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真空プレス機で不良率大幅減 一歩先を見据えて設備投資 ~(株)不二ゴム工業

印刷用ページを表示する更新日:2018年12月20日更新

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かほく市の不二ゴム工業では、産業機械や医療機器の部品、生活雑貨など、多岐にわたるゴム製品を製造している。大量消費されるゴム製品の生産拠点が中国や東南アジアといった海外に移行する中、同社では多品種小ロットに狙いを定め、ISICOの次世代ファンドなどを活用した積極的な設備投資で着実な成長を続けている。

金型の空気が不具合の原因に

真空プレス機の写真。導入にあたって安全機能やカラーなどを細かくカスタマイズした。 不二ゴム工業では、新規事業の確立や品質向上を目的に設備投資に力を注いでいる。中でも、2018年7月に設置したばかりの最新設備が、ISICOの次世代ファンドを使って導入した「真空プレス機」である。
 プレス機は同社の生産現場に欠かせない基幹的な機械と言える。ゴム製品を製造する際、ポリマーや補強材などの原料を金型に入れ、上下からじっくりと熱を加えて圧力をかけることで、硬さや弾力のあるゴムとなり、形が作られていくためだ。
 しかし、この時にやっかいな存在が、金型内に残った空気(エアー)である。単純な形状ならば問題ないが、複雑になればなるほど、プレス時にエアーの逃げ道がなくなってしまう。それが原因で金型の先端部分まで原料が行き渡らなかったり、熱がうまく伝わらずにゴムになる前段階で止まってしまったりという不具合が生じるのだ。

毎月の品質会議でさらなる改善にも注力

 しかも、特殊なフッ素ゴムになると、エアーの問題はより深刻さを増す。不二ゴム工業では、4年前に産業機械に用いるフッ素ゴム製品を受注し、通常のプレス機で製造したところ、不良率が50%近くにまで達したという。同社では培ってきたノウハウから圧力のかけ方や原料の流し方などを調整し、20%近く低減させることはできたが、それでも生産ラインの不良率ワースト5に入る状況からは抜け出せずにいた。
山田輝専務の写真 同社にとって劇的な改善は喫緊の課題であり、その打開策となったのが真空プレス機だ。真空プレス機は、搭載する箱型のチャンバーが金型を覆い、プレス前に庫内を真空化することで、エアーの入り込みを防ぐ。同社では、以前から大型の真空プレス機を所有し、その効果の高さを実感しており、不良率の高い製品の製造に適した中型機の導入に踏み切ったのである。
 「ISICOの後押しを受けることができましたし、この判断は正解でしたね」と語るのは同社の山田輝専務。新型の真空プレス機の導入でエアーによる問題は解決し、不良率を数%程度にまで抑えることに成功した。とはいえ、今でもわずかな条件の違いで20%近い不良が出ることがあるそうで、毎月開く品質会議を中心に、常に不良率5%以下となるように改善策を模索している。

3Dプリンター導入を機に全国から受注拡大

 この真空プレス機をはじめ、不二ゴム工業では近年、中小企業庁のものづくり補助金などの採択を受けて積極的な設備投資を進めている。きっかけは、5年前に購入した3Dプリンターだ。当時、金型を使わずに、ゴムのような弾力ある製品を成形できる新型機が登場し、同社では全国のゴム部品メーカーの先陣を切って導入。この3Dプリンターが呼び水となり、建材や自動車など大手も含めた全国のメーカーから試作品の製作依頼が相次いだ。同社では、試作段階から将来的な量産も視野に入れたアドバイスを行うなど、付加価値の高いサポートで、新たな顧客の開拓につなげている。
 ただ、3Dプリンターでは弾力のある類似品は成形できるものの、実際のゴムではないため、耐熱性や耐油性、経年劣化などを調べる機能試験には向いていなかった。そこで、同社では2017年1月、マシニングセンタや平面研削盤、放電加工機を導入し、外注していた金型の内製化に注力。より短納期で出荷できる態勢を整えたことで、大手メーカーなどから依頼が増え、開発段階の小ロット生産にも柔軟に対応している。

軽自動車のように小回りの効くメーカーに

 「これからも価格競争に巻き込まれる大量生産ではなく、多品種小ロットに活路を求めていきます」。山田専務はこう話し、今後も機を捉えた設備投資を続けていく方針で、現在も新たな工作機械の設置を検討中だ。並行して、3Dプリンターで造形したものの表面をシリコーンで加工する独自の「SR-C(シリコーンラバーコーティング)処理」を施し、よりゴム製品に近づけた試作品を作るなど、新技術の開発にも熱心に取り組んでいる。
多種多様なゴム製品の写真。不二ゴム工業の製品は私たちの身近な場所で使われている。 ちなみに、3Dプリンターを導入した5年前から、同社ではCI戦略にも力を入れており、会社のロゴマークやホームページを刷新。同社ホームページのトップに現れるロゴマークは、鮮やかな黄色を背景に「22-56(ふじゴム)」の数字があしらわれている。軽自動車のナンバープレートをイメージさせるデザインとなっており、不二ゴム工業では、顧客ニーズにきめ細かく応える小回りの効く軽やかな運転で、「11-56(いいゴム)」のその先を見据えて力強くアクセルを踏み込んでいる。

企業情報

企業名 株式会社 不二ゴム工業
創業・設立 創業 1980年4月
事業内容 シリコーンゴムや各種合成ゴムの成形品・加工品の製造、3Dプリンターでの造形試作など

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関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.103
備考 情報誌「ISICO」vol.103より抜粋
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掲載号 vol.103