ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 情報誌ISICO > メニュー > 情報誌ISICO検索 > 【巻頭特集】解析ソフトで最適な寸法や形状を算出 設計の効率化、品質向上を実現

【巻頭特集】解析ソフトで最適な寸法や形状を算出 設計の効率化、品質向上を実現

印刷用ページを表示する更新日:2018年2月13日更新

【巻頭特集】
新たな技術やサービスの開発へ 「ものづくり補助金」が強い味方に

新たなものづくり技術やサービスの開発に挑戦する中小企業を支援する補助金の代表格とも言えるのが中小企業庁の「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」(以下、ものづくり補助金)だ。試作や設備投資などにかかった原材料費や設備費、人件費などの費用を、1,000万円を上限に3分の2まで助成する仕組みで、資金力に乏しい中小企業の強い味方となっている。今回の特集では、ISICOがものづくり補助金申請にあたって事業計画策定をサポートし採択された中から、成果を挙げている3社の取り組みを紹介する。

熱による構造への影響も解析可能に

開発・設計プロセスの効率化に取り組むスタッフの写真。 産業機械の機械設計などを手がけるアルパイン設計事務所は、平成26年度から3年連続でものづくり補助金事業に採択された。同社では解析用ソフトウェアなどを導入して解析ノウハウの蓄積、解析精度の向上に取り組み、設計品質の向上や開発にかかるコスト、期間の大幅な削減につなげている。
 同社が1年目に取り組んだのは、装置内部の熱や気体・液体といった流体の流れをコンピューター上でシミュレーションし、可視化する技術の確立だ。クリーンルームを模した小型の実験装置内の気流や流速を実際に計測し、そのデータとシミュレーション結果を照らし合わせた上で、数値が異なる要因を分析するなどして、正確な解析に必要な計算手法などを確立した。
真空容器に取り付けるリブ(補強材)の最適な位置についてのシミュレーション例の画像。 2年目にはさらに複雑な形状にも対応できるように、直線だけでなく曲面を含んだ形状でも精度よくシミュレーションできる技術を確立したほか、気体と液体が混在する場合の解析や、熱・流体解析と構造解析を組み合わせた「連成解析」の手法にも取り組み、例えば熱の影響による機械の変形なども解析できるように技術を高度化した。
 3年目には、最適化手法を用いて、機能や要求を満たすために最適な寸法や形状を導き出す技術を確立した。機械設計では一般的に、設計者が図面を描いた後、試作機を作って試験を行い、不具合があれば、設計し直して再び試作機を作ってというプロセスを何度か繰り返しながら完成度を高めていく。一方、同社が確立したのは事前にシミュレーションで得られた情報を設計に生かす方法で、試作は最終確認の1回にとどめることも可能である。従来のやり方に比べて開発にかかるコストや期間を大幅に削減できるのが最大のメリットだ。​

解析チームを立ち上げ多様な業界から引き合い

 こうした取り組みの背景には、近年、従来であれば試作するまで発見できなかった問題点を設計段階でなくし、品質の向上はもちろん、コストや開発期間を削減したいというニーズがある。また、北陸では熱・流体解析を手がける企業が少ないことから、ビジネスチャンスの拡大につなげたいとの狙いもあった。
 設備投資に合わせ、同社では大学院で熱・流体のシミュレーションについて研究した経験を持つ人材を採用。昨年4月には新たに解析チームを部署として立ち上げ、現在4人が所属している。
解析チームの皆さんの写真 社内にまったくノウハウがなかったため、ノウハウを確立するまでには試行錯誤が続いたが、信頼できる解析結果を導き出せるようになってからは営業活動にも力を入れ、受託解析に関しては、これまで取引のあった北陸の機械メーカーだけでなく、大手自動車メーカーや建設会社、大学など、これまで取引のなかった業界からの受注も多くなってきている。
 同社では今後、解析のノウハウを設計業務に生かすと同時に、解析業務そのものを新たな事業の柱として大きく育てていく考えだ。

企業情報

企業名 (株)アルパイン設計事務所
創業・設立 設立 昭和61年4月
事業内容 産業機械の機械設計・電気設計・制御用ソフトウェア設計など

企業情報詳細の表示

関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.98
備考 情報誌「ISICO」vol.98より抜粋
添付ファイル

添付ファイルを開く [その他のファイル/145KB]

掲載号 vol.98