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つくばの知恵と石川の技術の融合がいよいよ結実 ロール測定装置開発でつかんだレーザ技術の世界

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

つくば石川交流ファイル

筑波研究学園都市にある研究機関と県内の企業、研究機関が取り組んだ共同研究について紹介します。

■石川県工業試験場      ■シグマ光機(株)
■(独)産業技術総合研究所   ■(株)横山商会

わずか1/6000度の角度誤差をレーザ光で検出

岡路氏(写真左)と今井氏 写真 石川県内の企業や研究機関と、石川県にゆかりのある筑波学園都市の研究者らが連携を図る「筑波石川研究交流会」。21年目を迎える同会にとって、今年は特にエポックメーキングな年となりそうだ。というのも、筑波と石川の研究機関と企業が一体となった取り組みが、今、実を結ぼうとしているからだ。
 その製品とは、県工業試験場と産業技術総合研究所(茨城県)、白山市と志賀町に研究・生産拠点を構える光学機器メーカー・シグマ光機(本社/東京都)が共同で開発した工作機械用のロール測定装置である。ロールとは、工具や工作物を機械上で移動させる際、移動軸回りに発生する微小回転誤差のこと。レーザ測定機器からレーザ光を対象物に照射し、反射光の位相変化からロール角を検出する仕組みで、1/6000度の角度誤差まで測定可能だ。

 開発のきっかけは今から25年前にさかのぼる。当時、マシニングセンタに発生するロールをレーザ測定する方法を模索していた現中藪俊博次長ら県工業試験場機械金属部職員が、ある論文を目にした。その論文を著したのは、産業技術総合研究所の前身である工業技術院で計測技術を担当していた岡路正博氏(現計測標準研究部門長)。その内容は、レーザ光を用いれば工作機械のロールも測定できることを予言するものだった。

計測の専門家が力添え いよいよ製品化へ

 この論文に光明を見出した機械金属部職員が早速つくばに足を運ぶと、岡路氏は協力を快諾。当時、岡路氏の上司で熱物性部長だった今井秀孝氏(所長を経て現顧問)も連携を強力に後押しした。今井氏の出身は中能登町で、交流会の元会長でもあり、「何とか郷土の力になりたい」との思いが強力なバックアップにつながった。折しも、平成元年に能登中核工業団地に進出したばかりのシグマ光機に、製作担当者として白羽の矢が当たった。

 その後、およそ20年が経ち、度重なる改良を経てロール測定装置はいよいよ製品化の段階を迎えた。現在は、本体であるレーザ測定システムそのものをシグマ光機で製品化し、そのアクセサリ群の一つにロール測定装置を加える計画だ。昨年から、県工業試験場では電子情報部が、業界からは横山商会が新たに助っ人に加わり、最新の電子技術を駆使して仕上げる段取りになっている。昨年にはISICOの「産学・産業間連携新豊かさ創造実用化プロジェクト推進事業」にも採択され、2年後の本格販売開始が待たれる。

 さらに、産業技術総合研究所からは岡路氏の部下も加わり、レーザ測定システム開発を支援する。岡路氏と今井氏は「20年前には思いもよらなかった石川との連携が強固になってうれしい」と目を細める。

谷内センター長(写真左)と秋田本部長 写真 中藪次長は「レーザ測定は、高周波振動する光の波に潜む情報を扱う技術で、石川県にはなかった技術分野。他への波及効果にも期待できる」と述べ、シグマ光機で開発の指揮を執る谷内秀夫技術センター長と横山商会の秋田徳夫開発本部長は「これまで培ったパイプを活用して、今後も研究を着実に継続していきたい」と意気込む。つくばと石川の連携と、その成果に寄せられる期待は膨らむ一方である。

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備考 情報誌「ISICO」vol.45より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.45


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