求職者優位の時代の採用活動は選ばれるための求人票づくりに鍵

【第2特集】無料で使える採用活動の強い味方 ハローワークの徹底活用を

中小企業にとって採用活動の強い味方と言えるのが、無料で利用できるハローワークだ。とはいえ、「求人票を出しても、なかなか応募がなくて」と悩んでいる採用担当者も多いだろう。そこでISICOでは昨年と今年、「求人票作成講座（全4回）」を開催し、ハローワークをフル活用するためのノウハウを伝授した。ここでは受講後に採用に成功した県内2社の取り組みと人材アドバイザーからのメッセージを紹介する。​​

​MESSAGE！

ISICO人材アドバイザー
矢部敏明

県内企業の人材の採用や定着、活用を支援するISICOの矢部敏明アドバイザーにハローワークを利用する際のアドバイスを聞きました。​

ハローワークの情報は検索エンジンで上位表示

　採用活動において、中小企業の強い味方となるのが無料で利用できるハローワークです。インターネットサービスを使えば、わざわざ出向かなくても求人票の掲載や書き換えが可能です。情報は全国から閲覧できます。公的機関の情報は信頼性が高いため、求人情報専門の検索エンジンの検索結果で上位表示される点もハローワークに求人票を出すメリットと言えます。
　ハローワークを活用して採用につなげるため、最も重要なのが求人票です。ほとんどの企業は、項目に沿って必要最低限の情報しか掲載していません。かつてのように人口が増えている時代であれば、それでも応募があったでしょう。しかし、人口減少が進む今は求職者優位の時代です。求職者の中でも、特に若い世代の求職者はネットショッピングをするようにスマホを使って仕事を選びます。例えば、Amazonの商品に説明がなければ誰も買わないでしょう。逆に説明が丁寧に書いてあれば、買っても大丈夫という安心感が生まれます。同様に、多くの企業の中から求職者に選んでもらうには、求人票の情報を充実させることが不可欠なのです。

マイナスの情報も正直に記載を

　例えば、求人票の先頭にある「職種」欄には、職種（業界）だけでなく、求職者が重視している勤務地、勤務形態などを視覚的に目立つようハッシュタグやスラッシュで区切って記載しましょう。
　ハローワークのアンケート結果によれば、求職者が求人票に書かれていない情報で知りたいトップ3は職場の雰囲気、職場定着率、会社の将来性でした。こうした情報は「仕事内容」「特記事項」の欄などを活用し、なるべく具体的に記載してください。
　採用は営業と同じように考え、ターゲットをしっかり想定しましょう。そして、求職者目線に立ち、求職者が知りたい情報を提供するよう心がけてください。例えば、深夜業務や長期出張ありといった一見マイナスと思える情報も包み隠さず書いてください。そうすることでミスマッチも減ります。

人材ショート避けるため経営者自身がコミットを

　ハローワークに求人票を出したら、その周知活動にも取り組みましょう。周知活動とは求職者の相談に対応する職業相談部門の統括や窓口の職員に求人票の内容をPRすることです。これによって会社についてより深く理解してもらい、求職者の情報提供に役立ててもらいます。顔を合わせることで応援してもらいやすい関係を築きます。
　また、求人票を出している企業は、ハローワークの中で説明会や相談会を開催できるので、ぜひ活用してください。
　人口減少時代に入り、人材難は永続的な課題となりました。もはや人材ショートは資金ショートと同じレベルの経営リスクです。採用は企業経営の根幹に関わることですから、担当者に任せきりにせず、経営者自身がコミットするようにしてください。

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ISICO 総務企画部企画広報課
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