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人気急上昇の和牛専門店 事業計画を見直し、競争力アップ ~(有)中谷肉店

印刷ページ表示 更新日:2024年2月1日更新

フロム・ユーザーズ 

2021年10月に金沢市神宮寺2丁目に移転オープンした「NIKUO(ニクオ) 中谷精肉店」は、洗練された店構えとこだわり抜いた商品ラインアップで客層や商圏の拡大に成功し、売り上げを伸ばしている。ブランド再構築や販売方法の工夫に加え、ISICOの支援メニューを経営に生かしてきたことが成長要因の一つになっている。​

希少部位で差別化 オリジナルスパイスも開発

店内の一角に並ぶNIKUOオリジナルスパイスの写真 「NIKUO 中谷精肉店」はおしゃれなカフェや雑貨店を思わせる店構えだ。黒を基調にした店内は、広い吹き抜けが開放的。大きなショーケースには、ロースやヒレに加え、力こぶ、かわら、シンシン、サンカクなど、耳慣れない希少な部位も並ぶ。
 「A4・A5ランクの和牛を一頭買いして店内で切り分けている。多い時には30種類以上の部位がそろう」と胸を張るのは中谷明博社長だ。
 店の一角には、スパイスコーナーが設けられている。ドライマンゴーとクミン、ブラックソルトをメインに20種類の香辛料をブレンドした「サンディーのスパイスソルト」など、どれも同店のオリジナルスパイスばかりだ。
 これらの商品開発は、移転オープンに向けて店のコンセプトを検討する際、ISICOアドバイザーから「コロナ禍によって巣ごもり需要が高まっている。自宅での食事をランクアップさせるスパイスを販売してはどうか」と助言を受けたことがきっかけとなった。中谷社長自身も以前からスパイスに興味があり、知人のインド人にも協力を得て商品化した。
 スパイスの購入者からは「素材の味を引き立ててくれる」「めりはりのある味わいに仕上がる」といった声が聞かれるなど好評で、売上増にもつながっている。地元の商社から声がかかり、輸出に向けた準備も進行中だ。
 新店舗の建築費の一部には、ISICOが認定支援機関を務めた経済産業省の事業再構築補助金を活用した。

成形機で生産性向上 カタログギフトを開始

NIKUO中谷精肉店の店内の写真 同店は1950年に金沢市森山2丁目で創業し、「いいもの、美味しいものを適正価格で」をモットーに和牛専門店として歩んできた。
 3代目となる中谷社長に経営のバトンが渡されたのは2016年のことだ。中谷社長は「品質には自信を持っていたが、客層は近所の高齢者が中心で先細り感を感じていた」と話し、新規客の開拓を目指して店のリブランディングに乗り出した。店のロゴを変え、パッケージも一新。商品は焼き肉用を中心とし、徹底的に部位を細分化してスーパーとの差別化を図った。
 こうした取り組みが奏功し、次第に客足が増えた頃、さらなる成長を求めて中谷社長が相談に訪れたのがISICOだった。
 ISICOのアドバイスを受けた中谷社長はまず、手作りしていた人気商品であるハンバーグやメンチカツの生産能力をアップさせるため、成形機を導入した。
 さらに、カタログギフトをスタートさせ、好きなタイミングで希望の商品を選べ、受け取り日も選択できるように対応したことで、企業の福利厚生、ゴルフコンペの景品などとして好評を得ている。

食プランナーの協力得て冷凍食品を商品化

 精肉だけでなく、店内の冷凍・冷蔵ショーケースにはたくさんの総菜などが陳列されている。こうした商品開発にもISICOの支援メニューを活用した。
小坂レンコンしゅうまいの写真。県産豚肉の豊かな味わいとレンコンのシャキシャキとして食感が楽しめる 例えば、人気商品の一つである「小坂レンコンしゅうまい」はチャレンジ支援ファンド事業に採択され、商品化した冷凍総菜だ。輪切りのレンコンを上にのせたほか、中にも角切りのレンコンが入っていて、シャキシャキとした食感と県産豚肉のジューシーな肉汁が楽しめる。今では同社の総菜の中でもトップクラスの売れ行きを誇っている。
 中谷社長の妻・恭子さんが代表を務め、2020年10月に金沢市小橋町で開業した手作り冷凍食品の専門店「nikuo CIRCUS(ニクオサーカス)」では、ISICOの専門家派遣制度を利用し、食プランナーのアドバイスを受けながら作り上げた商品を販売する。コンセプトは「Frozen food for Kids(子どもに毎日食べさせたい冷食)」で、厳選した肉や加賀野菜などをふんだんに使い、化学調味料無添加の体に優しい商品を50品以上開発した。
 弁当にぴったりのミニサイズのハンバーグなどをそろえた「お弁当シリーズ」も食プランナーが考案し、ラインアップに加えたものだ。忙しい朝の時間帯に手早く調理できるとあって、子育て世帯などから人気を集め、リピート購入率も高い。

将来は野々市にもサテライトショップを

熟成中の大きなブロック肉をかつぐ中谷社長の写真 中谷社長は「ISICOの支援がなければ、正直ここまでくることはできなかった」と話す。
 もちろん、中谷社長のチャレンジがこれで終わるわけではない。「金沢でさらに認知度を高めると同時に、地理的に集客が難しい野々市市にサテライトショップを出店したい」と意欲を見せ、創業から70年を超える和牛専門店の新境地を引き続き開拓していく考えだ。

企業情報

企業名 有限会社 中谷肉店
創業・設立 設立 1950年12月
事業内容 精肉販売

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関連URL 情報誌ISICO vol.132
備考 情報誌「ISICO」vol.132より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.132


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