、具体的な仕様を固めていった。
BORNSITEのメインユーザーとして考えているのは企業や店舗、自治体である。すでにホームページを持っているユーザーを考慮し、HTML形式のホームページからの移行もスムーズにできるよう設計されている。また、期間限定のセール情報を発信したり、情報の公開記録を残しておくために、指定した日時や期間に記事を公開できる便利な機能を盛り込んだ。
リリース以降、食品メーカーや服飾店、自治体などで導入が進んでおり、使い勝手については好評を得ている。「数年後にはオープンソース(ソフトの設計図の無償公開)とし、世界に通用するCMSにしたい」と夢をふくらませる浜田代表。今後、さらなる改良を加え、機能を充実させていくことにしている。
企業名 | 株式会社 エヌ&ケイ |
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創業・設立 | 設立 平成7年4月 |
事業内容 | IT関連事業、広告代理店業務 |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」Vol.35より抜粋 |
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掲載号 | Vol.35 |