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【巻頭特集】父が亡くなり、入社5年目で社長就任 社員が力を発揮できる環境づくりに腐心 ~(株)中川鉄工所

印刷用ページを表示する更新日:2022年3月25日更新

企業と地域の輝く未来へ、女性経営者が奮闘中!

政府が掲げる成長戦略の柱の一つが女性活躍だ。その指標の一つと言える石川県の女性社長比率は6.6%で、全国平均の8.1%を下回るものの着実に増えている(2021年4月時点/帝国データバンク調べ)。そこで今回の特集では、親族から事業を承継し、あるいは会社を立ち上げ、陣頭指揮を執る二人の女性経営者に注目した。​

何に使われるのか社員に伝え、仕事の力に

  最長14メートルの金属材料を加工するCNC長尺旋盤の写真。中川鉄工所が得意とするのは長くて大きな金属部品の切削加工だ。工場内には最長14メートル、最大重量10トンを加工できる巨大な旋盤や電柱のような長尺の部品がずらりと並ぶ。とりわけ二相ステンレスやチタンといった加工が難しい材料を高精度で切削する技術力に定評がある。
 「創業から102年を数えますが、時代とともに取引先にも変化がありま中川鉄工所の経営陣の写真。す」と説明してくれたのは、同社を率いている中川幾美子社長だ。従来の自動車用大型プレス部品、船舶用部品に加え、近年はリチウムイオン電池に使われるフィルムの製造装置用部品、水処理プラント用のポンプシャフトなど、環境・エネルギー分野の受注が増えている。
 東日本大震災の復興プロジェクトの一つとして気仙沼湾横断橋が建設された際には、桁を支持するケーブルを引っ張るための治具も製作した。
 「私たちが作るのは製品の一部ですが、どんなふうに使われるかをお客様に確認し、社員に伝えるようにしています」と話す中川社長。
 その言葉には、用途が分からないまま作るよりも、自分たちの仕事が社会に役立っていることを感じてもらい、仕事にやりがいと誇りを感じてもらいたいとの思いがこもっている。
 中川社長は、50年にわたって会社を切り盛りしてきた父・博さんの死去を受け、2019年4月に4代目に就任した。
 中川社長は4姉妹の次女として生まれ、石川高専を卒業後、アメリカ留学を経て首都圏で建築関係の仕事を手掛けてきた。Uターンのきっかけは両親の家を設計したことだった。施工会社との打ち合わせや現場監理のため、金沢市内の実家に滞在していると、博さんから会社の話を聞く機会が増えた。当時、博さんは6年後に迫った会社の100周年をとても楽しみにしていた。一方で、70歳を目前にしながら社内に後継者は不在だった。
 「娘の私が入ることで何かプラスになるのでは」。そう考えた中川社長は2014年10月にアルバイトとして入社。まずは現場で汗を流し、半年後に正社員になった。
 その後まもなく、博さんの前立腺がんが発覚すると、中川社長は経営企画を担当する一方、中小企業大学校で経営を学び、闘病しながら会社の指揮を執る父を支えた。
 博さんがはっきりと後継指名したことはなかったが、亡くなる直前、病身を顧みずに出席したマネジャー会議で、娘の専務昇格を明言したことが事実上のバトンタッチとなった。

データ活用や表彰制度など新たな取り組み続々と

 社長就任後は、先代が計画していた工場の増設、直径1.7メートルまでの素材を加工できる大型旋盤の導入などを着実に進め、コロナ禍によって経営環境が変化する中、無我夢中で舵取りをしている。
 顧客をはじめ、外注先や仕入れ先、業界団体、銀行などと長年にわたって築き上げてきた信頼関係や一緒に働いてくれる社員など、「まだまだ先代が残してくれた財産に助けられる場面が多い」と話す中川社長だが、独自色も打ち出している。
 例えば、今までは感覚だけでとらえてきた現場の努力をデータで見える化する取り組みもその一つだ。一人当たりの仕事量、作業予定に対する達成率、1時間当たりの生産対応力、残業時間など、さまざまなデータを集め、社員の成長の適正評価や残業時間の削減、生産性向上などに生かしている。受注時の予定原価と実際にかかった製造原価の管理も徹底し、顧客との交渉に役立てる。
 サンクスカードの写真。社内のコミュニケーションの活性化や信頼関係の強化、モチベーションアップにつなげようと、仕事の中で感じた感謝を書いて送り合うサンクスカード、社員みんなで投票する年間MVP表彰なども導入した。
 「社員の成長が何よりの喜び。みんなが面白さを感じながら、楽しく仕事できるのが理想で、そのための環境を整えたい」と中川社長は話す。

検査業務の省力化へ音声入力を検討中

 ISICOの支援メニューも積極的に活用する。
 例えば、県外の大手・中堅発注企業と県内企業をマッチングする受注開拓懇談会には先代の頃から継続的に参加。特殊加工を得意とし、県内だけで仕事を探すのは難しいため、貴重な営業の場となっており、大手メーカーとの取引につなげている。
 また、いしかわデジタル化推進経営アドバイザー派遣制度を使って、生産現場の効率化や省力化にもチャレンジしている。具体的には、自動搬送装置の導入、出荷前に実施している完成品検査の結果の音声入力などを検討中だ。
 「これからもさまざまな業界で長くて大きな部品が必ず必要になると思います。再生可能エネルギーや医療分野など、ものづくりを通して社会に貢献し、次の経営者につなげるように会社を守っていきたい」。父の遺志を引き継ぎ、新たな未来を開拓するため、中川社長は一歩ずつ前に進んでいる。​

企業情報

企業名 株式会社 中川鉄工所
創業・設立 創業 1920年1月
事業内容 長尺・大型の金属部品機械加工

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関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.122
備考 情報誌「ISICO」vol.122より抜粋
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掲載号 vol.122

 


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