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【巻頭特集】逆境を乗り越え、地域経済の再生へ 事業継続や反転攻勢に向け、支援策を拡充

印刷用ページを表示する更新日:2020年7月21日更新

理事長インタビュー

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るう中、地域経済は大きなダメージを受けています。存続をかけて奮闘する事業者の資金繰りを支え、コロナとの共生を見据えた新たなチャレンジを後押しするため、県やISICOではさまざまな支援メニューをそろえ、きめ細かくサポートしています。県が6月補正予算で新たに盛り込んだ支援策やISICOが果たすべき役割などについて、当財団の理事長である谷本正憲知事に聞きました。​

(公財)石川県産業創出支援機構 理事長 谷本 正憲(石川県知事)の写真

- 新型コロナウイルスの感染拡大は地域経済に大きな影響を与えている。

 多くの事業者が新型コロナウイルスの影響によって大きく売り上げが減少する一方で、固定経費の支出がかさむという状態になり、地域経済にも極めて深刻な痛みが出ている。これまではどちらかと言えば、感染拡大を阻止するため医療提供体制や検査体制の充実、強化に力を入れてきたが、現在は再度の感染拡大に備える一方、新型コロナウイルスと共生しながら社会経済活動の正常化に取り組む新たなステージに入った。
 そこで、厳しい経営環境に置かれている事業者をサポートするため、6月議会では3カ月間で5度目となる異例の補正予算を編成し、売り上げの減少幅が大きい事業者に対して、資金面で迅速かつ強力にサポートする制度を設けるとともに、逆境に負けず、前向きに取り組む事業者の取り組みを積極的に後押しする支援策を講じた。
 この、県政史上例のない難局を乗り越えるには思い切った対応が必要との思いから、予算規模は、公共投資を除けば過去最大となる約320億円とし、その財源として、財政調整基金から過去最大の80億円を取り崩して充当した。​

- 資金面での支援策とはどのようなものか。

 資金面ではまず、総額140億円規模の前例のない三つの支援制度を設けた。
 一つ目は「石川県経営持続支援金」である。売り上げが大きく減少した事業者にとって、当面の資金の確保は喫緊の課題だ。国の持続化給付金があるとはいえ、新型コロナウイルスによる影響が長引く中、事業者からは「今はとにかく資金が必要」との窮状を訴える声が数多く寄せられている。そこで、国の持続化給付金の受給者に対し、県独自の緊急対策として、中小企業に50万円、個人事業主に20万円を支給する。
 二つ目は「石川県家賃支援給付金」である。事業者にとって、固定費の中でもとりわけ大きな負担となっているのが家賃であり、この給付金では、国が家賃の3分の2を6カ月分支援するのに合わせ、県でも、事業者の残りの自己負担の一部について支援する。
 事業者の皆さんに迅速に資金をお届けするため、どちらも国の支援制度の決定通知書により確認審査を行うなど、手続きを大幅に簡素化した。
 三つ目は、「石川県感染拡大防止対策支援金」である。これは空気清浄機の導入や客席の間隔を広げる店舗改修など、感染拡大を防止するための資材購入費などを支援する制度だ。5月の段階では顧客と対面する小規模事業者を対象に、上限額を20万円としていたが、新型コロナウイルスと共生した事業活動を本格化させるには、あらゆる業種で感染防止対策が欠かせないと考え、業種を問わずすべての中小企業を対象とし、上限額を50万円に引き上げた。

- 事業を継続するには運転資金の確保が重要だ。

 まず、第3次3月補正予算で、保証料の免除や据置期間を2年から3年に延長するなど、全国に先駆けた内容を盛り込んだ特別融資制度を創設した。その後、新型コロナウイルスによる影響の深刻化を踏まえ、4月補正予算において、据置期間を5年に延長し、融資額のうち3,000万円までは当初3年間を無利子とするなど、制度を充実させた「新型コロナウイルス感染症緊急特別融資」を創設し、融資枠はリーマンショック時の2倍となる2,500億円を確保した。5月末までに想定を超える3,500件、700億円以上の融資の申し込みがあったことから、さらに、6月補正予算では事業者が安心して資金調達できるよう、融資枠を3,500億円まで、無利子融資の限度額を4,000万円までに拡大した。十分な融資枠を確保することで、運転資金を必要とする企業の資金繰りをしっかり支えたい。
 県内の事業者の皆さんにはこれらの支援を利用して、何としても経営を持続していただきたい。

- 県民の不安を払拭し、地域経済を回復させるには雇用の維持も欠かせない。

 急激に売り上げが減少した中小企業が雇用を維持していくためには、国の雇用調整助成金の活用が大変有効だ。しかし、事業者の皆さんからは、「手続きが煩雑で時間がかかる」、「支給される金額が少ない」という声をお聞きしていた。そこで、全国知事会を通じて制度の改善を申し入れたところ、申請書類の記載事項の簡素化や添付書類の削減がなされたほか、助成上限額が従来の約2倍となる日額15,000円に引き上げられ、適用期間も9月末まで延長された。
 県でも、雇用調整助成金を迅速に活用できるよう、3月から社会保険労務士など専門家に無料で相談できる個別相談会を開催していたが、最近は「相談時間が足りない」との声が多く聞かれることから、1回当たりの相談時間を増やすとともに、開催回数を拡大するなど相談体制を強化した。

- 逆境にあっても新たな分野に挑戦するなど、前向きに取り組む事業者もいる。

 いわゆる「3つの密」の回避や移動制限など、新型コロナウイルスと共生した事業活動は、これまでと比べてさまざまな制約が伴う。しかし、県内企業の中には、こうした制約を乗り越えて発想を転換し、経営変革の機会として前向きに取り組む企業も出てきており、頼もしく感じている。県では元気な中小企業なくして石川の発展はないとの思いから、新しい生活様式に適応する「経営イノベーション応援プログラム」を新設し、ピンチをチャンスととらえ、たくましく生き抜こうとチャレンジする企業を強力に後押しする。

- 具体的にはどのような支援策か。

インタビューに答える谷本理事長の写真 その一つである設備導入補助金では、人と人の接触機会を減らすための遠隔会議システムの導入や、「3密」を避けるための製造ラインの自動化など、設備導入の費用について支援する。
 また、直接訪問による営業活動の制約が想定されるため、オンラインによる商談に不慣れな企業に専門家を派遣したり、セミナーを開催したりするとともに、地場産業振興センター内にオンライン商談ができる会議室を用意し、新たな販路開拓のツールとして活用していただく。以前から取り組んできたシンガポールや香港でのビジネス商談会も、オンラインでこの秋に実施したいと考えている。
 飲食店でのテイクアウト販売や宅配サービス、インターネットを活用した教育サービスの提供など、従来の業態にとらわれず、新たな分野に挑戦する企業に対しては、県、ISICO、商工会議所等が連携し、4月補正予算で助成制度を創設した。申請開始から2週間余りで200件を超える申請があるなど、好評をいただいたことから、6月補正予算では採択枠を500件から1,000件へと倍増した。
 さらに、例えば短時間でウイルス検査が可能な試薬の開発など、自社の得意とする技術を生かして新型コロナウイルスに関連する新製品・新技術開発に取り組む企業への助成金も用意した。

- 多岐にわたる支援策を有効活用してもらうには、分かりやすい情報提供が必要だ。

 事業者の皆さんが、必要な支援を迅速に活用できるよう、さまざまな支援メニューを分かりやすくまとめた一覧表を作成するとともに、支援メニューを解説し、申請窓口を紹介するため、5月7日から「事業者支援ワンストップコールセンター」を設置している。これまで、1日あたり約220件、累計で約12,000件(6月30日現在)を超えるお問い合わせをいただき、支援策の利用促進につながったと考えている。

- 利用者にメッセージを。

 北陸新幹線の金沢開業以降、県経済には追い風が吹いていたが、3月以降、局面ががらりと変わった。ISICOにとっても経験したことのない状況だが、今こそ原点に立ち返り、利用者目線で、きめ細かく皆さんをサポートしていきたい。それこそが、まさにISICOの真骨頂とも言える。多くの相談が寄せられることで県内企業の実情をつぶさに把握することにつながる上、新たな支援策のアイデアも生まれる。この難局を乗り越え、企業の皆さん方がさらに成長していけるよう、例年にも増して全力で支援していくので、今までISICOにご縁のなかった企業も含めて、ぜひ積極的に活用していただきたい。

企業情報

企業名 公益財団法人 石川県産業創出支援機構
創業・設立 設立 1999年4月1日
事業内容 新産業創出のための総合的支援、産学・産業間のコーディネート機関

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備考 情報誌「ISICO」vol.111より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.111