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ISO9001認証取得で組織強化 円滑な事業承継につなげる

印刷用ページを表示する更新日:2017年12月27日更新

From USERs 各種支援制度の利用者に聞く
Seize a chance and open a bright future.​

​ISICOでは、企業の成長をサポートするためさまざまな支援制度を用意しています。
制度を利用して事業の拡大に成功した企業の取り組みを紹介します。

昭和52年の創業以来、公共事業やプラントの電気工事を手がけてきた成宏電機では、夏梅大輔社長が就任した平成23年以降、生産機器や搬送機器、制御装置、エネルギー監視・省エネルギー装置の設計・製作を本格化させ、売り上げと社員数を着々と増やしている。ISICOではISO9001の認証取得と新規事業に向けた技術開発への意欲的な挑戦をサポートすることで、同社の成長を後押ししている。​

省エネ装置も数々の導入実績​

搬送装置用の大型制御盤の写真 小松市にある成宏電機の工場を訪れると、中では幅5メートル、高さ2メートルという大きな制御盤が組み立てられている真っ最中だった。これは大手メーカーの製造ラインに組み込まれる搬送装置の制御盤である。同社では平成19年に初めて制御盤を設計・製作したのを皮切りに制御装置はもちろん、生産機器や搬送機器なども手がけるようになり、今ではこれらが事業の3本柱のひとつにまで成長している。
 もうひとつの柱と言えるのがエネルギー監視・省エネルギー装置の設計・製作だ。こちらも大手メーカーのプラント内で活用される設備で、例えば料金の安い夜間電力を蓄電し、昼間の操業時に有効活用するシステムや排熱を利用した熱電発電システムなど、数々の導入実績を積み上げている。
 もちろん、創業以来得意とする電気工事も主要業務のひとつだが、夏梅社長が「誰でもできる仕事ではなく、自分たちにしかできないことに力を入れたいので、今年からは公共工事の電気工事を受注しないことにしました」と話すように、現在はプラントの電気工事だけを手がけている。

電気工事会社からものづくり企業へ

夏梅大輔社長の写真 電気工事会社からものづくり企業へと業容を拡大するきっかけについて夏梅社長は次のように話す。
 「プラント等の建設では従来、建築と機械設備、電気設備等を別々に発注する“分離発注方式”が主流でした。この方式はコストを抑えられるのがメリットですが、工事全体を統括する人材が必要だったり、各工事会社と個別にやり取りしなければならないため業務が煩雑になったりとデメリットもあります。そのためすべての工事をまとめて1社に発注する“一括発注方式”を採用する企業が増えてきたのですが、そうなると電気工事は二次下請け、三次下請けにならざるをえません。そこで会社を成長させるには、設計から製作、施工までを一気通貫で手がけようと、自動制御装置などに力を注ぐようになったのです」。
 業務領域を広げるに当たっては夏梅社長が三菱電機などで培った設計に関する知識やノウハウが大いに役立った。顧客の製造ラインに最適な装置を設計・製作して、自動で制御できるようにソフトウェアも開発した上、設置して試運転までする。付加価値の高い技術とサービスを提供することで業績は伸び、平成29年は前年比で20%以上のアップとなる7億9,000万円の売上高を見込んでいる。社員数も電気工事だけを行っていた10年前は10名ほどに過ぎなかったが、現在では34名にまで増え、このうち16名を設計者が占めている。

品質向上や効率化へ業務を標準化

 仕事のボリュームが増え、社員数が増える中で、組織として機能する仕組みづくりが必要と考え、同社が平成22年に取り組んだのがISO9001の認証取得である。これをバックアップしたのがISICOの専門家派遣制度だった。
 「何でもかんでもやると続けられなくなるからと、専門家の方には当社の身の丈に合った仕組みづくりを指導してもらいました」(夏梅社長)。
 今まで何となくこなしていた業務を標準化、文書化することで、品質アップや効率化が実現したほか、社員一人一人が持っている技術やノウハウの伝授がスムーズになった。また、誰がいつどのような工程を踏んで製作し、どのような検査をクリアしたのかを記録、保管することで、不具合等が発生した場合に迅速に原因を究明し、有効な対策を打てるようになった。
 夏梅社長が先代から事業を引き継いだのはISO9001認証取得の翌年で、「しっかりと組織づくりをできたことが円滑な事業承継にも役立った」と振り返る。
 同社では平成29年から再び専門家派遣制度を活用しており、今後はさまざまな仕事が錯綜する中でも、社員同士の横の連携を密にして業務の効率化につなげる考えだ。

得意分野を生かし新規事業にも注力 

太陽光発電パネルの劣化診断装置

 夏梅社長の就任後は新規事業にも力を注いでいる。そのひとつが太陽光発電パネルの劣化診断装置だ。開発に当たっては石川県工業試験場と連携したほか、ISICOが認定支援機関となって、ものづくり補助金の活用をサポートした。
 これは太陽光発電パネルに電気を通すと赤外線が出る性質を利用した装置で、発光の度合いによって劣化具合を診断する。従来は発電量を基に推測するしかなかったが、この装置では天候に左右されず、正確に診断可能で、パネルの保守点検や品質保証に役立つ。平成27年にはNTTのグループ企業が採用を決め、現在、本格運用に向けて開発を続けている。
 このほか、現在は音や電気を使って、工作機械などの故障を予知するための保全システムを開発中だ。生産現場ではベテラン工員が聴診器を使って機械の異常を調べており、これまで感覚に頼っていた診断をシステム化する。
自社工場屋上でのテスト撮影画像 新規事業に意欲的に取り組む企業姿勢は採用にも好影響を与えていて、ここ数年は年1名のペースで新卒採用を続けているほか、中途採用者も順調に確保している。
 「祖父の代では繊維業を営んでいました。夏梅家には40年たったらビジネスを変えなさいという教えがあるんです。今後目指しているのはメカ、電気の技術を生かした総合装置メーカーです」(夏梅社長)。
 時代に合わせ、変化を続ける同社のこれからに期待が膨らむ。

企業情報

企業名 株式会社 成宏電機
創業・設立 創業 昭和52年8月
事業内容 自動制御装置の設計・製作、プラント電気工事、エネルギー監視・省エネルギー設備の設計・製作

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備考 情報誌「ISICO」vol.97より抜粋
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掲載号 vol.97