ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 情報誌ISICO > メニュー > 情報誌ISICO検索 > 【巻頭特集】理事長インタビュー 頑張る企業を後押しする新施策が続々 新商品開発を一層手厚く支援

ViVOサイトへのリンク

活性化ファンド商品開発ストーリー集サイトへのリンク

じわもんセレクトサイトへのリンク

DGnetサイトへのリンク


【巻頭特集】理事長インタビュー 頑張る企業を後押しする新施策が続々 新商品開発を一層手厚く支援

印刷用ページを表示する更新日:2018年7月18日更新

「いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド」を創設

谷本正憲理事長

 新商品や新技術の開発、受注・販路開拓などに取り組む企業を、専門性の高いスタッフが幅広い支援メニューでサポートするISICO。今年度は「いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド」の創設など、さらなる成長を目指し、前向きに挑戦する中小企業のニーズにきめ細かく応えるため、支援メニューを拡充しました。 ISICOの新たな取り組みについて、当財団の理事長である谷本正憲知事に聞きました。​

- 県経済の現状をどのようにとらえているか。

 ここ5年以上、鉱工業生産指数や有効求人倍率といった指標が全国トップクラスで推移し、日銀金沢支店も昨年末から北陸の景気について「拡大している」と最高レベルの評価をしている。日銀からこのような評価を得ているのは北陸と東海だけで、規模は大きくないものの北陸地域が日本経済のけん引役を果たしているといっても過言ではない。
 この勢いを支えているのは、県内企業の頑張りだ。特にものづくり企業、とりわけ中小企業の皆さんの生産活動が活発で、製造品出荷額は2010年から2015年にかけて、全国平均の1.11倍を大幅に上回り、1.30倍の伸びを示している。
 また、北陸新幹線が金沢まで開業して4年目を迎えたが、開業効果は今も持続しているJRによれば、開業前に比べて乗客数が約3倍に増え、その数字を維持しているとのことだ。これが石川の経済界、特に観光・宿泊・サービスといった非製造業にプラスの影響を及ぼしている。
 さらに、新幹線は2022年度末の敦賀延伸に向け、金沢以西で工事が急ピッチで進んいる。この5年で石川・福井両県には約1兆2,000億円の公共投資が行われることから、建設業界にも好影響を与えている。
 このように本県経済はかつてないほどの勢いがあり、さらなる成長に向けて挑戦する中小企業を後押しし、この勢いを持続・発展させるため、県では6月補正予算において「未来を見据えた元気な産業づくり」を進めていくための施策を講じた。
 ISICOとしても、県内中小企業の中核的支援機関として、これまで講じてきた諸施策の成果や現場のニーズ等を踏まえながら、県や関係機関とも連携し、意欲ある企業の取り組みを積極的にサポートしていきたい。

-「 未来を見据えた元気な産業づくり」に向け、新製品開発、生産性向上、次世代産業への支援強化を掲げている。まず新製品開発を加速させるため、どのように取り組むか。

 ISICOではこれまで、国や地元金融機関の協力を得て、300億円という全国でも類をみない圧倒的な規模の「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」により、地域資源を活用した商品開発、販路開拓を支援してきた。2008年度の創設以来、900件を超える商品開発を支援し、このうち約90%の商品化に成功した。こういった実績が国や県内企業から高く評価され、国の理解も得て、今年8月に期限を迎える支援制度をさらに10年延長することにした。
 また、今回の延長を機に、金融機関の協力を得て、ファンドの規模をさらに100億円拡大し、総額400億円の「いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド」として、支援メニューを充実、強化する。

- 具体的な拡充策は。

 現在の補助上限額300万円を1,000万円にまで引き上げた「ものづくり企業特別枠」を設けた。これは機械や繊維分野といったものづくり中小企業から、新技術・新製品開発を進めるためには、支援の充実が必要との声に応えたものであり、新事業展開に必要な事前調査から新製品の研究開発、製品開発後の販路開拓に至るまでを総合的に支援することで、ものづくり中小企業の皆さんがより使いやすい制度とした。
 また、新たに補助上限額500万円の「企業連携支援枠」を創設した。川下のニーズをくみ取って開発された商品や異業種連携によって新たに付加価値がついた商品は、バイヤーからの引き合いが多く、複数の企業が連携して商品を開発する例が増えており、こうした複数企業の連携による商品開発を後押しして、しっかりと成果に結び付けていきたい。

- 生産性向上についてはどのようにサポートするか。

 5月に開催された機械工業見本市金沢(MEX 金沢)やe-messe kanazawaを視察し、これからのものづくり企業にとってはAI(人工知能)・IoTを活用した生産性向上が企業の競争力強化につながるとともに、省力化にも資することから、人手不足対策の面からも重要とあらためて実感した。
 県では、2016年度にAI・IoTの活用に向けた研究会を立ち上げ、昨年9月からは、AI・IoT導入による業務効率化・省力化のための設備導入費の助成を行ってきた。県内中小企業の中にも、これらの重要性が浸透してきた一方で、各企業でAI・IoTに対する理解度や抱える課題に違いがあることも明らかになった。そこで、企業ごとの課題にきめ細かく対応するため、資金面・技術面・人材育成面から総合的に支援することにした。
 まず、実際に設備を導入する段階にある企業に対しては、AI・IoT設備の導入費の助成枠を3倍に拡大し、資金面の支援を充実させる。
 また、AI・IoT の導入の必要性を感じており活用のイメージはできているが、技術的にどう対応していいか分からない企業に対しては、県工業試験場に「AI・IoT技術支援工房」を設け、実機を展示、実演したり、大学教授等の外部専門家がアドバイスしたりするなど、技術面から支援する。
 そして、AI・IoTを導入する意欲はあるものの活用するための人材が不足している企業に対しては「AI・IoT実践道場」を開設し、座学とデモ機による体験を組み合わせた研修を行い、企業でのAI・IoT導入の検討が進むようにサポートする。

※ IoT:ものや人からインターネットを通じてデータを収集し、活用する仕組み

- 次世代産業の育成にはどう取り組むか。

 石川の次世代を担う産業の創出については、「いしかわ次世代産業創造ファンド(次世代ファンド)」により、製品化、実用化を支援している。
 このうち、炭素繊維分野については、研究開発拠点となる革新複合材料研究開発センター(ICC)と小松精錬(株)が共同開発した耐震補強製品が、今年度中に国内で初めてJIS規格に認定される見通しだ。今後、建築基準法に基づく建築材料に認められれば、炭素繊維の活用範囲が、自動車部品だけでなく橋梁の一部や住宅部材といった建築分野にも爆発的に普及すると期待している。
 炭素繊維はこのほか、回転寿司用のベルトコンベアなどとしても用途開発が進んでいる。今後も、軽くて強くて錆びない特徴を生かして製品化を進め、成功事例を積み重ねることで、産業としての裾野を広げたい。

- 経済が好調に推移する一方で、企業の人手不足感が一段と強くなっている。

 県では、2016年4月に「いしかわ就職・定住総合サポートセンター(ILAC)」を金沢と東京に開設し、石川への移住・定住と就職のワンストップ支援に取り組んでいる。昨年度のILACを通じた移住者数は、開設1年目の1.5倍、ILAC開設前に、本県アンテナショップに相談窓口を設けていた際の12倍である359人となるなど、着実に成果を挙げている。
 さらに今年度は、新たに県大阪事務所内に「ILAC大阪」を設置する。調べてみると、県内の高校を卒業し、関東、関西に進学している学生は、それぞれ約3,600人と同程度だが、関西からの移住者数は関東の4分の1にとどまっている。そのため、関西については移住対策を強化すれば、まだまだ移住者が増えると考えており、ILAC大阪の設置によって、関西圏からのUIターンを促進していく考えだ。
 また、未就業の女性や高齢者など、潜在的な労働力である人材の就業を促進するため、昨年9月に求人・求職のミスマッチ解消の取り組みを強化しており、具体の成果も上がっている。一方で、人材不足の折、即戦力を求める企業からは、職場経験のない女性や高齢者の採用を躊躇(ちゅうちょ)しているなどの声を聞いていることを受け、今年度は、企業が、女性や高齢者に対し、業務に必要な知識や技能の習得に向け社内研修を行う際の人件費を助成する。女性や高齢者にターゲットを絞った取り組みは全国でも例がなく、国のプロジェクトにも採択されている。

- 中小企業では後継者の確保が難しいとの声も聞かれる。

 中小企業では、経営者の高齢化や人口減少により後継者の確保が困難になっている。この状態を放置すれば、廃業により、中小企業が有する高いものづくり技術力が失われると危惧している。
 ISICOでは、2015年10月に石川県事業引き継ぎ支援センターを設置し、事業承継に係る経営上の問題や課題に幅広く対応しているが、一方で、ISICOが昨年度に行ったアンケートの結果では、事業承継はまだ先のことと認識している経営者や問題を抱えながらも着手していない経営者が多いことが分かってきた。しかし、事業承継は、長期にわたる計画的な準備を要するため、経営者に対して、積極的に意識喚起を行い、早いうちから適切な支援を行っていく必要がある。
 そこで、今年度は国の事業を活用して、企業訪問により県内企業の事業承継の実態を把握し、支援ニーズの積極的な掘り起こしや、専門家によるアドバイスなど、きめ細かな支援を実施する。

- 北陸新幹線の開業により、石川県の文化・工芸・食などが国内外から注目を集めている。ビジネスチャンスの拡大をどのように支援するか。

東京インターナショナルギフトショーなど、大規模見本市への出展を通じて商品のPR活動を支援 東京・銀座にある石川県のアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」では、地域資源を生かした魅力ある商品を発信するため、ISICOの販路開拓アドバイザーが、首都圏の商社・小売店への売り込みや大規模見本市への出展を通じて、商品のPR活動を支援している。
 また、活性化ファンドの創設10周年に合わせ、支援企業が開発した魅力的な商品のカタログ「じわもんセレクト」を発刊した。これも活用しながら、企業の販促活動を後押ししていきたい。
 国内外からの観光客が増加する中、県内の宿泊施設からは、石川らしいおもてなしで満足度を高めるため、ホテルの内装・調度品などに伝統的工芸品を活用したいという声が挙がっている。そこで、宿泊施設のニーズをくみ取ったオーダーメイド型の商品開発を支援し、意欲ある事業者の新事業展開につなげるとともに、石川が誇る伝統的工芸品の魅力を国内外へと広く発信する。

- 人口減少で国内市場が縮小するため、海外への販路拡大も重要だ。

 県では、これまで海外事務所等も活用し、海外のバイヤーとのネットワーク構築に努めてきた。開拓したバイヤーの数が5年前の5倍の750社となるなど、着実に成果が現れている。
昨年、シンガポールで開かれたビジネス商談会の写真 また、2016年度に包括協定を結んだ北國銀行とともにビジネス商談会を、今年はシンガポールに加え、初めて香港でも開催し、海外とのネットワーク強化を図る。香港と小松を結ぶチャーター便も、昨年から運航され、利用者も堅調に推移するなど、現地の人々の石川への関心も高まっており、この好機を生かすのが狙いだ。
 これまでの取り組みにより、世界各地に県産品を常時取り扱う店舗も増えてきたことから、石川の食や伝統工芸、観光の魅力発信に協力いただける店舗を「いしかわサポーターズショップ」として認定し、現地の消費者に向けた情報発信を強化する。今年はシンガポール、中国、アメリカ、ヨーロッパで4店を認定する予定だ。言ってみれば石川県の海外版アンテナショップであり、海外の消費者に向けて本県の魅力をPRしてまいりたい。

- ISICOは今年で設立から20年目に入り、情報誌も今号で100号の節目を迎えた。

 ISICOは1999年の設立以来、県内企業の中核的支援機関として20年間着実に実績を上げ、県内中小企業からも評価をいただいており、企業の成長にもつながっている。だからこそ、20年間という長い間存続してきたといえるし、ISICOという愛称が広く浸透していることもその証の一つと言える。この情報誌も県内企業の前向きな取り組みや支援の具体的な事例を紹介し、これにより新たな商品開発や販路拡大、産学官連携につながるなど、県内企業の発展に少なからず貢献してきたのではないかと考えている。
 これからも中小企業の個別、具体のニーズにしっかりとお応えできる組織として頑張っていくので、お気軽にご相談いただきたい。

企業情報

企業名 公益財団法人 石川県産業創出支援機構
創業・設立 設立 1999年4月1日
事業内容 新産業創出のための総合的支援、産学・産業間のコーディネート機関

企業情報詳細の表示

関連情報

関連URL 関連URLを開く
備考 情報誌「ISICO」vol.100より抜粋
添付ファイル

添付ファイルを開く [その他のファイル/57KB]

掲載号 vol.100