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鼻緒付きの靴の中敷きを開発 足指の力を高め、健康をサポート ~(有)のさか

印刷ページ表示 更新日:2024年2月29日更新

フロム・ユーザーズ

靴の製造・販売を手がけるのさかは昨年6月、鼻緒付きの靴の中敷き「スライドループインソール」を発売した。これは靴に入れて歩くだけで、足指が鍛えられる商品で、県の「プレミアム石川ブランド製品」に認定された。現在、専門家のフォローアップ支援を受けながら、魅力アップを目指し、磨き上げに取り組んでいる。

一本下駄から着想した靴 100万足が売れる人気

2年前に導入した移動販売車の写真。 のさかは専門的な知識と技術を持つシューアドバイザーが、足の長さや幅、甲の高さなど、足の形を立体的に計測した上で、その人に合った靴を提案するこだわりの靴店だ。現在は金沢、小松、富山、大阪に計6店舗を展開している。実店舗のない場所でも足の計測を体験できる場を作りたいと、2年前には移動販売車を導入した。
 販売している靴はすべて同社のオリジナルだ。中でも代表作と言えるのが「ストレッチウォーカー」と名付けられたウォーキングシューズだ。靴底は、つま先とかかとに柔らかなクッション材を、土踏まずの当たる中央部に硬い素材を採用しており、立ち止まっているときは一本下駄を履いたときのように不安定だが、ひとたび歩き出すと、自然と正しい体重移動ができて筋肉をバランスよく鍛えることができるようになっている。
 ストレッチウォーカーは、日本はもちろん、ヨーロッパやアメリカでも好評で、海外の提携販売店の売り上げも含め、発売から20年余りで累計100万足を売るロングセラーとなっている。

体の不調を引き起こす“浮き指”を改善

スライドループインソールの写真。靴に入れて歩くと、足指の筋力がアップし、浮き指の予防、改善につながる そんな同社が昨年6月に発売したのが、鼻緒付きの靴の中敷き「スライドループインソール」だ。底の薄いビーチサンダルのような形状で、使用方法は靴の中に入れて履くだけ。足が靴の中でしっかりと安定するほか、歩くたびに鼻緒をつかもうとするため、自然と足の指の筋肉が鍛えられる。
 「昔よりも歩くことが減り、すり足になるような履物が多いため、指が地面に付かない“浮き指”になっている人が増えている。足指の力が弱いと血行不良や冷え性、腰痛、膝痛、肩こり、外反母趾(ぼし)など、体の不調を引き起こすことにもなる」。そう説明するのは野坂知恵美副社長だ。
 こうした不調の解消、緩和を期待できるのがスライドループインソールである。使い始めて3、4カ月もすると足裏のバランスが整い、浮き指が改善され、野坂副社長の言葉にあるような不調も緩和されるという。
 立ち仕事の人にもおすすめで、愛用者から「たこや魚の目がよくなった」「むくみが改善された」といった喜びの声が寄せられている。

足裏にかかる圧力バランスの計測結果の画像。使用後はすべての指に均等に力がかかるようになった。

説明しなくても魅力が伝わる商品に

 スライドループインソールは昨年10月、新規性や独自性に優れ、将来魅力的なブランドとして成長が期待できるとして県から「プレミアム石川ブランド製品」に認定された。同社では著名なマーケティングコンサルタントによる県のフォローアップ支援を受け、来春発売に向けてリニューアル作業を進めている。
 例えば、今はばらばらに入っているパーツを購入者が組み立てて使用するのに対し、最初から組み立てた状態で販売するように変更するのもリニューアル点の一つだ。これは「ぱっと見ただけでどんな商品か分かるようした方がいい」「商品の説明をしないと魅力が伝わらない」といった指摘を受けて見直したもので、パッケージには、販路や購入者層に合わせて商品を使用した際のメリットを分かりやすく記載する。
 また、「国内だけでなく、世界の市場でも売れる可能性がある。そのためにはサステナビリティーを意識したパッケージにすべき」とのアドバイスを受け、パッケージは従来のビニール製から再生紙製に変更する。「将来を見据えたものづくりの考え方を学ぶことができた」と高田奈智子企画部長は振り返る。
 リニューアル後は靴店だけでなく、スポーツやアウトドア、ガーデニング用品の店舗にも販路を拡大する計画で、ISICOも専門のアドバイザーによる販路開拓支援やホームページでの情報発信などによりバックアップしている。

オンラインショップ用の商品撮影を自動化

 ところで、同社のオンラインショップでは、実店舗と同様に、一人一人の足に適したサイズの靴を提供するため、自宅に無料で足の簡易計測ツールを送り、測定後にコンシェルジュとチャットでやり取りしながら靴選びをできるようになっている。
 オンラインショップ上に掲載されている靴の写真の撮影には、2022年にISICOのデジタル化設備導入支援事業を使って導入した自動撮影機を活用している。従来はプロカメラマンが撮影し、背景の切り抜きや明るさの調整はスタッフの手作業だった。自動撮影機ではターンテーブルに靴をのせるだけで、さまざまな角度から写真を撮ってくれるほか、切り抜き加工や補正もお任せで、大幅な効率化が実現した。
高田企画部長、山口社長、野坂副社長の写真。 オンラインショップを充実させる一方、「将来は全国に直営店を出したい。そのためには人材が必要で、育成の仕組みを整えたい」と話す山口百恵社長。「これまでもISICOの専門家派遣制度を利用し、知財戦略、生産性の向上、5S、卸販売の仕組みづくりなど、その時々で必要なアドバイスを受け、助けられた」と話し、今後もISICOの支援メニューを活用しながら、会社の成長につなげる考えだ。

企業情報

企業名 有限会社 のさか
創業・設立 創業 1957年1月
事業内容 靴の製造・販売・卸

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関連URL 情報誌ISICO vol.133
備考 情報誌「ISICO」vol.133より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.133


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