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【巻頭特集】グローバリゼーションと並行して、地産地消のビジネスで能登を活性化

印刷用ページを表示する更新日:2012年1月16日更新

巻頭特集 地域資源を活用して企業やふるさとを元気に

価格競争に巻き込まれず、消費者に強く支持される製品開発が求められる中、その有力な素材として、地域が独自に育んできた農林水産品や伝統文化、観光といった地域資源が注目を集めている。
今回の特集では、地域資源活用型ビジネスに挑戦している2社の取り組みにスポットを当て、現状やこれからの可能性を探った。

今春から農業に参入 魚介の残渣を堆肥に

農業への参入など、新たな挑戦に意欲を燃やす杉野社長 写真 「ビタミンちくわ」やカニ風味かまぼこ「ロイヤルカリブ」といったヒット製品で知られるスギヨが、今春から農業に本格参入する。
 同社では、七尾市能登島西島地域の農地約3haを借り上げた。そこでは、今秋の収穫を目指し、タマネギやキャベツ、ニンジンの生産を開始する。採れた野菜は、「加賀揚」など同社の加工食品の原料として利用する予定だ。工場から出る魚介や野菜の残渣を堆肥に仕上げて活用し、循環型農業を目指す。将来的には、能登野菜や加賀野菜といった伝統野菜の栽培にも乗り出す計画だ。
 ところで、なぜ、スギヨが農業を手がけるのか。その答えは、「グローバリゼーションとローカライゼーションを並行して進めなければ、この先、生き残ることはできない」という杉野哲也社長の言葉に、透けて見える。

豊かな自然を活用して産業の活性化を

北陸工場の様子。衛生管理にはHACCPを導入している。 写真 グローバリゼーションとは、世界市場をターゲットとした販売戦略、原料調達戦略である。
 世界的に魚を食べる習慣が広まる中、フィレ(切り身)をメインに魚加工品のニーズは高く、カニ風味かまぼこも年間35万tとますます需要が増えている。こうした状況を念頭に、同社では高付加価値製品の輸出に向け、検討を進めている。
 また、同社がちくわの製造をはじめた100年前、その原料は日本海で豊富に捕れるアブラツノザメだったが、販売量が伸びるにつれて原料は不足。近年、主力製品であるカニ風味かまぼこやちくわの原料はアメリカや東南アジアから輸入されるスケソウダラやイトヨリダイが大半を占める。杉野社長は「魚の需要が増え、一部では水産資源の枯渇も進んでいる。この状況で将来もずっと今と同じように原料を確保できる保証はない」と新たな原料調達ルートの開拓を視野に入れる。
 一方のローカライゼーションとは、少ロットでも地域の旬の食材を活用した製品を、地産地消の流通をベースに製造していく戦略である。
 同社にとって、地産地消をテーマとした製品の製造は、何も目新しい取り組みではない。同社ではこれまでも、「とと一(いち)」のブランドネームで、能登の魚介の一夜干しや海藻、塩辛などを販売し、能登の食文化を発信してきた。
 その背景にあるのが、能登の活性化にかける思いだ。
 「能登では過疎化が進んでいます。しかし、能登には豊かな自然があります。これを生かしながら、地産地消的な製品を作ることで、一次産業、二次産業、三次産業を活性化して、若い人が、能登に帰ってきて働けるような環境を作りたい」と杉野社長。その一環として、農業への参入が位置づけられるわけである。もちろん、こうした取り組みが、ひいては同社のブランド力の向上、優秀な人材の確保につながっていく。

あくなき挑戦が結実 「香箱(かおりばこ)」が天皇杯の栄誉

多様な製品で消費者ニーズにこたえるスギヨ 写真 スギヨが先鞭をつけたカニ風味かまぼこは、今や国境を超えて食されるようになり、食品関係者からは「もはや食文化の域を通り越して、食文明の域に入った」と評される。
 マーケットが大きくなればなるほど、ライバルが参入してくるのは世の常。カニ風味かまぼこも、リトアニアといった生産コストの安い東欧諸国での生産が増加してきているという。
 しかし、杉野社長は、こうした状況にも動じる様子はない。「東欧の製品は、魚のすり身をほとんど使っておらず、当社の製品とは似て非なるもの。そこと競争するよりも、私たちは、34年前に初めてカニ風味かまぼこを開発したときの精神を忘れず、本物のカニを超えることにチャレンジし続けたい」と語り、新製品の開発に余念がない。
 杉野社長のみならず全社員のそうした思いが結実したのが、平成17年9月から販売している「香り箱(かおりばこ)」である。この製品は、スケソウダラを漁獲後すぐに、船上で加工した新鮮なすり身を原料として使用。味はもちろん、独自の製法によって、口の中でほぐれる食感まで、本物そっくりに再現した。
 スーパーでは、練り製品ではなく、刺し身など生鮮食品が並ぶ売り場に陳列される。従来品に比べて、約2倍と割高だが、販売は好調。平成18年11月には、第45回農林水産祭の水産部門で最高賞となる天皇杯を受賞した。

能登の食文化に着目し機能性食品の開発へ

 こうした付加価値の高い製品開発を可能としているのが、同社の頭脳とも言える開発本部である。県内外の大学、研究機関とも連携しながら、基礎研究から製品化の際に直面する問題の解決まで、多岐にわたる研究を行っている。
 その成果を紹介しておくと、先ほど紹介した「香り箱」の開発では、冷凍した状態で熟成を進め、おいしさをアップさせる新技術を導入した。また、食欲をそそる鮮やかな赤色を発色させるために、トマトやパプリカに含まれる赤い色素リコピンでの着色に取り組んだ。従来品は、他の天然色素を利用していたが、健康志向の高まりを受け、抗酸化作用があるリコピンでの着色を実現した。
 また、平成15年には、現代人に不足しがちな栄養素を補ってもらおうと、食物繊維を増量したカニ風味かまぼこ「ファイバーカリブ」を発売。厚生労働省の「特定保健用食品」に認定された。
 このほか、昭和27年以来のロングセラーとなっている「ビタミンちくわ」も、ビタミンAとEを配合し、厚生労働省の「保健機能食品」に認定されている。
スギヨの製品開発の中枢とも言える開発本部 写真 そして、目下、取り組んでいるのが能登の食文化をベースとした機能性食品の開発だ。「いしるやなれずしなど、能登には独特の食文化がある。ただおいしいだけでなく、そこには健康増進の秘密が隠されている。先人の残してくれた財産を生かして、独自色のある新製品を製造したい」と、杉野社長は新たな一手を模索し続ける。

企業情報

企業名 株式会社 スギヨ
創業・設立 設立 昭和37年1月
事業内容 魚肉練り製品などの製造・販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.33より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.33

 


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