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加賀野菜や能登野菜を使った生麩 地元産食材にこだわる顧客に好評

印刷用ページを表示する更新日:2017年12月27日更新

チャンスをつかみ、未来をひらく
Seize a chance and open a bright future.​

主に業務用生麩を製造、販売する麩金では活性化ファンドの助成金を活用し、加賀野菜や能登野菜を練り込んだ新商品の開発に取り組み、平成26年から27年にかけて5種類の生麩を発売した。宿泊客に地元産の食材にこだわった商品を提供したい有名温泉旅館などに販路が広がっているほか、これを契機に全国各地の特産品を使った“ご当地麩”を展開しようと意欲を燃やしている。​​​

野菜の含有量は10%以上​ 

紅葉型の細工麩を使った調理例の写真。  麩金が新開発したのは、加賀野菜の金時草、加賀れんこん、さつまいも(五郎島金時)、能登野菜の中島菜、それに地元で愛飲されている金沢棒茶を使った生麩だ。加熱調理して細かく刻んだものを生地に練り込んでおり、10%以上の量が入っている。五郎島金時では皮も少量加えて風味が増すように、加賀れんこんではシャキシャキとした食感が出るように工夫した。
 スライスすると断面が長方形になる棒麩と紅葉の形になる細工麩の2種類をそれぞれラインアップ。金沢の郷土料理である治部煮をはじめとする煮物、田楽、鍋料理などの具材として活躍する。
 発売後、売り上げは着々と伸びており、現在は主に県内の有名温泉旅館に販売するほか、金時草麩は金時草を「水前寺菜」の名で伝統野菜として栽培する熊本県などにも出荷している。
 長町武家屋敷跡のすぐそばで同社が運営する「茶庵」では小売りも行っていて、観光客らに好評を得ている。

安い時期に仕入れてコスト低減

 「お客様からは地元の食材を使ったものを開発してほしいとのニーズが高まっていましたし、他社との差別化にもつながると考えました」。開発を思い立ったきっかけについてそう話すのは麩金の中川乃布彦社長である。
商品化に当たって、最も大きな課題となったのはコストだ。ブランド野菜を使えば、当然原価は上がってしまう。しかし、同社が主戦場とする業務用麩は価格競争が激しく、1円単位で攻防が展開されるマーケットだ。ブランド野菜を使った付加価値の高い商品といえども、既存の商品に比べて大幅に値上がりしてしまっては、取引先からそっぽを向かれてしまう懸念もあった。
中川乃布彦社長の写真 コストを低減するために取り組んだのが仕入れ時期の見極めである。
 「野菜の価格は出始めの時期は高く、しばらくすると落ち着いてきます。安いときは最も高値の時期に比べて半値以下になることもあります。そこで出荷が最盛期を迎え、安くなった頃を見計らって大量に仕入れ、一次加工をした上で冷凍保存しておくのです」(中川社長)。
 規格外の野菜を使う手もあったが、それでは加賀野菜や能登野菜のブランドを名乗ることができないことから、仕入れのタイミングを工夫することで原価を抑え、結果として他の商品とほとんど変わらない価格で販売できるようになった。

木型と金型の長所・短所を確認 

紅葉型の細工麩を作るための木型と金型の写真 また、従来使っていた木型の代わりに金型を使って製造することも開発テーマのひとつだった。その背景には、木型職人や木型に適した良質なヒノキ材が減少して調達が難しくなっていることがある。同時に、長く使っているとささくれができて、商品の表面にくっつく懸念があるため、異物混入のリスクを低減したいとの狙いもあった。
 しかし、実際に金型を製作して使ってみると、熱伝導率が良すぎるためか、端の方はすぐに蒸し上がってしまうのに対し、中央部は火が通りにくいといったデメリットが明らかになった。現在は加熱する際の温度や時間を調整して対応しているが、それでも木型の方が不良が少なく、仕上がりもいいことから、中川社長はもう一度木型に戻すことを検討しているという。
 新たな木型の開発では金沢市内の木材メーカーと連携する。材料には不足気味のヒノキではなく、能登ヒバを採用する計画だ。能登ヒバはヒノキに比べても腐りにくく丈夫で長持ちし、抗菌性にも優れ、湿気によるカビや雑菌が繁殖しにくい特徴がある。
 職人不足への対策も考えていて、これまで一つ一つ手彫りしていたものを3次元CAD/CAMとNC加工機を組み合わせて使うことで、遜色ない品質の木型ができると期待を掛けている。

“ご当地麩”の全国展開目指す 

 中川社長は加賀野菜や能登野菜を使った商品の開発を振り返り、次のように話す。
加賀野菜と能登野菜、金沢棒茶を練り込んだ棒麩の写真 「活性化ファンドが地元素材を取り入れた“ご当地麩”を作るいいきかっけになりました。当社では全国に取引先があります。各地においしい特産品がありますし、どの地域でも地産地消型の商品に対するニーズは高く、ご当地麩には大きなビジネスチャンスがあると見込んでいます。まずは北陸、東海、山陰といったエリアごとに、それぞれの特産品を取り入れた商品を開発したいと思っていて、最終的には47都道府県すべてでご当地麩を展開できれば理想的です」。
 他地域での展開の第一歩として、既に同社では、徳島県を代表するブランドさつまいも「なると金時」を使った生麩を開発。四国の料亭などに販売し、喜ばれている。
 「麩の市場は縮小傾向にある。その理由としては、若い料理人が使わない、あるいは麩の良さが十分に理解されていないことが考えられます」と話す中川社長。今後はご当地麩に続き、ハロウィンにはカボチャを練り込んだ麩を作るなど、季節行事を意識した商品も企画、開発し、麩のPRや販路開拓に力を入れていく考えだ。

企業情報

企業名 株式会社 麩金
創業・設立 設立 昭和55年11月
事業内容 業務用生麩および自社製品の製造、販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.97より抜粋
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掲載号 vol.97