ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 情報誌ISICO > メニュー > 情報誌ISICOバックナンバー > コロナ禍に打ち勝つ! Case3 インバウンドに依存した事業内容を見直し金沢の味覚届ける通販事業を立ち上げ ~(株)こはく

ViVOサイトへのリンク

活性化ファンド商品開発ストーリー集サイトへのリンク

じわもんセレクトサイトへのリンク

DGnetサイトへのリンク


コロナ禍に打ち勝つ! Case3 インバウンドに依存した事業内容を見直し金沢の味覚届ける通販事業を立ち上げ ~(株)こはく

印刷用ページを表示する更新日:2020年7月22日更新

コロナ禍に打ち勝つ! 新たな商機の獲得へ知恵絞る

新型コロナウイルスの感染拡大によって、この春、経済活動に急ブレーキがかかった。さまざまな制限が解除された6月以降はやや持ち直したとはいえ、収束するにはまだ時間がかかるため、企業にとっては今後、ウイルスとの共生を前提に、経営環境の変化に応じて事業モデルや仕事のやり方を見直していくことが必要だ。そこで今回の特集では、この苦難を乗り切って次の成長につなげようと知恵を絞る県内企業4社の取り組みを紹介する。​​​

欧米客らの人気集めた近江町市場巡りや調理体験

欧米客らに人気を集めたツアーのワンシーンの写真。 新型コロナウイルスでとりわけ深刻なダメージを受けたのが観光業界だ。主に訪日外国人旅行者向けに着地型体験ツアーを企画・運営している「こはく」も例外ではなかった。こはくでは、金沢の食文化に精通した地元出身の料理研究家と近江町市場を巡った後、県産食材を使って和食の調理を体験するツアーや芸妓の唄と踊りを鑑賞し、お座敷遊びを楽しむツアーなど6種類のラインアップをそろえる。ツアー商品の開発には、ISICOの「いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド」の助成金も活用。より金沢らしさを満喫してもらおうと、築95年の金澤町家を改修した専用の体験施設「In Kanazawa House」も整備した。さらに山田滋彦社長は個人事業として、町家を活用したインバウンド向けの簡易宿泊施設を市内に3カ所展開している。出発点にあるのは、「誰でも気軽に楽しめる体験の提供を通じて世界に誇る日本文化を広く発信したい」という思いだ。
 どちらの事業も、特に欧米の観光客から人気を集め、売り上げも順調に伸びていたが、新型コロナの感染が拡大すると状況は一変した。4月上旬以降、すべての予約がキャンセルになり、売り上げはゼロにまで落ち込んだ。そこで、融資や各種助成金を活用して何とか経営を維持する一方、新たな収益源として立ち上げたのがオンラインショップ「金澤 おみちょ イチバのハコ」である。

食材のプロが目利きした食材 県外客から好評

「イチバのハコ」で販売している、旬の鮮魚や野菜を詰め合わせた「おためしのハコ」の写真。

 「イチバのハコ」は、近江町市場で働く食材のプロが目利きした魚介や加工品、青果を詰め合わせて宅配するサービスだ。鮮魚などは必要に応じて自宅で調理しやすいよう下処理し、食材の説明書や料理研究家が考案したレシピを添えるほか、近江町市場の公式マガジンも同梱する。利用規約やプライバシーポリシーの作成にはISICOの専門家からアドバイスを得た。
 山田社長が食品通販事業に乗り出したのは、「コロナを機にインバウンドに依存しすぎていた経営体質を見直し、バランスの取れた事業内容にしたい」と考えたからだ。構想する際には、これまで主戦場としていた観光市場での強みを生かしながら、成長が続いている食品通販市場とギフト市場のニーズを取り込むことを意識した。ツアーに協力してくれた近江町市場もコロナ禍で厳しい状況にあったため、その魅力を発信し、各店の売上増に貢献したいという気持ちも事業の推進力となった。
 5月1日の運用開始から1カ月で約250件の注文が寄せられ、県外客が70%を占める。「久しぶりにふるさとの味を食べることができてうれしかった」「普段スーパーで買えない食材に出会えて料理が楽しくなった」など、購入者からの評価も上々で、順調なスタートに山田社長も確かな手応えを感じている。

競合他社との差別化のため食材原価率を高めブランド確立

 競合他社との差別化に向けて「イチバのハコ」のブランド力を高めるため、オンラインショップで販売するのは「近江町市場に関わるプロが薦める」「市場内の商店で取り扱っている」「県産もしくは県にゆかりがある」という三つの条件を満たした食材に限定している。この条件を満たすため、同社では食材の原価率を競合他社より高め、一方で広告宣伝費など食材以外の原価を徹底的に抑えて利益を出す経営を目指す。広告宣伝費をかけずに新規顧客やリピーターを獲得するため、メディアと連携したパブリシティ(無料の記事)やSNS等を積極的に活用するほか、データに基づくマーケティングにも注力する。
山田慈彦社長の写真。 「イチバのハコ」には、サバのぬか漬けなど酒のさかなにぴったりの食材と老舗呉服店がセレクトした扇子を組み合わせた父の日用セット、フグや能登産のテングサを使ったところてんなどを詰め合わせたお中元用セットなど、期間限定や数量限定の商品も次々と加わり、今後も継続的にラインアップを充実させていく方針だ。
 ほかにも、7月には地元クリエーターが制作した工芸品や雑貨を販売するオンラインショップ(ブランド名:ぶるーたす)を立ち上げ、旅行者向けの宿泊施設だった町家は女子会などに利用できるようレンタルスペースプランを提案するなど、巣ごもり消費や地元客の取り込みを狙う。ウイルスと共生するニューノーマル(新常態)な社会で勝ち残るため、日本文化の発信という志を大切にしながら、山田社長は新たな一手を打ち続けている。

企業情報

企業名 株式会社 こはく
創業・設立 設立 2018年4月
事業内容 インバウンドを中心とした着地型体験アクティビティの企画・運営など

企業情報詳細の表示

関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.111
備考 情報誌「ISICO」vol.111より抜粋
添付ファイル

添付ファイルを開く [その他のファイル/315KB]

掲載号 vol.111