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米を使用して機能性食品、塗料を商品化 農業の本来のあり方を追求する ~(有)ライスクリエイト

印刷用ページを表示する更新日:2012年1月16日更新

新たな企業価値を創造し、リスク低減を
多角化戦略で実現する企業の持続的発展

製品やサービス、事業にライフサイクルがある以上、
企業が持続的な発展を目指そうとするならば、既存事業の拡大はもちろん、
経営の多角化や新分野進出は重要な企業戦略の一つである。
自らの経営資源を生かしながら、新たなビジネスの種を見つけ出し、
意欲的に事業展開を図る県内企業2社の取り組みに迫った。

ベンチャー企業を設立し、米の新たな可能性を開く

長田竜太社長 写真 米ぬかに含まれる栄養成分に着目して機能性食品を開発しているベンチャー企業、ライスクリエイト(小松市)も新たな事業の柱を育てている企業の一つである。同社を立ち上げたのは、有機栽培の稲作農家を本業とする長田竜太社長だ。平成8年の設立以来、次々と新商品を開発し、事業を拡大してきた。
 長田社長がまず開発したのが、「玄米ギャバ液」である。ギャバとは、米の胚芽に含まれる成分で、血圧の正常化や血糖値を下げるなどの効果を持つ。同社では、農林水産省中国農業試験場の国有特許を活用し、ギャバを高濃度で蓄積させることに成功。その後、液体を粉末状にした「玄米ギャバ微粉末」も発売した。
 昨年には、米ぬかを粉末状にした「ミネラル・ブラン」を開発した。米ぬかには独特のにおいがあるが、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構との共同研究で、においの除去や味の向上を実現した。この商品はビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含み、パンやめん類、アイスクリーム、ギョーザの皮など、多様な食品への活用を探っている。

先人の知恵を現代風にアレンジ

 そして今年4月、長田社長が新たな一手として繰り出したのが米ぬかを主原料にした住宅用塗料「キヌカ」である。キヌカは米ぬかから油分を抽出して精製したもの。フローリングや木製家具、柱などに塗ると、 木を保護してくれるばかりかツヤが出て、木目が際立つ。
米ぬかから生まれた住宅用塗料「キヌカ」。100%天然素材にこだわっている。 写真 開発のきっかけは、米ぬかで床を磨くという日本で古くから知られる生活の知恵だった。年間約100万トン発生すると言われる米ぬかの約6割は産業廃棄物として処分されてしまう。それならば、先人の知恵を現代風にアレンジすることで、米ぬかを有効活用できないかと考えたのだ。
 取り組みはじめたのは2年前。ISICOの「石川県産学・産業間連携新豊かさ創造実用化プロジェクト推進事業」に採択され、自然派化粧品の製造販売を手がける(株)ルバンシュ(能美市)と共同で取り組んだ。

天然素材の弱点を克服 乾燥時間を短縮化

 開発にあたって目指したのは「100%天然素材の安全な塗料」である。しかし、このコンセプトに沿って開発を進めると、乾燥に時間がかかるという難問に突き当たった。
 近年、人体や環境への悪影響を考慮して、天然素材を原料とする塗料が多く出回っている。しかし、100%天然素材の場合、乾燥に24~48時間もかかってしまい、安全だが作業効率の悪さが問題となっていた。そのため、天然素材をうたい文句にしながらも、乾燥を速めるために15%程度の化学溶剤を含んでいる商品が多く流通していた。当然、この化学溶剤がシックハウス症候群の原因になるケースも多かった。
 「何とか天然素材だけで乾燥を速めることはできないか」。長田社長は化学溶剤の代わりになるものを探して、試験を繰り返した。単に乾燥時間が速くなればいいというわけではない。米ぬかの油分に混ぜても、塗料としての機能が損なわれないものを探さなければならなかった。
 何千回もの実験を繰り返した結果、ある植物の種子の油を混ぜると、2~4時間という通常の塗料と比べても遜色ないスピードで乾くことが分かった。
 独自の製法については、早期審査制度で特許を取得した。この制度は、中小・ベンチャー企業などを対象にしており、通常2年程度かかるところをわずか6カ月間で審査してもらうことが可能だ。出願にあたっては、ISICOの近岡和英特許流通アドバイザーからの助言を得た。

パッチテストで安全を証明 NHKでも大反響

 商品化にめどがついた後も、長田社長は安全性の追求に余念がなかった。「塗料は私たちの肌に直接触れるものです。フローリングの床を赤ちゃんがはうこともあります。そこで、塗料が肌に触れても安全かどうかを立証するために、皮膚科医の協力を得て、パッチテストをやることにしたんです」。パッチテストとは、かぶれや湿疹などのトラブルを引き起こさないかどうか直接肌に塗って反応を調べる方法である。テストの結果、皮膚への刺激はまったくなく、蒸留水よりも安全ということが分かった。「肌に塗っても、なめても大丈夫です」と長田社長は満足そうに笑みを浮かべる。
開発後、モデルケースとして「キヌカ」を使用した埼玉県内の保育園 写真 発売後、埼玉県内の保育園にモデルケースとして採用されるなど実績を伸ばした。NHKのニュース番組でも紹介され、400件以上の問い合わせが舞い込んだ。
 大きな反響を受け、7月には新会社「日本キヌカ(株)」を設立し、ライスクリエイトから塗料事業を移管した。日本キヌカは本社を石川県に置き、首都圏での需要を開拓する東京に営業本部を設けた。約10社の代理店と契約を結び、販売を本格化しており、初年度は1億円の売り上げを目指している。

機能性食品や塗料も農業の一環

キヌカを塗ると、ツヤが出て、木目が際立つ 写真 米づくりからスタートした事業は、機能性食品、そして塗料へとそのすそ野を拡大してきた。しかし、長田社長は「私は農業以外のことに取り組んでいるつもりはありません。機能性食品はもちろん、塗料も農業の一環だと思っています」と話し、「昔は農家が加工や販売までやるのは当たり前のことでした。それがいつの間にか、生産だけを仕事とするようになってしまった」と現在の農業のあり方に疑問を投げ掛ける。
 一見、多角化に見える事業の流れも、長田社長にとっては農業の本来のあり方を追求しているに過ぎない。長田社長は、米の新たな価値を見いだし、消費者に提供するため、日夜構想を練り続けている。

企業情報

企業名 日本キヌカ 株式会社
創業・設立 設立 2006年7月
事業内容 米ぬか塗料「キヌカ」の製造、販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.29より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.29

 


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