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避難生活送りながら仮設店舗で再起 会話が弾み笑顔があふれる店をもう一度 ~(株)富来ストア(トギストア)

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One Step

令和6年能登半島地震で被災しながらも、試練を乗り越え、明日への一歩を踏み出した地元企業の奮闘ぶりを紹介します。​

震災から50日後に営業再開

冨澤専務の写真 トギストアは志賀町富来地域で約70年にわたって営業を続ける地域密着型のスーパーだ。食品や日用品などを幅広くそろえ、中でも能登産の鮮魚や手作り総菜が人気を集めている。
 2018年にはISICOの活性化ファンド事業の後押しを受け、「能登産甘エビの柿の葉押し寿司」を商品化。店頭にとどまらず、道の駅にも販路を広げ、ふるさと納税の返礼品としても好評を得た。
 能登半島地震では店舗兼自宅が大きな被害を受け、後に大規模半壊と認定された。天井や壁が崩れ落ちるなど、惨状を目にした冨澤美紀子専務は「頭の中が真っ白になった」と当時を振り返る。
商品数を絞って営業していた旧店舗の店内の写真 避難所生活を送る中、「買い物に困っている」「新鮮な魚を食べたい」と再開を待ちわびるなじみ客の声に背中を押され、震災から約50日後の2月19日、危険な箇所をブルーシートで覆い、一部スペースで営業を再開した。
 「待っとったよ」。そんな温かい言葉を添えて刺し身を購入する客の顔を見て、冨澤専務は「うれしくて涙が出た」と話す。

誘客促進へ復興丼を企画

 9月14日には被災した店を閉め、志賀町が道の駅とぎ海街道の駐車場に設置した仮設店舗で営業を始めた。店の広さは以前の10分の1にも満たないため、品ぞろえは自慢の鮮魚や総菜に絞り込んだ。
 仮設店舗で使用する什器や備品の購入にあたってはクラウドファンディングで約123万円の資金を集めた。「能登に足を運んでほしい」との願いを込め、リターンにはトギストアの商品券を用意した。誘客の呼び水となるよう、仮設店舗では能登の海の幸を使った「能登復興丼」や「能登復興寿司」を新たに商品化した。
店頭に並べられた刺身の写真。社長自ら毎朝七尾の市場で仕入れてくる。 今も避難所生活を続ける冨澤専務は「人口が減り、再建しても客足が戻るか不安もある」と話す。それでも、「これまで支えてくれた皆さんに恩返ししたい」と社長である夫とともに、被災した建物を取り壊し、その場所にもう一度、店を建設しようと決意した。
 「店のキャッチフレーズは昔も今も“笑顔に会えるショッピング”。以前に比べ、規模は小さくなるかもしれないが、会話が弾んで笑顔になれる居心地のいい店にしたい」。冨澤専務はそう話し、一日も早い再建を目指し、準備を進めている。

企業情報

企業名 株式会社富来ストア
創業・設立 設立 1970年5月
事業内容 地域密着型スーパー「トギストア」の運営

企業情報詳細の表示

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関連URL 情報誌ISICO vol.137
備考 情報誌「ISICO」vol.137より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.137


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