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快適な職場づくりへ。3S活動を推進 仕事の無駄が減り、生産性がアップ ~(株)タムラテント

印刷用ページを表示する更新日:2020年3月26日更新

From USERs 各種支援制度の利用者に聞く​​​

タムラテントは、1919年から帆布製品や産業資材の製作・販売・施工を専門に手がけ、昨年、創業100周年を迎えた。業界では、需要が減り、事業所数も減少しているが、同社では、同業他社に先駆けて高画質インクジェットプリンターを導入し、テント生地を活用した広告宣伝事業に乗り出すなど、新たなチャレンジで成長を続けている。200周年に向かって、さらに働きやすく、生産性に優れた快適な職場をつくろうと、ISICOの専門家派遣制度を活用して、3S活動にも取り組み、着々と成果を上げている。​

熟練した職人技で多様なニーズに対応

3S活動に取り組む以前と実施した後の工場内の様子の写真。不要なものは捨て、必要なものは定位置を決めた。

 夏の日差しや災害など過酷な環境から人々を守るテントをはじめ、工場や倉庫などで冷暖房の効果を高めるために取り付けられるカーテン、フォークリフトの運転席に防寒・防雨のために取り付けられるシート、溶接の現場で熱や火の粉から作業者を守る保護具など、タムラテントが手がける製品は多岐にわたる。
 注文の多くは多品種少量生産のオーダーメード品だ。取引企業は年間500社を超え、このうち20%を新規客が占める。一つ一つ形状が違う上、複雑なものも多いが、裁断や縫製といった作業を熟練した職人が手作業で行うなど、100年にわたって受け継いできた技術やノウハウを生かし、多様なニーズを確実に形にしている。
 テント生地はかつて、商店の軒先に付ける装飾用のテントやトラックの荷台を覆う幌(ほろ)として数多く利用されてきた。近年では商店街の衰退やアルミ製の幌の増加でこうした需要は減少しているが、逆境を跳ね返そうと、同社が20年前に業界の先頭を切って導入したのが、高画質インクジェットプリンターだ。テント生地に鮮やかな写真や図柄を印刷することで、屋外広告や店舗内の装飾用として、需要を伸ばしている。

どこに何があるのか分かりやすく改善

田村裕之本部長の写真。2メートル近い身長で、入社前は実業団のバレーボール選手だった。 そんなタムラテントが2年前から取り組んでいるのが3S(整理・整とん・清掃)活動である。
 そのきっかけについて、田村裕二社長の長男である田村裕之取締役営業本部長は次のように話す。
 「テント生地を使って快適な空間を提供するのが私たちの仕事。そのためにはまず自分たちが快適に働かなければいけない。働き方改革の重要性が叫ばれる中、当社でも作業しやすく、誰がやっても効率よく仕事ができる職場をつくりたいと考えていた」。
 とはいえ、社内の人材だけで進めるのは難しい。そのため同社では、ISICOの専門家派遣制度を活用し、豊富な実績を持つコンサルタントの協力を得ながら、活動を進めることにした。実際には3Sのポイントについて講義形式で学んだほか、毎月1回、コンサルタントと社員が2時間かけて社内を点検。3Sが行き届いていない箇所を指摘してもらい、次回までにそれらを改善する取り組みを続けていった。
 例えば、必要なものと不要なものの仕分けも取り組みの一つだ。ものが多ければ、それだけ探すのに時間がかかってしまう上、作業できるスペースも狭くなってしまう。実際に仕分けしてみると、まったく使われておらず、捨てても差し支えないものもたくさんあった。
 そして、必要と判断された工具や資材などは、定位置、定方向に収納するように決め、誰もが分かりやすいようにラベルで表示した。箱の中に保管されている部品は、そのうちの1個を透明の袋に入れて貼り付け、外からでも一目で分かるように工夫した。
 「今までだったら、どこに何があるか分からないことも多く、探しても見つけられずに結局買い直すことさえあったが、3S活動によって、そんな状況も改善され、社員の意識も変わった」と話す田村本部長。生産性も向上し、取り組み後、製作に要する時間は5%ほど縮減した。

クレームにつながる不良 リスト化して共有

タムラテントが制作する間仕切りシートと防護服の写真 3S活動を続ける中で、新たな試みも生まれ始めた。その一つが「品質管理委員会」である。これは工場内で起きたヒヤリ・ハット(工程内不良)の情報を毎月リストアップし、不良名、内容、暫定的な対処方法、原因と今後同じ不良を出さないための対策について、月1回、全社員で共有する取り組みだ。推進に当たって田村本部長は「情報を出してもらうことが大事なので、決して叱ったり、責めたりせず、報告しやすい雰囲気づくりを心がけている」と話す。この結果、工程内不良は確実に減っており、今後取り組みを続けることで、クレーム低減にもつながると期待している。
社員が知恵を出し合う「生産性向上セミナー」の様子の写真 また、同社では、ベテラン社員や外注先の職人の高齢化によって、これらの人材が持つ技術やノウハウが失われてしまうことを懸念し、「技能継承セミナー」や「生産性向上セミナー」を継続的に開催している。このセミナーでは、業務に必要な技能の洗い出しや社員一人一人が身に付けている技能とそのレベルを一覧表にした「スキルマップ」を作成するなどして、人材育成に役立てている。
 さらに、新入社員や経験の浅い職人をサポートしようと、作業手順書を整備したほか、「カッターを使用中、刃を出したままでその場を離れない」など、工具の使い方などを記した基礎的なマニュアルも作成した。
 「こうした取り組みを続けるうちに、また新たな課題が見えてくる」。田村本部長はそう話し、「課題を一つ一つ解決していくことで、会社としてレベルアップしていきたい」と意欲を燃やしている。

企業情報

企業名 株式会社 タムラテント
創業・設立 創業 1919年6月
事業内容 建設機械・産業用車両向け資材、建設現場・商業施設の屋外広告物など、帆布製品の製作・販売・施工

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関連URL 情報誌ISICO vol.110
備考 情報誌「ISICO」vol.110より抜粋
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掲載号 vol.110