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ISICOは、5月18日(木)、e-messe kanazawa 2006 を開催中の県産業展示館で、「韓国IT最新事情セミナー」を開催した。当日は韓日ITジャーナリストの趙 章恩氏が「IT強国韓国の現況と日本が学ぶべき戦略と題して講演。ここではその内容をダイジェストで紹介する。
趙 章恩(チョウ チャンウン) 氏
韓国ソウル生まれ。東京韓国学校初中高等部、梨花女子大学(ソウル)卒業。韓国大手企業の日本担当部署を経て、現在、韓国のIT企業の海外進出サポート、ウェブサイト企画から構築までを指揮するプロデューサー。著書に「韓国インターネットの技を盗め」(アスキー刊)など
韓国では現在、「u-IT839戦略」に沿ってさらなる情報通信化に取り組んでいます。この戦略は「通信と放送の融合」「有線と無線の融合」に焦点を当てたのが特徴で、昨年には、世界に先駆けてDMB(日本で言うワンセグ)をスタートしました。さらに、今年はWibro(ワイブロ)という時速120キロの車の中でも使えるモバイル向け高速無線インターネットのサービス開始を予定し、移動中でも大容量データをやりとりできる環境が整います。
韓国の05年末時点のネット利用率は72.8%です。この中で特筆すべき点は、3~5歳の幼児でも47.9%が日常的にネットを利用しているということです(韓国ではすでに3歳以上の幼児も対象に統計を取っている)。
街中には、わざわざインターネットカフェにいかなくても、無料で使えるパソコンが至る所にあります。一般家庭ではデジタル家電の利用が進んでおり、いわゆるおサイフケータイやナンバーポータビリティーもすでに導入されています。
2002年からは電子政府が実現し、さまざまな書類をネット申請できるまでに発達しました。大学入試や公務員試験、司法試験なども100%ネットで手続きをします。
市民のネット生活を少し紹介しましょう。韓国ではTVドラマの再放送分を1本50~100円でネット配信しています。放送終了後、24時間以内に、洋画など一部を除き全ての番組がネット上にアップされ、VOD(ビデオ・オンデマンド)で楽しむことができます。ネットを使えば、いつでも再放送が見れるのでDVDレコーダーは売れなくなりました。予約録画はもう死語です。
VODによるテレビ局の収益はどんどん増えていて、あるテレビ局では年間24億円を売り上げています。
またVODと連動してネットショッピングを楽しむこともできます。例えば、ドラマの中のある場面を選択すると主人公が着ている衣装の詳細が出てきて、ショッピングサイトと連動するといった具合です。
ネットでの消費活動が活発な要因の一つは、多彩で便利な決済システムにあります。一番よく使われているのは携帯電話による少額決済です。また、クレジットカード会社やお店が発行するポイントなどを全部まとめて使えるOK CASH BACK、固定電話の料金に合算される仕組みなども利用されています。
Talk Session 趙 章恩氏 × 阿部 和也氏 × 松崎 秀規氏 |
セミナー終了後、趙氏は、韓国企業と提携している(株)シーピーユー 開発研究室の阿部和也氏、(株)アイ・ツーの松崎秀規代表取締役とトークセッションを行った。 そこでは、連携においてお互いを理解するための徹底的なコミュニケーションの大切さ、韓国のバラエティー豊かなコンテンツ及びブロードバンド環境の利用価値などを中心に討論された。 ISICOでは今年4月から、新たに(財)日韓産業技術協力財団と協力し、韓国・大邱広域市の(財)大邱デジタル産業振興院(DIP)と引き続き連携を図っていく。 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.28より抜粋 |
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掲載号 | vol.28 |