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ホームページドクターの助言が参考に ネットを活用した販路拡大と新商品開発が好調 ~浜田紙業(株)

印刷ページ表示 更新日:2021年2月15日更新

From USERs 各種支援制度の利用者に聞く​​​

「箱タイプ」のグリーンパーチ紙の写真。必要な長さを引き出して紙製カッターで切り分けることができる。 

北陸3県でティッシュペーパー、トイレットペーパー、印刷用紙などを卸売りする浜田紙業。約2年前にリニューアルした自社サイトからの引き合いが増えているほか、新たな販路を求めて開設したECサイトの売り上げも着実に伸びている。さらに、ネットを通じて寄せられる消費者の声をヒントに開発したオリジナル商品も人気が高まっており、今後はメーカー機能の強化にも力を入れる構えだ。​

業務用耐水紙が釣り人や料理人に人気

 浜田紙業がECサイトで販売する商品の中でも、このところ売り上げが急上昇しているのが「グリーンパーチ紙」である。これは、天然パルプに耐水処理を施して作った紙で、水に濡れても破れにくい上、鮮魚から出る血や水分を緩やかに吸収してくれるのが特徴だ。主に鮮魚の包装用に使われ、熟成させるのにも適している。
 グリーンパーチ紙は鮮魚店などで主に業務用として使われ、一般にあまり出回らないが、同社では小さくカットしたものから長さ50メートルのロール状のものまで、さまざまなバリエーションをそろえ、個人でも購入可能だ。そのため趣味で釣りや料理を楽しむ人や有名寿司店、ユーチューバーなどからの注文が増え、海外からも問い合わせが寄せられる。
 今年度はISICOのチャレンジファンド事業の後押しを受け、アルミホイルのようにロール状のグリーンパーチ紙を箱から引き出して必要な大きさにカットできる「箱タイプ」を開発。今後はグリーンパーチ紙を作る製紙メーカーとも連携し、さらにラインアップや記事を充実させ、拡販につなげる考えだ。

メディアや大企業から問い合わせも

 同社でホームページやECサイトを担当するのは浜田登社長の長男である浜田浩史専務だ。ティッシュやトイレットペーパーは生活必需品であり、会社の売り上げは安定している。とはいえ、デジタル化の進展で印刷用紙の需要は減少し、北陸3県だけを商圏としていては伸びしろが少ない。そんな現状に危機感を募らせていた浜田専務に、ホームページを活用した集客を勧めてくれたのが異業種交流会で出会った津田産業(かほく市)の越野勤さんだった。
浜田専務が自ら制作、更新する浜田紙業のECサイトの写真。 浜田紙業では元々ホームページを持っていたが、情報量も少なく、スマートフォンにも対応していなかった。そこで浜田専務がワードプレスで新たなホームページを自作。2019年2月の公開当初はまったくアクセスがなかったが、記事を書きためていくうちに閲覧者が徐々に増えた。「こちらから飛び込み営業しても相手にされないようなメディアや大企業から連絡が来ることもあり、ネットには大きな可能性があると感じた」と浜田専務は笑顔を見せる。
 その後、ISICOが運営するバーチャルモール「お店ばたけプラス」に出店し、専門家によるアドバイスや出店者だけが受講できるセミナーで得た情報を生かしてホームページをブラッシュアップ。2020年2月にはISICOホームページドクター・遠田幹雄さんのサポートを受けECサイトを開設した。直後に新型コロナウイルスの感染拡大の影響でティッシュなどが店頭から消え、電話だけでは対応しきれないほど注文が殺到した際には、「ECサイトにお客様を誘導することでビジネスチャンスを逃さずにつかむことができた」と浜田専務は振り返る。

まめにアップする記事が訪問の呼び水に

浜田浩史専務の写真

 浜田紙業のホームページにとって集客の大きな原動力となっているのが、浜田専務が書いている記事だ。その更新回数は多い月には40回にも上る。内容はティッシュやトイレットペーパー、ペーパータオルの最新供給状況など、紙問屋だからこそいち早く入手できる情報を詳しく解説するほか、グリーンパーチ紙とキッチンペーパーの性能比較、高級ティッシュ「鼻セレブ」をなめると甘い理由など、好奇心をくすぐられる内容が目に付く。この記事をきっかけにホームページやECサイトを訪れ、問い合わせや購入につながるケースも多い。
 「ホームページドクターの遠田さんからは紙の専門家にならなければいけないと常々言われており、記事を書く際にも意識している」と浜田専務。サイト内に蓄積された情報は財産と言え、今でも「ティッシュ 品薄」と検索すれば、同社の記事が検索結果のトップに表示される。

コロナによる減収分をECサイトがカバー

 「よそで手に入らない独自の商品がなければ生き残っていけない」。これも遠田さんの助言の一つだ。同社の扱っている商品は差別化が難しいが、それでもネットを通じて寄せられる消費者の声が気づきとなり、浜田専務は次々と新商品を企画、開発している。冒頭で紹介したグリーンパーチ紙はその好例だ。グリーンパーチ紙の特徴を紹介する記事を自社サイトに掲載したところ、釣り好きの人からポケットティッシュのように取り出せるようにならないかと要望を受け、開発したのが自社商品第1弾となった。
のし付きの高級ティッシュペーパーの写真 また、のしを付けた鼻セレブ4個セットも消費者の問い合わせから生まれた商品だ。当初は景品用に20個セットで販売していたが、引っ越した際のあいさつ用に少しだけ分けてほしいと言われ、ラインアップに加えたところ意外なほど売れているという。
 浜田専務は「卸売りだけでなく、企画・開発から製造、小売りまでを一貫して手掛けられる企業を目指す。そのためにこれからも紙の専門家としてお客様に分かりやすい記事を書いて問い合わせにつなげ、ニーズに合った商品を作っていきたい」と意欲を燃やす。
 昨年は新型コロナの影響でイベントが軒並み中止となり、ティッシュなどの景品需要が落ち込んだが、ネットを通じた売り上げが減少分をカバーしてくれた。既存のビジネスに加え、ネットを新たなエンジンとして浜田紙業はさらなる成長を目指す。

企業情報

企業名 浜田紙業株式会社 
創業・設立 設立 1965年6月
事業内容 ティッシュペーパー・トイレットペーパー・おむつ等の衛生用紙、特殊紙、印刷用紙の卸売り

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関連URL 情報誌ISICO vol.114
備考 情報誌「ISICO」vol.114より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.114


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