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虹色の炎が燃えるキャンドル 異業種との連携で販路開拓

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

明日へのチャレンジ

金沢市内にある小さな町工場が開発した「レインボーキャンドル」は、火を付けると虹色の炎がゆらめく画期的な商品である。10年の歳月をかけて開発した自信作だったが、思ったように販路開拓が進まなかったため、販売面でのパートナーを求めて、WEB制作等の専門家に協力を要請。アイデアをビジネスとして軌道に乗せるため、ものづくりのプロと販売のプロがスクラムを組んで、奮闘を続けている。

金属の炎色反応を利用 1本で複数の色を発光

 「レインボーキャンドル」はその名の通り、幻想的な虹色の炎をともす不思議な商品である。燃えている炎の色は従来のろうそくとはまったく違い、上から順に緑、黄、赤、紫に輝く。
 一見するとろうそくのようだが、その仕組みはまったく異なり、レインボーキャンドルが燃やしているのは金属化合物と燃焼物質を混ぜ合わせた固形燃料である。金属には銅ならば緑、リチウムならば赤といった具合に燃えて気化したときに特定の色を発する性質があり、これは炎色反応と呼ばれる。レインボーキャンドルは、この炎色反応を利用して鮮やかな虹色を発光させているというわけだ。
15分燃焼タイプ 商品ラインアップは、燃焼時間によって4分用、15分用、30分用、60分用の4タイプで、主に結婚式の披露宴や各種イベントで活用されている。価格は4分用が630円で、それ以外は専用の燭台(しょくだい)や固形燃料をセット販売しており、15分用16,800円、30分用25,200円、60分用35,700円(すべて税込み)となっている。

ヒントは偶然から 町工場の技術を活用

松平社長 商品を開発したのは、松平製作所(金沢市)の松平寛夫社長である。同社は繊維機械部品などの製造を手がける社員6 名の小さな町工場だ。松平社長は大の発明好きで、高枝切りバサミを改良して、高い場所に殺虫剤を噴霧するための機器を考案するなど、仕事と並行して、日夜、創意工夫に励んでいる。
 そんな松平社長がレインボーキャンドルの開発に取り組んだのは、およそ10年前にさかのぼる。福井県出身で酒井理化学研究所を主宰する酒井弥氏の勉強会に参加した松平社長は、ここで炎色反応について学び、その後、キャンドルとしての応用を模索。元々は、緑、黄、赤、紫の各色を単色で発光する固形燃料として開発したが、失敗作をまとめて火に投げ込んだところ、きれいな虹色の炎が現れ、これをヒントに現在の商品を完成させた。
炎色反応は金属の混合割合が少し変わるだけでも異なる色を放つ 商品化にあたっては、約50年にわたって、ものづくりに取り組んできた経験と実力が大いに役立っている。
 例えば、レインボーキャンドルの本体である固形燃料は、粉末状の金属化合物と燃焼物質をプレス機で押し固めて、ろうそく形に成型している。
 自作したステンレス製の「燃焼制御リング」もその一つだ。燃焼制御リング炎色反応には温度が高くなるほど、きれいに色を発する性質があり、このリングをレインボーキャンドルに装着して燃やすことで上昇気流を生み出し、先端部分を高温に保っている。また、レインボーキャンドルを単体で燃やすと、一度に全体が燃焼してしまうために短い時間で燃え尽きてしまうが、このリングを付けることで燃焼の方向を制御し、炎の大きさを一定に保ちながら、長時間燃やすことが可能となった。
 松平社長は「世界初の商品が出来上がった」と胸を張る。

販促の協力者を求めて声かけ

レインボーキャンドル 本格的な販売スタートは一昨年のことだったが、同社にとって自社商品の売り込みは初めてとあって、販路は思うように広がらなかった。
 単独での販路開拓に限界を感じた松平社長は昨年、販売面での協力者を探してさまざまな人に声をかけた。そんな中、ビジネスとしての可能性に共感してくれたのがWEBの制作やコンサルティングを手がける県内企業だった。
 その後、それらの企業と合同会社を設立し、一つのチームとして販路開拓に注力。平成22年度には、いしかわ産業化資源活用推進ファンド事業(活性化ファンド)を活用して、ネットショップを開設した。また、金沢市内のブライダル企画企業とも連携し、全国の結婚式場への営業も強化している。今年度に入って、石川ブランド優秀新製品の銅賞に選ばれるなど、マスコミに取り上げられる回数も増え、次第に販売数も伸びてきた。
 実物を見てもらうのが一番効果的と考え、毎週末、金沢市の妙立寺(忍者寺)前にある土産物店の一角で実演販売を続けている松平社長は「虹色の炎を見たお客さんが感動して、拍手をしてくれるのがうれしい」と目を輝かせる。さらに多くの人にその感動を届けるため、強固な協力体制を武器に、販売力に磨きをかける。

 

企業情報

企業名 レインボーキャンドル 合同会社
創業・設立 設立 平成23年1月
事業内容 レインボーキャンドルの企画、開発、製造、販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.59より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.59


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