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IoTの活用で在庫管理も効率化 業界初、アプリで木材を受発注 ~フルタニランバー(株)

印刷用ページを表示する更新日:2020年7月27日更新

From USERs 各種支援制度の利用者に聞く​​​

木材総合卸のフルタニランバーでは、世界中から高品質の商品を直接仕入れ、ニーズに応じて加工も手がけている。取り扱う木材のラインアップは全国でも随一で、スピーディーに納品するため在庫を豊富に用意している点も大きな強みだ。こうした強みをさらに伸ばそうと今年5月には、ものづくり補助金を活用して開発した受発注管理用のスマートフォンアプリの運用を開始し、受注から発送までのリードタイムを短縮した。また、在庫管理にもIoTを活用し、業務の効率化を実現している。

注文受け即座に出荷 受注伝票のやりとり不要

フォークリフトのオペレーターの写真。タブレット端末で発注内容を確認後、品出し作業に取り掛かる。 アプリでは取引先が発注すると、その情報がフルタニランバーの営業担当者はもちろん、会社の受注管理システムや倉庫内でフォークリフトに乗って品出し作業をしているオペレーターのタブレット端末に、直接届く仕組みとなっている。
 従来は営業担当者が電話などで注文を受けて受注伝票を書き、その内容を事務員が入力処理した後、品出し作業をするオペレーターに連絡していた。営業担当者が運転中や商談中で、受注伝票をすぐに書けない場合もあった。
 アプリを活用すれば、こうしたプロセスがなくなり、注文を確認したオペレーターが即座に品出しに取りかかることができるため、受注から出荷するまでに掛かっていた時間が従来の2~3時間から10~15分ほどへと大幅に短縮した。
 アプリは現在、同社の取り扱う木材の中でも、売上比率の高い家具用の規格品の発注に対応しており、樹種はもちろん、厚みや長さ、幅で絞り込み検索ができるようになっている。在庫の有無もアプリ上で確認可能だ。コメント欄を使って、規格外の寸法を注文したり、加工を指示したりもできる。書類を添付する機能もあり、「図面を見て、必要となる木材を送ってほしい」といった注文にも対応する。
 アプリはアップルの「iOS」、もしくはグーグルの「アンドロイド」を搭載した端末で利用可能。フルタニランバーでは約1,500社の取引先に利用を呼び掛け、今年5月の運用開始以降、アプリ経由の発注が順調に伸びている。

ものづくり補助金を活用 顧客の声が開発を後押し

古谷隆明社長の写真。 「以前から当社の仕事のやり方はアナログだなと感じており、インターネットを使った発注プラットフォームを構築し効率化したいと考えていた。また、2015年から年1回、実施している顧客アンケートでも、“納品までのリードタイムを短縮してほしい”、“ 商品ラインアップや在庫情報をネット上で分かるようにしてほしい”といった声が多く、こうした課題を解決したかった」。アプリを導入した経緯について、こう話すのは古谷隆明社長である。開発に当たっては、「ものづくり補助金」を活用し、申請時にはISICOがサポートした。
 アプリの機能や導入メリットはほかにもあり、今までは電話やファクスで知らせていた配送状況を、取引先自らがいつでもどこでも確認できる追跡サービスもその一つだ。これに合わせ、配送ドライバーが納品時間を記録していた日報も不要になった。
 また、アプリには複数の端末から同時にログインができる上、注文履歴などの情報は随時更新、共有できるようになっているため、二重発注などのミス防止にもつながっている。
 今後、家具用材以外の商品もアプリで発注できるよう、さらに機能を充実させていく計画だ。

読み取り装置をかざせば棚卸しが完了

棚卸し風景の写真。倉庫内を歩きながら、読み取り機をかざせば自動的に数が集計される。 ものづくり補助金の活用はこれにとどまらず、在庫管理システムも新たに構築した。このシステムで利用しているのが「RFID」と呼ばれる技術だ。RFIDとは「近距離無線通信を用いた自動認識技術」のこと。回転寿司店で会計時に重ねた皿にハンディサイズの読み取り装置をかざし、伝票を発行するのを見たことがある読者も多いだろう。これに使われているのがRFIDである。
 フルタニランバーでは、あらかじめ商品名や仕様などの情報を記録したRFタグを入荷した商品に貼り付けておき、その情報を専用の読み取り装置で取得して、在庫数などを把握する。同社は敷地が6,700平方メートルと広く、木材を保管しておく倉庫が7棟もある上、取り扱う商品は5,000アイテムを超える。年2回の棚卸しは、1人でやれば2週間はかかる煩雑な作業で、人が数えるため正確性も十分とは言えなかった。しかし、RFIDを活用すれば、社員が読み取り装置を商品にかざしながら倉庫内を歩き回るだけで、在庫数が集計されるため、半日程度で正確に棚卸しができるようになった。

事業承継を機に新事業計画を策定

受発注管理用のアプリ画面の写真。

 古谷社長が現会長の父親から経営のバトンを受け継いだのは元号が改まった昨年5月。その後、ISICOの専門家派遣制度を活用し、中小企業診断士のアドバイスを受けながら、新たに事業計画を策定した。古谷社長は「事業計画はISO9001を取得した2016年の策定以来、アップデートされていなかった。当社の強みや経営課題が明確になったほか、客観的な意見を聞けて新たな気づきを得られた」と振り返る。
 新設住宅着工戸数が減少するなど、事業を取り巻く環境は厳しさを増す。一方で古谷社長は「公共建築物を木造化するなど、自然素材へと回帰する流れが強まっていて、追い風も吹いている」と話し、その言葉通り、新規の取引先や学校教材など非住宅分野の注文も増えてきた。こうした需要をしっかりと取り込み成長軌道を描いていくための大きな強みとなるのが、世界各国から直接仕入れた高品質の木材の豊富な在庫であり、業界初となる受発注管理アプリや在庫管理システムの完成は、一層の競争力強化につながりそうだ。

企業情報

企業名 フルタニランバー 株式会社 
創業・設立 設立 1952年8月
事業内容 木材製品の輸入卸、小売り、加工、配送

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関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.111
備考 情報誌「ISICO」vol.111より抜粋
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掲載号 vol.111