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九谷焼の自販機、羽田空港などに常設 外国人観光客に伝統工芸の魅力をPR ~九谷焼自販機販売グループ

印刷用ページを表示する更新日:2018年12月18日更新

チャンスをつかみ、未来をひらく
Seize a chance and open a bright future.​

九谷焼自販機と自販機で販売されている「九谷のお守り」シリーズの写真

急増する訪日外国人観光客をターゲットに新たな事業を展開する動きが各地で活発化している。そんな中、県内の九谷焼の事業所5社で結成したグループが、活性化ファンドの助成金を活用し、自動販売機で九谷焼のアクセサリーなどを販売する事業に乗り出した。陶磁器を自販機で売るのは業界初の試みだ。自販機は2018年夏以降、外国人の利用が多い羽田空港やJR東京駅に設置され、売れ行きは順調な滑り出しを見せている。​​​

3日間で約240個を販売

異なる作風の九谷焼の陶片を金継ぎの技法で組み合わせた「巨匠の片鱗」シリーズ 活性化ファンドの後押しを受けて開発したのは「九谷焼ガッチャン」と名付けられた自販機だ。七つのシリーズから好みの九谷焼を選べるようになっており、例えば、「幸運の兆し」シリーズは鯛、富士山と日の出など、日本ならではの縁起物をモチーフにしたブローチである。また、「巨匠の片鱗」シリーズは九谷焼の陶片を金継ぎの技法で組み合わせ、ネックレスなどに仕上げたもの。和菓子や妖怪をモチーフにしたシリーズもある。どれも作家や窯元の個性が息づく、自販機オリジナルの商品で、一つ一つ丁寧な手塗りによって作られている。価格は1個1,000円で、「巨匠の片鱗」のみ2,000円。一つのシリーズに数種類のアイテムが用意されており、どれが出てくるかはお楽しみだ。
 今年5月に能美市で開かれた九谷茶碗まつりで試験的に設置したところ、3日間で約240個を販売し、購入者がSNSで紹介するなど話題を呼んだ。7月からは羽田空港国際線旅客ターミナルに1号機が常設され、着実に売り上げを伸ばしている。続いて9月にはJR東京駅の八重洲地下街に2号機が常設され、金沢市広坂の九谷焼専門店に期間限定で設置されるなど、着々と販路を広げている。

より高額の商品を扱える自販機を選択

 「外国人に九谷焼を知ってほしい。その入り口になればとの思いで開発しました」。そう話すのは九谷焼自販機販売グループの嶋崎信之代表である。
 興味を引きつけ、気軽に購入できるようにと思い立ったのが自販機の活用だ。しかし、ガチャガチャ(カプセル自販機)のように硬貨を投入するタイプでは価格設定の上限が500円となり、九谷焼の特色である職人や作家が加飾を施した商品では採算が合わなくなってしまう。それにガチャガチャは有田焼などで先行例があるため、話題性にも乏しい。そこで思いついたのが紙幣も使え、より高価な商品もラインアップできる自販機だった。
 とはいえ、自前で自販機を製造、設置するノウハウはない。そこで嶋崎代表らはまず自販機の業界団体に相談し、そこから紹介された大手自販機設置業者に企画を持ちかけた。当初は門前払いも覚悟していたが、「面白いから、一緒にやりましょう」と返事をもらい、連携が決まった。
 その後、どんな商品が売れるのか情報収集した上で、「外国人は日本人以上にラッキーアイテムが好き」(嶋崎代表)と縁起物をモチーフにした九谷焼を中心に開発することに決め、東京のデザイナーらとも意見交換しながら商品をブラッシュアップした。

全国紙の記事が設置の呼び水に

 自販機のデザインにもこだわった。正面には吉田屋(よしたや)風と呼ばれる古九谷を受け継ぐ絵柄を配置し、左右の側面にはそれぞれ、九谷焼を代表する彩色技法である青粒(あおちぶ)、赤絵を使用した。
 「九谷焼ガッチャン」というネーミングは、商品が落ちる際の音と英語の「get a chance(ゲット・ア・チャンス)」を掛け合わせたものだ。
 商品はタバコの箱と同じくらいの大きさの箱に、緩衝材に包まれて入っており、日本語と英語を併記したミニサイズのリーフレットが同封されている。自販機の完成に合わせ、日本語版と英語版のホームページも作成した。
 事業化に向けた市場調査や商品の試作開発費、パッケージやリーフレット、ホームページのデザイン、制作費には活性化ファンドの助成金を活用した。
 お披露目の意味を込め、地元の九谷茶碗まつりで設置した様子が読売新聞の全国版で紹介されると、この記事が羽田空港ターミナルビルの管理運営会社の目に留まって、直接問い合わせが入り、1号機の設置につながった。

第二弾の商品開発がスタート

 すべて手作業で作っているため、急速な増産や増設は現実的とは言えず、当面は5基を設置目標に掲げる。というのも「4基以上設置できれば、しっかりと利益を確保することができるようになり、事業として安定的に回していけるようになる」(嶋崎代表)からだ。
嶋崎信之代表の写真 新たな設置場所としては、外国人や若者が多く自販機の商品回転率も高い新大久保、秋葉原などを検討するほか、ひがし茶屋街など外国人観光客が増えている金沢の観光地での設置も視野に入れている。
 既に第二弾の商品開発に取りかかっており、同時に、まだまだ認知度が低いため、今後はSNSなどを使った情報発信にも力を入れる考えだ。
 明治時代には欧米にも数多く輸出され、「ジャパンクタニ」として人気を博した九谷焼。東京オリンピックに向け、外国人観光客はまだまだ増加すると予想され、嶋崎代表は「本物の九谷焼が手頃な価格で手に入る自販機をきっかけに、外国人に再びその魅力を知ってもらい、ゆくゆくは器や置物などの購入につなげていきたい」と期待を寄せている。

企業情報

企業名 九谷焼自販機販売グループ
創業・設立 設立 2017年4月
事業内容 自動販売機によるオリジナル九谷焼アクセサリーなどの販売

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関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.103
備考 情報誌「ISICO」vol.103より抜粋
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掲載号 vol.103