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専門家の視点を取り入れ企業体質の強化に成功 ~(株)金森合金

印刷用ページを表示する更新日:2019年3月28日更新

【特集】売上向上や経営改善、事業承継に向け、何でも気軽にご相談を
石川県よろず支援拠点は中小企業の心強い味方

売り上げの停滞、資金繰りの悪化、後継者の不在など、企業経営では、実にさまざまな課題に直面する。そんな時、頼りになるのが、国がISICO内に設置する「石川県よろず支援拠点」だ。中小企業診断士や弁護士、税理士、ITコーディネーターなど、豊富な経験を持つ専門家がそろっており、中小企業の抱えるあらゆる悩みに、無料できめ細かくアドバイスしている。心強い支援拠点へのよろず相談を機に、事業拡大の一歩を踏み出した2社に話を聞いた。​

江戸時代初期の鋳物師がルーツ ロケット部品の素材を製造

繊細な技術が求められる鋳造の現場の写真 よろず支援拠点への相談をきっかけに、10年間悩んでいた赤字体質からの脱却に成功したのが、金沢市の金森合金だ。同社は、加賀藩主・前田利長が1611年に越中国高岡金屋町(現在の富山県高岡市)に全国から呼び寄せた御鋳物師(おんいもじ)7人のうちの1人、金森弥右衛門を初代とする鋳造メーカーで、現在の金森和治社長が23代目にあたる。長年にわたって磨いた技術で、アルミ合金や銅合金を原料とした産業用機械部品などを幅広く製造しており、人工衛星の打ち上げに用いる「H-IIA ロケット」の部品素材の製造も手がけている。
 一方で、「どこにも負けない技術力がある半面、経営面では課題が山積していました」と話すのは、金森社長の娘で、24代目に就任予定の高下(こうげ)裕子さんだ。高下さんは大学進学で地元金沢を離れ、東京の広告代理店での勤務を経て3年前にUターンし、同社に入社した。ただ、当時の社内環境は、高下さんの想像からはかけ離れた状況にあった。
 「とてもアナログな環境で、ファクスで入った注文を工場に渡し、現場の社員は受け取った順番に作業をしていました。原材料の在庫やスケジュールの管理は見える化されておらず、製品価格も人件費や材料費の変動に見合ったものとは言えませんでした」。
 高下さんはこう振り返り、入社後すぐに現場の改善に向けて動き出した。ただ、表計算ソフトで管理表を作るなど、懸命に取り組んだものの、目に見える効果はなかなか上がらなかった。そんな中、金森社長が会長を務めていた金沢西ロータリークラブが主催する例会で、よろず支援拠点のコーディネーターが講師を務めたのが縁となり、2017年8月、高下さんは初めて相談に訪れた。

原価計算を見直し受注額の適正化に注力

金森勇会長、和治社長、高下裕子さんの写真 よろず支援拠点では、中小企業診断士などのコーディネーターが同社をサポート。高下さんは何度も足を運び、専門家のアドバイスを受けながら、1案件1管理表にまとめてきめ細かく工程管理をしたり、鋳型を作る際に用いる砂をできる限り再利用したり、保険や通信にかかる固定費用を見直したりするなど、さまざまな改善策に着手した。さらに、人件費や原価、経費などを含めた時間あたりのコストを算出し、それをもとに適正な販売価格を見積もり、そのデータをもとに顧客と交渉を行い、利益率の向上に努めた。
 経営改善の取り組みは、社内的にも大きな効果を発揮している。例えば、1案件ごとに管理するようになったことで、過去の不良の有無など注意すべき製品が分かりやすくなり、悩みの種だった不良率を数%程度にまで低減させることに成功した。年2回の賞与支給時には、半期ごとの業績を細かな数字を示しながら社員に説明しており、待遇に関する理解を深めるとともに、原材料や修繕費といったコストに対する意識の啓発にもつなげている。
 また、弁護士のコーディネーターが講師となったよろず支援拠点主催のミニセミナーに参加したのを機に、同社では事業承継に向けた動きも始まった。よろず支援拠点では、株式の譲渡など単なる書類上の手続きだけでなく、技術を引き継ぐための後継者教育や一層の経営改善など、円滑な承継を目的としたきめ細かなサポートを徹底しており、同社でも現在、将来を見据えた課題の洗い出しに取り組んでいる。

自社商品の開発など新事業がスタート

金森合金の自社商品の写真 「よろず支援拠点を初めて訪問してから1年半、この短期間で企業体質が大きく変わりました。第三者の視点で、各分野の専門家にきめ細かくフォローしていただいたからだと思います」と笑顔を見せる高下さん。昨年秋ごろからは自社商品の開発が熱を帯びており、工業用製品をアレンジした花器や、継手を使った箸置きなど、半年もたたない間にユニークな試作品が次々と誕生している。中でも、銅合金の脱臭や抗菌効果に着目したシューキーパーは自信作の一つ。かかと部分は靴べらとしても使えるようにデザインしており、ある程度の重量もあるため、ドアストッパーとしても利用できるなど、独創的なアイデアが光るアイテムだ。同社では今年2月に特許を出願し、ホテルを中心とした売り込みもスタートしている。
 このほかにも、器や九谷焼を手がける異業種との交流、海外への販路開拓など、多岐にわたる事業が並行して進められている。よろず支援拠点への相談を転機に、黒字化を実現した同社では、目に見える形で社内に活気があふれている。

企業情報

企業名 株式会社 金森合金
創業・設立 創業 1714年
事業内容 アルミ・銅合金製品の鋳造と製作

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関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.105
備考 情報誌「ISICO」vol.105より抜粋
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掲載号 vol.105