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【巻頭特集】かきもちの品質向上、増産へ 低温乾燥室をリニューアル ~(有)のむら農産

印刷ページ表示 更新日:2018年2月13日更新

【巻頭特集】
新たな技術やサービスの開発へ 「ものづくり補助金」が強い味方に

新たなものづくり技術やサービスの開発に挑戦する中小企業を支援する補助金の代表格とも言えるのが中小企業庁の「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」(以下、ものづくり補助金)だ。試作や設備投資などにかかった原材料費や設備費、人件費などの費用を、1,000万円を上限に3分の2まで助成する仕組みで、資金力に乏しい中小企業の強い味方となっている。今回の特集では、ISICOがものづくり補助金申請にあたって事業計画策定をサポートし採択された中から、成果を挙げている3社の取り組みを紹介する。

温度や湿度を自在にコントロール

かきもちの品質を左右する大切な工程を担う低温乾燥室の写真 自家製の有機肥料で育てた餅米を使って餅やかきもちなどを製造する「のむら農産」。平成25年度にものづくり補助金を活用して温度と湿度をコントロールできる低温乾燥室を完成させ、成長のけん引役として期待をかけるかきもちの増産体制を整えた。
 かきもちは通常、薄く切った餅を自然乾燥させるのに適した気温や湿度になる寒の時期(1月から2月)に作られるが、同社では1年を通してかきもちを製造できるようにと、約20年前からエアコンや除湿器を使って、寒の気候を再現する乾燥室を手作りし、活用してきた。
 しかし、スペースが手狭で少量ずつしか生産できない上、温度や湿度の制御がうまくいかずに割れてしまったり、カビが生えてしまったりすることも多く、頭を悩ませていた。さらに、温度や湿度を職人一人の感覚に頼って調節していたため、ノウハウを他の社員が共有、継承することができない状態となっていた。
 こうした課題を解決しようと整備したのが低温乾燥室だ。広さは従来の3倍以上で、制御盤に数値を入力するだけで、室内を乾燥に適した温度や湿度にできるほか、例えば1週間かけて徐々に湿度を60%から40%に下げるといった具合に、温度や湿度を上げ下げするペースもコントロールできるようになっている。

不良率が劇的に低下 作業負担も軽減

約400年続く農家の20代目となる野村佳史社長の写真 とはいえ、世界でただ一つの設備だけにマニュアルがあるわけでなく、当初は使いこなすことが難しかったという。
 一例を挙げると、歯触りがよく、おいしいかきもちに仕上げるには、水分をゆっくりとまんべんなく放出させることが必要だが、かきもちのサイズ、豆や昆布といった具材によって乾燥具合が異なるため、試作を繰り返し、データと仕上がりを照らし合わせながら、最適の条件を探った。安定して生産できるようになるまでに2年を要したが、その結果、以前は10%以上あった不良率は劇的に低減。職人の感覚を数値に置き換えることができたため、若手にノウハウを共有、継承することにも成功した。
 また、従来は1日に何度も室内の状態を確かめ、温度や湿度を調節しなければならなかったが、現在は自動的に調節されるため、作業負担が軽くなった。
のむら農産が作っているかきもちの写真 かきもちの売り上げをさらに伸ばそうと、昨年3月には、低温乾燥室を活用して、味平(あじへい)かぼちゃや国造(こくぞう)ユズなど、8種類の県産野菜を練り込んだ「いしかわ特産野菜かきもち」を発売し、かきもちのラインアップを充実させた。
 同社の収益の柱の一つは餅だが、需要は12月に集中し、人手が限られるため、売り上げを伸ばすのは難しい状況だ。一方で、野村佳史社長は「輸送しやすく、日持ちするかきもちは取り組み次第で販路拡大の余地が大きい」と期待をかけており、企業の成長の原動力として、新たな低温乾燥室をフル活用していく考えだ。

企業情報

企業名 (有)のむら農産
創業・設立 設立 平成7年3月
事業内容 水稲栽培、餅・かきもち・生菓子の製造

企業情報詳細の表示

関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.98
備考 情報誌「ISICO」vol.98より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.98


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