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ビル・工場の木質化へ。耐火性に優れた柱や床材集成材を使って製品化 ~(株)中東

印刷用ページを表示する更新日:2022年2月1日更新

サキドリ

集成材の製造などを手掛ける中東は、ビルや工場の建設にも活用できる木製の耐火柱と耐火床を開発した。脱炭素社会の実現に向け、建築物の木造化を推進する機運が高まる中、同社ではこれらの製品によって集成材部門の売り上げを5年後に倍増させる計画だ。​

2時間の耐火性能 国内で初めて認定

株式会社中東が開発した耐火性に優れた集成材の写真。 中東が開発した「エフネン耐火集成柱」は、不燃剤を注入した集成材をロの字型に接合して筒状にし、同じく集成材で作った柱にかぶせたものである。内部の柱は15センチ角で、昨年4月に純木製の柱としては全国で初めて、2時間の耐火性能を保証する国土交通大臣認定を取得した。また、昨年12月には、50センチ角の柱でも2時間耐火試験に合格した。ちなみに1時間の耐火性能があれば4階建てまで、2時間耐火ならば14階までの建築物の柱として使用できる。
 この製品は、簡単に施工できる点も特長だ。従来の耐火柱は柱を石こうボードで覆う方法などで作られ、現場での施工に時間がかかっていた。一方、中東の製品は現場で柱を固定した後、あらかじめ工場で製造した筒状の集成材をかぶせるだけで施工が完了する。
 より高層の建物にも使ってもらおうと、今年2月には75センチ角の柱の耐火試験を行う。

木材の利用拡大へ補助金が開発を後押し

小坂勇治社長の写真。 「SDGsの達成や脱炭素社会の実現に向け、国は建築物への木材利用を推進しています。実際にここ数年、スーパーゼネコンや大手建設会社を中心に、木造ビルの建設が急増しています。この際、従来はゼネコンや建設会社が求める仕様に沿って、石こうボードやモルタルを使った耐火柱を製造してきたのですが、木だけで同等の性能を実現できれば、さらに木材の利用拡大につながると思い、開発に挑戦しました」。製品化に着手したきっかけについてこう話すのは同社の小坂勇治社長だ。
 開発にあたっては、不燃剤の注入装置を新たに導入。ISICOの「いしかわ次世代産業創造ファンド」に申請し、試作や性能試験に補助金を活用した。小坂社長は「第三者機関による試験費用は高額で、支援のおかげで思い切って開発に踏み出すことができました」と振り返る。
 当初は1時間の耐火性能をクリアすることもできなかったが、木材に不燃剤を注入しやすくする工夫をするなどして、2年半をかけて完成させ、特許も取得した。

耐火床もラインアップ 自動車部品工場が採用

 昨年6月には、柱に続いて耐火床でも2時間の耐火性能を保証する国土交通大臣認定を取得した。製品名は「エフネン耐火CLT(直交集成材)床」だ。こちらは縦方向に板を並べて接合したパネルと横方向に板を並べて接合したパネルを交互に積層した床材の下部に、不燃剤を注入した集成材で作った板を張り付けたものである。
 床材の下部に現場で石こうボードを張り付ける従来の耐火床と違い、工場で一体化させたものを梁(はり)に載せるだけでよく、施工性は抜群だ。
また、羽目板を張らなくても、下の階の天井が温かみのある木の表情に仕上がる点もメリットと言える。
中東が開発した耐火床の写真 耐火柱、耐火床ともに、今年5月に能美市内で着工する自動車部品製造工場での採用が決定しているほか、全国から引き合いが寄せられており、小坂社長は「中小のゼネコンや地方の工務店にもぜひ使ってほしい」と話す。同社では集成材を使った設計、施工も手掛けていることから、耐火柱や耐火床を糸口として建設工事の受注増にも期待を掛ける。

第3弾は耐火梁 売り上げ倍増目指す

現在開発中の耐火梁の写真。 現在は、柱と床に続く第3弾として耐火梁を開発中だ。こちらは不燃剤を注入した集成材を細長いU字型に接合し、くぼんだ部分に梁を載せる構造だ。
 同社では、こうした耐火性に優れた柱や床、梁の販路を拡大し、5年後には売上高の約半分を占める集成材の売り上げを倍増させる目標を掲げる。今年から販促活動を本格化させ、顧客へのPR策の一環として5階建てのモデルビルの建築も検討中だ。
新たに導入した不燃剤の注入装置の写真。 木材は空気中の二酸化炭素を吸収、固定する上、繰り返して生産できる循環型の資源である。また、木材は鉄骨などに比べ、製造時の二酸化炭素排出量が少なく、環境に優しい建築資材だ。こうしたメリットを生かして脱炭素に貢献しようと、国内でも木造ビルの建設プロジェクトがいくつも進む。ビルや工場など住宅以外の分野に木材が活用される場面は今後ますます増加するとみられ、中東が開発した耐火柱や耐火床にも注目が集まりそうだ。

企業情報

企業名 株式会社 中東
創業・設立 設立 1968年7月
事業内容 集成材の製造・販売、建設工事の設計・施工

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備考 情報誌「ISICO」vol.120より抜粋
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