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大京ではキャブ(運転席)やエンジンフードなど、建設・鉱山機械用部品の板金溶接、塗装、組立を手がけている。中でも、同社が真骨頂を発揮するのが、創業以来、事業の中核を担ってきた塗装の分野である。その中で主力となっているのが、カチオン電着塗装だ。これは電気的に塗料を付着させる手法で、紫外線などによる耐候性、さび止め効果を向上させ、自動車並みの美しい塗装を実現する。
昨年9月には、同社で二つ目となるカチオン電着塗装ライン(写真)を導入した。塗装槽は軽自動車2台がすっぽりと入るほどの大きさ。大きな部品を丸ごと浸すことができるので、複雑な形状の部品でも塗料を隅々まで行き渡らせることが可能だ。
また、従来の塗装ラインに使用しているアイボリーの塗料ではなく、需要の高い黒色専用ラインとした。アクリル樹脂塗料を使用することで、1回で下塗りと上塗りを兼ねた品質が得られるようになり、約40%のコストダウンにつながった。同社の二宮吉男社長は「塗装会社としては日本最大の設備」と胸を張る。
近年、海外での建設・鉱山機械需要が高まっていることから、中国・山東省の工場に加え、今年11月からはタイで新工場を稼働させる。タイ工場では、東南アジアやヨーロッパ向けの生産を担い、初年度は30億円の売り上げを目指す。
今年7月には設立30周年を迎え、記念式典では独自に開発した新製品を発表する。二宮社長は「これを機にオリジナル製品の開発にも力を入れていきたい」と意気込んでいる。
企業名 | 大京 株式会社 |
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創業・設立 | 設立 昭和51年7月 |
事業内容 | 建設・鉱山機械部品の板金溶接、塗装、組立 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.28より抜粋 |
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掲載号 | vol.28 |