ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 情報誌ISICO > 年間500社以上の訪問活動を起点に シーズとニーズをマッチング ~北陸先端科学技術大学院大学 未来創造イノベーション推進本部

本文

年間500社以上の訪問活動を起点に シーズとニーズをマッチング ~北陸先端科学技術大学院大学 未来創造イノベーション推進本部

印刷ページ表示 更新日:2024年2月2日更新

Zoom up Supporter

北陸先端科学技術大学院大学で産業界との連携の窓口となっているのが、未来創造イノベーション推進本部だ。共同研究はもちろん、企業との接点を増やすため、年間500社以上の訪問活動に取り組むほか、マッチングイベントを開催するなどしてシーズとニーズを結び付け、新製品や新事業の創出を後押ししている。​

未来創造イノベーション推進本部のURAとスタッフの皆さんの写真

デジタル人材の育成も支援

寺野稔学長の写真 北陸先端科学技術大学院大学(以下JAIST)は日本で初めて独自のキャンパスと教育研究組織を持つ国立大学院大学として創設され、先端科学技術の幅広い分野で世界トップレベルの研究成果を挙げている。
 創設間もない頃から、産学連携にも熱心に取り組んできた。「研究内容を活用していかに社会に貢献するか。これは大学が本気で取り組むべき課題だ」との認識を示すのは寺野稔学長だ。その言葉通り、未来創造イノベーション推進本部を学長直轄の組織として位置付け、学長自身が本部長を兼務する。
 同本部の中でも、企業の心強い味方となってくれるのが社会連携機構の3つのセンターだ。その1つ、「産学官連携推進センター」は共同研究や受託研究に取り組むほか、技術相談にも応じる。また、「デジタル化支援センター」は企業や行政機関のデジタル化、あるいはデジタル化に対応した製品開発を支援する。企業の社員らが独自で問題を解決できるようデジタル人材の育成にも注力するのが特徴だ。「地域イノベーション推進センター」では後述するように、大学の研究シーズと企業のニーズをマッチングするプラットフォーム事業「Matching HUB(マッチングハブ)」などを推進している。

マッチングイベントに1,636名

マッチング先を検討している様子の写真 産学連携の起点となっているのが、未来創造イノベーション推進本部のURA(※)が企業や行政機関、大学に出向いてニーズやシーズの情報を収集する訪問活動だ。その数は年間500社以上に上り、訪問先は北陸を中心に全国に広がっている。
 訪問先では企業の課題に応じて、教員の研究テーマを紹介するほか、共同研究や受託研究をコーディネートする。最短距離で課題を解決するため、他大学の研究室や民間企業との連携を橋渡しするケースもある。
 大学と企業、あるいは企業と企業の連携に向け、マッチングを促進しようと2014年度にスタートさせたのがMatching HUBだ。23年度は11月にANAクラウンプラザホテル金沢で開催され、225ブースが出展し、2日間で延べ1,636名が参加した。北陸3県のほか、地域間連携の促進を目的に熊本、小樽、札幌、徳島、長岡、長野へも展開し、開催回数は計19回を数える。本部長補佐を務める中田泰子准教授は「単なる展示会ではなく、事前の訪問活動で出展者のシーズやニーズを把握したURAが、イベント当日に出展者同士をマッチングするのが大きな特徴」と説明する。

(※)「University Research Administrator」の略称。大学や研究機関の研究活動を支援する専門人材

Matching HUB Hokuriku2023の会場の様子の写真

産学連携の成果次々と

 製品開発や事業化にあたっては、JAISTやISICOなど、北陸を中心とした産学官金で構成する支援組織「北陸RDX」と連携しながらサポートする。
 ここでは成果事例を2つ紹介しよう。1つは瓦のリサイクルなどを手がける(株)エコシステム(能美市)が開発した車載式の生コンクリート製造プラント「モバコン」だ。専門の技術者がいなくても、ボタン操作だけで製造できるようになっており、品質の決め手となる材料の計量に必要なIoTやAIの導入などをJAISTの教員が支援した。
 2つ目は加賀友禅工房の奥田染色(株)(金沢市)がISICOの補助事業も活用して開発したオーダーメードの「花紋」制作サービスだ。花紋は草花を図案化した伝統的な文様で、風呂敷やバッグなどにあしらう。同社のサービスでは、AIが顧客の要望を分析することで、従来数日かかっていたデザイン素案の提案を数分に短縮した。文様のデータベース化や顧客の要望を分析するシステム開発にJAISTの教員が協力した。

バイオ研究の新拠点を開設

超越バイオメディカルDX研究拠点のオープンラボの写真 昨年3月には経済産業省の助成を受け、産学連携を推進する新たな拠点を開設した。それが「超越バイオメディカルDX研究拠点」だ。
 同拠点はJAISTのバイオメディカル分野の研究とDXを組み合わせ、病気の診断や治療、再生医療などにおいてイノベーションを創出することを目指して整備された。利用は会員制となっており、地域の技術者や研究者が交流し、知識や技術を共有するための「シェアードオープンイノベーションルーム」、先端的な試験研究設備をそろえた「オープンラボ」などを使えるほか、専門的な知見を持った教員から適切なアドバイスを受けられる。
 こうしたJAISTの取り組みをはじめ、研究成果や最先端技術に関する情報などをウェブ上で発信しているのが「JAIST-NET」だ。サイト内で会員登録すると月に2、3回、メールマガジンでこれらの情報が送られてくる。森進太郎主任URAは「JAISTには科学技術だけでなく、経営やサービスの研究に取り組む教員もいる。メルマガがきっかけとなって共同研究につながるケースもあるので、まずは気軽にアクセスし、登録してほしい」と呼び掛ける。

企業情報

企業名 北陸先端科学技術大学院大学 未来創造イノベーション推進本部
創業・設立
事業内容 社会と北陸先端科学技術大学院大学を結ぶ研究・相談の総合窓口

関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.132
備考 情報誌「ISICO」vol.132より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.132


月間アクセスランキングへのリンク

月間アクセスランキング
DGnet 企業情報/バーチャル工業団地/情報誌ISICO


ViVOサイトへのリンク

活性化ファンド・チャレンジ支援ファンド商品開発ストーリー集サイトへのリンク

じわもんセレクトサイトへのリンク

DGnetサイトへのリンク