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【巻頭特集】CASE.02 自社製品の売上比率を高め経営体質を強化 ~(株)森山鉄工

印刷ページ表示 更新日:2023年12月22日更新

専門家が寄り添う伴走支援 経営改善や業容拡大の推進力に

新事業創出や創業、研究開発、販路開拓、人材採用などを総合的に支援するISICOでは、県内中小企業が直面する課題の解決に向け、伴走支援に取り組んでいる。さまざまな経験とノウハウを持った専門家が、まさにマラソンランナーのそばで走る伴走者のように経営者らに寄り添い、継続的にサポートしており、今回の巻頭特集では、そんな伴走支援を通じて経営改善や新たな事業展開につなげた2社の取り組みを紹介する。​

言い値での受注を改め利益確保に注力

アルミ製脚立「MTステップ」シリーズの写真。大手自動車メーカーや鉄 鋼メーカーでも採用され ている。 ISICOの伴走支援を受けながら、経営体質の強化に取り組んでいるのが、板金加工を得意とする森山鉄工だ。
 もともと同社では、機械メーカーや部品メーカーの下請けが中心だったが、1994年に発売したアルミ製脚立「MTステップ」を皮切りに自社製品を次々と開発し、利益率を高めてきた。同社の売り上げに占める自社製品の割合はじわじわと高まり、今では50%にまで達している。試作や販路開拓では、ISICOの支援が大きな後押しとなった。
 また、収益性を高めていくため、ISICOの専門家のアドバイスを受け、受注に関する社内ルールも見直した。以前は取引先の言い値で仕事をしていたが、これを改め、原価や経費をしっかりと計算し、採算の合わない仕事は受注しないようにした。
 そのためには、特定の会社への依存度が高いままではいけないと営業活動にも注力。鉄やアルミ、ステンレスなど、さまざまな素材を0.1ミリから25ミリの厚さまで、しかも板材だけでなくパイプ状の材料も加工できる技術力の高さが強みとなり、取引先2社で売り上げの90%以上を占めていた状態が解消され、現在は20%を超える会社は1社もない。

脚立や台車を折り畳み収納スペースを1/3に

「MTカート」の写真。荷台を縦に折 り畳む新発想で、従来の 3分の1ほどのスペースで 収納できる。

 今や売り上げの主力となった自社製品は、脚立、台車、昇降機の3つのジャンルに分けられる。
 今最も売れているのが「MTステップD」(添付ファイル参照)である。これは「MTステップ」を進化させたアルミ製脚立で、安全性を高めるため、両サイドに手すりを付けた点が最大の特徴だ。キャスター付きで移動は楽々。「パレットリフター」の写真。運転免許や資格は必要なく、誰でも手軽に荷物を積み下ろしできる。ロックすると車輪が浮き上がってゴム付きの脚が接地するので、安定感も抜群だ。折り畳んでコンパクトに収納できるよう工夫されていて、使用時は50センチある幅が、3分の1以下になる省スペース性も人気の秘密である。
 「MTカート」という製品名で展開する台車は、一般的な台車のように手押し用ハンドルを倒すのではなく、荷台を縦に折り畳む新発想で、収納時の利便性をアップさせている。
 「MTパレットリフター」は地面からトラックの高さまで荷物をリフトアップしてくれる昇降機だ。フォークリフトのような専用の免許は不要で、一人でも簡単に作業できるのが売りで、ヤマト運輸や日本郵政に多くの納入実績を誇っている。

新たな設備を生かして家具やアウトドア用品も

 自社製品は既に20種類以上をラインアップしているが、さらに拡充するため、2021年には国の事業再構築補助金を活用して、ファイバーレーザー加工機を導入した。申請にあたってはISICOが認定支援機関としてサポートした。
 ファイバーレーザー加工機は一般的なレーザー加工機と比べ、切断速度が速い上、微細な形状への対応も可能で、厚板への小径の穴開け加工ができるなどの利点がある。
 この加工機を活用して開発中なのがテーブルやスツールといった「アイアン家具」である。コロナ禍以降、家で過ごす時間が増えたことを背景に着想し、目下、開発の真っ最中だ。
 ファイバーレーザー加工機の導入は新たな受注の呼び水にもなった。3密を回避するレジャーとしてキャンプの人気が高まる中、たき火台やテーブルといったアウトドア用品の部材の注文を新たに獲得し、取引先の分散につながっている。

事業承継や人材採用でもISICOのバックアップ

森山社長と妻の由美営業部長の写真。 2018年に事業承継する際には、森山信社長がISICOの後継者塾セミナー(全6回)を受講。森山社長は「現場出身で、経営のことは父に任せきりだった。決算書の見方や事業計画の作成など、セミナーでいろいろ指導してもらったおかげで今日までやってこられた」と話す。
 このほか近年では、ホームページの見直しや採用力の強化に向けてもISICOの支援メニューを活用している。ホームページは、専門家の指導を受けて自社製品の販売機能を持たせるほか、採用ページも新たに掲載する計画で、来年3月のリリースを予定している。
 また、特定技能外国人の活用に向け、ISICOから人材紹介会社の紹介を受けたほか、日本人採用に向けては森山由美営業部長がハローワークに掲出する求人票の作成講座を受講し、指導内容を実践。これからもISICOの支援メニューをフル活用しながら、経営改善に取り組む考えだ。

企業情報

企業名 株式会社 森山鉄工
創業・設立 設立 1988年4月
事業内容 各種製缶加工、脚立・荷役機器の製造・販売

企業情報詳細の表示

関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.131
備考 情報誌「ISICO」vol.131より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.131


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