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県産赤ワイン酵母で化粧品を製造 自社ブランドで販路拡大を目指す

印刷用ページを表示する更新日:2018年2月14日更新

チャンスをつかみ、未来をひらく
Seize a chance and open a bright future.​

化粧品原料メーカーのTOWAKOメディカルコスメティックは、石川県産ワインから抽出した酵母を使った化粧品「ラヴィージョ」を製造、販売している。同社では、原料抽出で培った技術力を生かし、大手化粧品メーカーがひしめき合う市場で、小さくても存在感を発揮できるメーカーを目指し、開発を続けている。​

廃棄されるワインの澱(おり)液を活用

即効性のあるラヴィージョの写真。肌に敏感な年齢層の女性から支持されている。 ラヴィージョは、40~60代女性をターゲットにした基礎化粧品ブランドで、赤ワイン酵母から生まれた美容エキスを配合しているのが特徴だ。ISICOの活性化ファンドのサポートを受けて開発し、平成27年4月に販売を開始した。
 美容エキスの原料となる赤ワイン酵母は、ワインを発酵させた後、タンクの底に沈殿する「澱液」から抽出したものだ。澱液は通常、廃棄処分されてしまうが、実はペプチドやアミノ酸、ポリフェノールなどの成分がバランスよく含まれている。同社では石川産にこだわり、穴水町の能登ワイン(株)から澱液の供給を受け、そこから抽出した酵母を使って美容エキスを作り出している。
 商品はクレンジング、フェイスウォッシング、ローションスプレー、クリーム、美容液の5種類で、肌のきめを整え、みずみずしく保つ「保湿作用」が期待できるという。
 ネットショップや直営のエステサロンなどで購入でき、実際に使用した女性からは「肌に潤いが出てきた」などと評価が高く、口コミで徐々に商品が認知されてきている。

原料製造から商品化まで一貫

牧義雄社長と高橋慎弥専務の写真。 そもそも同社は不妊治療専門クリニックの化粧品材料や健康食品原料の開発部門としてスタート。医薬品精製の高い技術を買われて25年前から山梨県産ワインで抽出液を作るようになり、大手化粧品メーカーなどへの化粧品原料を供給、美容成分の配合などを担ってきた。澱液からワイン酵母を抽出し、化粧品の原料を生産するのは日本でここだけである。
 組織再編に伴って平成23年9月に新会社として独立。抽出液の出荷量が年間1トンで推移し、事業が安定してきたことから、さらなる成長を目指し、自社ブランドの開発を始めた。
 「原料はもちろん、美容成分の配合まで提案できる技術力を生かせば、市場ニーズに応えられる新しい商品を提供できると考えました」。商品開発を担当する高橋慎弥専務はこう話し、原料製造から商品化までできる自社の優位性を強調する。例えば、保湿効果が高い化粧品を作ろうとした時、どの成分をどれだけ配合するかが鍵であり、これまで蓄積してきた原料配合量のノウハウは同社の強みである。
 とはいえ、大手化粧品メーカーとのブランド力の差は大きいことから、採算ラインぎりぎりまで成分にこだわった商品に仕上げた。また、容器の形やデザイン、使い勝手も重要であることから、華やかで高級感のあるパッケージを選ぶなど、女性の感覚に寄り添った容器の選択に注力した。

品質を落とさずに原価を低減

 販売促進に向けては、平成27年度にISICOの活性化ファンドを活用して、美容液を除く4種類の商品をミニサイズにまとめ価格も抑えたトライアルセットを新たに開発した。まずは使い心地を試してもらい、よさを確認してもらうことで、基礎化粧品を切り替えてもらうきっかけになればとネットショップなどで販売し、好評を得ている。
直営サロン「美肌専科Press」の外観写真。ラヴィージョのアピールに一役買っている。 平成28年9月には、金沢市藤江北でフェイシャルマッサージの直営サロン「美肌専科Press」をオープンした。施術にはラヴィージョを使用し、その効果を実感してもらった上で、商品の購入につなげることが狙いだ。牧義雄社長は「直営サロンへの来店客数や化粧品の販売額は順調に数字が伸びており、リピーターも増えてきています」と語る。
 このほか、直営サロンのホームページと他社の通販サイトで販売し、ISICOのネットセミナーに参加しながら、自社販売サイトの立ち上げも目指している。
 商談会にも積極的に参加し、平成29年10月には、金沢ホテル懇話会の誘客プロジェクト「金澤八家」が主催する商品展示会に出展。金沢国際ホテル(金沢市)との商談が成立し、ホテル内での取り扱いが始まったほか、ホテルアローレ(加賀市)のエステサロンで商品が施術に使われるなど成果を挙げている。

売上比率を3分の1に

 今後は代理店と連携して全国販売を見据えるが、その際、ネックになりそうなのが、原価率の高さである。少しでも利益を確保したい代理店からすれば、原価率が高い商品は扱いにくい。そのため、品質を落とさないよう容器などを見直して原価率を下げていく考えだ。
 全国への販路開拓に合わせ、2年後には増産体制を整え、将来的には現在1%に過ぎない自社ブランドの売上比率を3分の1にまで引き上げたいとしている。
クリーンルームで内容物がボトルに充てんされていく様子の写真。 牧社長は「化粧品原料メーカーではなく、自社ブランドを展開する化粧品メーカーとして認められるのが目標です。基礎化粧品に特化したアイテム数を徐々に増やし、頭から足先まで体全体をケアできる商品をそろえていきます」と自社ブランドの成長に期待を込める。化粧品は次々に新商品が誕生する競争の激しい市場だ。ここで存在感を発揮していくため、同社でもラヴィージョの改良版の開発にすでに取りかかっており、品質の高さを武器に大きな飛躍を狙っている。

企業情報

企業名 TOWAKOメディカルコスメティック(株)
創業・設立 設立 平成23年9月
事業内容 化粧品原料、健康食品及び化粧品製造販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.98より抜粋
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掲載号 vol.98