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ものづくり補助金で溶接ロボット導入 効率化や品質アップを実現 ~(株)鈴木鉄工

印刷用ページを表示する更新日:2018年7月20日更新

From USERs 各種支援制度の利用者に聞く

プレス機など産業機械を製造する鈴木鉄工は昨年12月、ISICOの支援のもと、ものづくり補助金を活用して溶接ロボットシステムを導入した。設計から製造、組み立てまでを一貫して手がける同社の中でも、溶接は機械化、合理化が遅れていた工程だ。これまでは人手に頼らざるを得なかったが、先端技術の導入によって、品質や生産性、作業の安全性を向上させると同時に、ベテラン社員からの技能継承を目指している。​

30分かかる作業がわずか10秒に短縮

溶接ロボットシステムの写真 鈴木鉄工が導入したのはアーク溶接機と多関節ロボット、それに加工対象物を固定するポジショニング装置を組み合わせたシステムだ。ロボットのメリットは何と言っても疲れ知らずで、与えられた条件の通りに何度も作業ができること。そのため、仕上がりに差がなく品質を安定させることが可能になる。
 同社では部材を組み上げるための仮溶接は人の手で、一定条件での連続的な作業を求められる本溶接にはロボットを用いるといった具合に作業を分担し、効率化と品質向上を図っている。
 溶接ロボットを導入したメリットはこれにとどまらない。段取り作業の効率化もそのひとつだ。
 同社の手がける製品は大型のものが多く、例えば、プレス機の構成部品には長さ5メートル、重さ3~5トンというものもある。これを溶接する際、従来ならば、ワイヤーをかけてクレーンで吊り上げ、固定具にセットして溶接。ある面の溶接が終われば、再びクレーンを使って加工対象物を回転させ、次の面を溶接していた。
 一方、溶接ロボットの場合は、いったんポジショニング装置に固定してしまえば、後はワンタッチで加工対象物を回転させることが可能だ。
 その結果、従来であれば90度回転させるのに30分ほどかかっていた段取り作業がわずか10秒ほどに短縮された。クレーンで重量物を扱う危険な作業が少なくなり、作業の安全性も向上した。

ベテラン技術者のノウハウを移植

 とはいえ、導入から間もないこともあって、作業をトータルで見れば、まだ人の手で溶接した方が速いのが現状だ。確かに溶接そのものや加工対象物を回転させるスピードはロボットシステムを使った方が速いのだが、溶接に必要なプログラム作りに時間がかかっているのだ。
鈴木敏夫社長の写真 現在は設計者とプログラマーの2人が溶接ロボットの専従となり、ベテラン社員に溶接のノウハウをヒアリングした上で、その内容をプログラムで再現。実際に溶接したものについて、溶け込み不良などがないか、超音波探傷機を使って確認し、不良があれば加工条件を見直すなど、ベテラン社員が持つ勘やコツ、感覚値を誰もが共有できるようにデータ化し、蓄積しようと試みている真っ最中だ。
 「60歳以上のベテラン社員は20人以上を数え、75歳を超えた社員も現役で活躍しています。元気に長く働いてもらうに越したことはありませんが、彼らが退職した後、どうやって技術を継承していくかが課題で、対策の一環として期待しているのが溶接ロボットです。若手に職人技を極めてもらう一方で、便利な道具を活用して、職人の頭と腕に残っているノウハウをデータに置き換え、維持したいと考えています」(鈴木敏夫社長)

資格取得を奨励 先端技術も積極的に

 そもそも同社では大型、一品ものの産業機械の製造を得意とする。強みとなっているのが長年培ってきた職人技で、国家資格である技能士が60人も在籍していることはその証左と言えるだろう。
 技能検定の合格者には受検料と報奨金を支払うなど、資格の取得を奨励する一方で、ベテラン社員に頼りがちになる現場に先端技術を取り入れ、生産性の向上にも取り組んできた。
 例えば、NC加工機には稼働率モニターを設置し、工具を初期の位置から切削を開始する位置まで動かす時間を短縮するなど、無駄な動きや時間を見つけて効率化につなげている。
 また、組立工程では従来、紙の図面を使用していたが、現在は3次元の図面をモニターで確認できるようになっている。立体的な図面を使えば、配線、配管する際も順序や経路をイメージしやすくなり、経験が浅くてもベテラン同様に作業が進められるというわけだ。

複合工程の集約と合理化目指す

 溶接についても15年前に一度、ロボット導入を検討したが、同社が扱う厚板に対応できるものがなく断念した経緯がある。今回はロボットの進化により、厚さ60ミリほどの鋼板でも溶接が可能になったことから導入に踏み切り、鈴木社長は「ものづくり補助金の申請書類の作成にあたってはISICOのアドバイスが参考になりました」と話す。
鈴木鉄工の粟生工場の写真 現在は溶接ロボットシステムに続き、これまで旋盤と横中ぐり機の2台を使って5工程で行っている小型プレス機向け主要部品の加工を、複合旋盤1台で3工程に集約することを検討しているところだ。
 人手不足に加え、熟練技術者の高齢化による技術の継承に頭を悩ませている中小企業は決して少なくない。大手企業に比べて中小企業のロボット導入率は低水準だが、職人技と先端技術を組み合わせ、自社のものづくりを発展させる鈴木鉄工の取り組みは、時代を先取りしたチャレンジと言えそうだ。

企業情報

企業名 株式会社 鈴木鉄工
創業・設立 設立 昭和38年10月
事業内容 プレス機など産業機械の設計、製造、組み立て

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備考 情報誌「ISICO」vol.100より抜粋
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掲載号 vol.100