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ワンストップの住宅事業を推進 女性の感性でリノベーション ~(株)ノスタルジックカンパニー

印刷ページ表示 更新日:2021年3月30日更新

From USERs 各種支援制度の利用者に聞く​​​

近年、中古住宅や古い町家を改修して住まいの性能を新築の状態よりも向上させたり、価値を高めたりする「リノベーション」が盛んだ。人気の理由は新築よりも手ごろな値段でオリジナリティーの高い住まいを実現できる点にある。石川県内でいち早くリノベーションを手掛けてきたノスタルジックカンパニーも、時流に乗って成長を遂げ、業績を着実に伸ばしている。​

くつろぎたくなる住まい 家事動線の無駄を省く

同社が運営する「besso 片山津温泉」の一室の写真。柴山潟をイメージし、ノスタルジックな雰囲気に仕上げている。 中古物件の仲介からリノベーションまで、ワンストップで提案するノスタルジックカンパニーは、住む人を「どこか懐かしい」「なんだか落ち着く」気持ちにさせるノスタルジックスタイルをコンセプトに、個性的な住空間を提供している。
 同社のリノベーションの特徴は、温かみのある古材や素材感を生かした建材、昔ながらの塗り壁などを使うことで、年月を経た建物が持っている“味わい”を最大限に生かすことである。
 また、家全体の調和を考えた配色や間取り、家具の配置などは、共同で代表取締役を務め、インテリアコーディネーターの資格も持つ池内真紀子さんと寺嶋直美さんの感性で決めている。
 池内さんは「くつろぎたくなる家とは、インテリアのデザインも大事な要素だが、基本的に暮らしやすくなければならない」と指摘し、間取りでは、家事の動線を重要視。料理や洗濯、掃除といった家事の負担を軽くするため、住む人のライフスタイルに合わせて無駄なく動ける間取りを提案している。

リノベーションに先駆けて取り組む

 リノベーション業界で独自の方向性を打ち出し、30~40代女性の顧客から支持されているノスタルジックカンパニー。その出発点は、ママさんバスケットボールのチームメートだった2人が、2003年に雑貨店を開業したことだった。当初から住宅の内装工事などに関心があったものの、インテリアコーディネートの事務所を立ち上げても依頼はほとんどない。そこで、店舗の内装を2人好みのデザインにセルフリノベーションし、アクセントとして雑貨を展示販売することにした。
 さらに、仕事の内容を家づくりにシフトしていくため、再び店舗を改装した。そのインテリアスタイルを気に入った客から新築住宅の建設の依頼があり、ここから徐々に建築の仕事に軸足を置いていく。
金沢市内のショールーム兼事務所の写真。統一感のあるコーディネートでノスタルジックスタイルの装いとなった。 転機となったのは、リフォームを依頼してきた顧客への「リノベーション」の提案だった。リフォームは老朽化した家を直す原状回復だが、リノベーションは新築のように機能やデザインを一新する。まだ石川県ではリノベーションという言葉が一般的でない中、先駆けとなって取り入れた。寺嶋さんは「施工後の刷新された様子に楽しさと魅力を感じ、機能や価値をプラスする家の再生に活路を見いだした」と話す。
 ただ、建築士ではなく、工務店でもない2人には、施工例が少なく、信用力も足りなかった。コンセプトにひかれた妻から問い合わせがあっても、実際の打ち合わせで夫が難色を示すことも少なくなかったという。

ショールームでコンセプト伝える

 営業活動をする時間と人員を割けない中、実績を積むほかない状況下で力を入れたのがホームページの充実だった。自社のコンセプトや施工例のほか、何よりノスタルジックな住まいの魅力を伝えることに腐心した。また、常に検索結果の上位に表示されるよう、SEO対策にも積極的に取り組んだ。
 ホームページからの依頼が徐々に増え、事業が軌道に乗ったことから、2014年に法人化した。国の創業補助金を活用し、ノスタルジックに改装したショールーム兼事務所を開設した。2017年には、リノベーションしたい家を探す顧客の要望に対応するため、宅地建物取引業の資格も取得し、不動産部門として「しろくま不動産」を立ち上げた。
ショールーム兼事務所に併設されたカフェの写真。 さらに、カフェをオープンしたいと考えていたところ、以前リノベーションを担当した顧客がカフェの物件を探していることを知り、両者の思いが一致する形で、事務所内に併設した。同社にとってカフェは、訪れる客がコンセプトに触れるきっかけを生む場となっている。
 現在、リノベーションなどの問い合わせが年間約50件あり、そのうち約20~30件が成約につながっている。営業を一切しないにもかかわらず成約率が高いのは、既製の住宅では実現できないオリジナル住宅を求める顧客が増えたからで、同社のコンセプトが時代にマッチしたと言える。立ち上げ時は約6,000万円だった売り上げも、前年度は約1億4,000万円と倍以上に増えている。

空き家を活用してまちの再生を

 最近、同社が力を入れているのが空き家を生かした「まちづくり」である。新旧の文化が融合する重層的なまちを目指しており、その夢を実現する場所として選んだのが加賀市の片山津温泉だ。「山代温泉や山中温泉は、まちとして完成している。片山津温泉は自分たちでまちの姿を描ける“余白のあるまち”だ」と寺嶋さんは語る。昨年、寺嶋さんと池内さんの写真。「一人一人のほっとする空間を提供していきたい」と話す寺嶋さん。築30年以上の建物をリノベーションし、宿泊・飲食施設「besso片山津温泉」として生まれ変わらせた。自分の家のような居心地の良さを追求し、明るく柔らかな雰囲気に仕上げている。
 人口が減少し、今後、日本各地で空き家が増えていくのは確実であり、池内さんは「空き家に困っている人と空き家を探している人をマッチングする相談窓口としての役割を果たしたい」と話し、まちの再生にも取り組む考えだ。

企業情報

企業名 株式会社 ノスタルジックカンパニー
創業・設立 創業 2003年7月
事業内容 建築に関わるコーディネート・プランニング・デザイン

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関連URL 情報誌ISICO vol.116
備考 情報誌「ISICO」vol.116より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.116


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