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ISICOは9月4日から3日間、東京ビッグサイトで開かれた「東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2024」に出展した。これは、ISICOが県内中小企業の新商品を首都圏に売り込むために取り組んでいる事業で、今回は27社が出展し、独自の技術や工夫を凝らした商品をバイヤーらにアピールした。
輪島塗を製造するいち松は、食器やカトラリーに加え、インテリア分野にもラインアップを拡充し、新たな販路を開拓しようとギフト・ショーに出展した。
来場者の注目を集めたのはテーブルランプの試作品だ。このテーブルランプは短冊状のブナ材を曲げて造形したものに、布着せして漆を塗るなど、輪島塗の手法で仕上げられている。LED照明や配線は巧みに木の中に埋め込まれ、点灯時はランプとして、消灯時はオブジェとして空間を彩る。「バイヤーらの反応は上々だった。輪島塗に興味のなかった若い世代にも受け入れられそうだという手応えを得られた」と3代目の一松聡司さんは笑顔を見せる。
ギフト・ショーには、取引につながるチャンスだけでなく、新たな出会いと刺激を得られる魅力がある。実際、このテーブルランプも昨年のギフト・ショーで知り合った新潟の木材加工会社の商品をベースに開発したものだ。好感触を得たため、今後はオリジナル形状のランプを製作してもらい、蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)で装飾し、新商品としてリリースする予定だ。
元日の能登半島地震では工房が半壊した。塗った漆を乾かす「風呂」が損傷し、今でも湿度管理が難しい状況が続くため、製造再開後も思うように製作が進まない状況が続いている。それでも一松さんは前向きで、「今の暮らしに合うデザインで、なおかつ実用性もある」と話し、インテリア分野での商品開発と販路開拓に意欲を燃やしている。
企業名 | 有限会社 いち松 |
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創業・設立 | 設立 1988年6月 |
事業内容 | 輪島塗の製造、販売 |
関連URL | 情報誌ISICO vol.138 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.138より抜粋 |
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掲載号 | vol.138 |