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石川県には、キラリと光る技術を持つ企業がたくさんあります。
そういった技術力を認められ、県外企業からも幅広く受注に成功しているものづくり企業の成長戦略を紹介します。
テラタニの誇るコア技術は、PPS樹脂の射出成形加工だ。PPS樹脂とは、機械や電子部品などに利用されるエンジニアリングプラスチックの一つで、金属に比べて安価で軽く、他のプラスチックよりも耐熱性や強度に優れている。同社では、この技術に特化し、給湯器やキッチンなどの住宅設備を中心に、幅広く製造を手がけている。
自動車のエンジンルーム内に使用されるなど、注目度が高まっているPPS樹脂だが、その一方で、生産工程においては、溶かした際に発生するガスによって金型が汚れやすく、こまめなメンテナンスが欠かせない。「PPS樹脂は管理の難しさから敬遠されがちだ。しかし、人が手を出しにくい分野にチャレンジし、高精度な成形技術と量産体制を確立できれば、オンリーワン企業になれる」と語る寺谷仁一社長。業界内の先陣を切って、20年も前からPPS樹脂加工部品を主力とした設備投資や体制づくりに力を注いできた。
現在、同社では多様な用途に応える射出成形機をそろえ、24時間の加工体制を構築するほか、金型にコーティングを施して、ガスによる劣化防止を図っている。
また、最大1000倍ズームが可能なデジタルマイクロスコープなどの計測機器を用いた1/100ミリ単位の品質管理を行っている。
同社では今後も、複数の部品を組み立て、一体化したユニットとして納めるモジュール化や、外注している金型設計の内製化などをより推進し、PPS樹脂加工のトップランナーを目指す。
企業名 | 株式会社 テラ・テック |
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創業・設立 | 創業 2013年11月 |
事業内容 | PPS樹脂をはじめとした樹脂の射出成形加工 |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.32より抜粋 (株)テラタニ(2013年12月に(株)テラ・テックに事業譲渡) |
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掲載号 | vol.32 |