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弁護士業からこぼれ落ちていたガス料金未収問題を解決する保証サービス ~(株)日本料金保証

印刷ページ表示 更新日:2026年10月2日更新

チャンスをつかみミライをひらく

日本料金保証が提供するガス料金保証サービス「GAS-HO」が好調だ。2023年秋のサービスリリース後、翌年にはISICOの「スタートアップビジネスプランコンテストいしかわ2024」のファイナリストに選ばれ、現在は全国約120のガス販売会社が保証契約を結ぶまでになった。契約を結ぶガス販売会社は今後さらに増加する見込みだ。​​

1回きりの1,000円で10年間の料金を保証​

GAS-HOのホームページの画像

 GAS-HOは、ガス使用ユーザーの料金支払いを日本料金保証が保証し、料金滞納が生じた場合、ユーザーに代わって滞納分の料金を支払うガス販売会社向けのサービスだ。このサービスでは、日本料金保証はガス販売会社との間で保証契約を結び、ユーザーとは保証委託契約を結ぶ形になる。
 ユーザーが支払う保証料は1,000円(北海道は2,000円)で、1回の支払いで10年の保証期間が設定される。滞納が発生すると、ガス販売会社の請求に応じて、日本料金保証が滞納料金を送金する。一方、滞納したユーザーに対しては、日本料金保証が求償請求する。
 ただし、補償額にはユーザー、ガス販売会社それぞれに制限がある。ユーザー側の保証上限は滞納料金3カ月分か5万円のどちらか低い金額。ガス販売会社側の保証上限は、過去2年間で取り扱った保証料の合計額となる。例えば、1年に100件のユーザーと契約した場合、その2年間の保証料の合計20万円が保証の上限となる。
 ちなみに、GAS-HOは家庭用ガスの料金保証サービスで、業務用ガスにはガス使用量やリスクに応じて料金と限度額が変わる別の保証サービスを用意している。

保証料のプールが補填(ほてん)原資 滞納料金を確実に回収

 ガス販売会社はユーザーと供給契約を結ぶ際、保証金制度を組み入れるのが一般的で、保証金の相場は1万円前後とされており、契約満了時には返還しなければならない。従来の保証金制度とGAS-HOの保証サービスはどこが違うのか。

▼サービスの仕組み
サービスの仕組みの図解

 従来の保証金制度ではガス販売会社とユーザーの二者間契約であるため、例えばユーザーAの保証金はユーザーBの滞納の補填に使えない。これに対して、GASーHOの保証サービスはユーザーからの保証料総額が原資の掛け捨て保険に近い制度で、日本料金保証がユーザーAから受け取った保証料は、どのユーザーの滞納料金にも充当できる。
 つまり、債権者(ガス販売会社)と債務者(ユーザー)の間に日本料金保証という第三者が入るからこそ保証として成り立ち、低額の保証料で高額な滞納料金を補填することができるわけだ。
 このGAS-HOのメリットは、なんと言っても滞納料金を確実に回収できる点にあり、しかも従来の保証金を超える額であっても回収できる。さらに、これまで滞納したユーザーに繰り返し請求していた時間と労力が不要になり、転居したユーザーの住所や死亡したユーザーの相続人を調査して請求する必要もない。
 保証金の管理や返還もなくなる上、期末に滞納金(売掛金)を貸倒処理して収益を痛めることもないなど、ガス販売会社には良いことずくめで、デメリットがない。ユーザーにとっても、1万円を預けるより、1,000円の保証料の方が負担感は少ない。

ガス会社が泣き寝入りしていた課題解決に向け起業

「&LPGエキスポ2025」に出展したGAS-HOのブース 日本料金保証とGAS-HOを立ち上げた小堀秀行代表は弁護士でもあり、「長年、弁護士を続けてきた中で、ガス販売会社の方から延滞料金回収の相談を何度も受けてきたが、採算面から何も手を付けられなかった。弁護士は法律事務を独占しているのに、この問題を切り捨てているようで心苦しく思っていた」と説明する。
 内容証明を送ると4万円、訴訟を起こすと着手金に10万円、これが弁護士報酬の相場だ。しかし、滞納料金は数千~数万円が多く、高くても5万円以下がほとんどで、この金額差では弁護士に依頼しようとは誰も思わない。弁護士には社会課題が集まってくるが、解決できずに放置されてきた一つがガス料金の滞納だった。
 小堀代表が家賃保証をヒントにGAS-HOを思いついたのが2023年3月、翌月には日本料金保証を設立してシステム会社も並行して探し始めた。GAS-HOの提供開始は同年秋頃、本格稼働が24年に入ってからというスピード感だった。

医療費の未収問題も保証サービスで解決

 現時点で、GAS-HOを利用して同社と保証契約を結ぶガス販売会社は全国約120社に上り、今後さらに伸びる見込みだ。
 そして、GAS-HOで培ったノウハウを生かし、次の社会課題の解決にも同社は進み出した。それが2026年9月に開始した医療費保証サービス「MEDI-HO」で、保証の仕組みはGAS-HOと同じだ。
 医療機関もガス販売会社と同じような悩みを抱えている。「医療機関には応召義務(※)があり、患者の経済的事情や支払いに不安がある場合でも断れない」「外国籍患者の増加に加え、3割の自己負担分や高額療養費の未収リスクが深刻化している」「多額の貸倒処理が経営を圧迫している」などだ。
小堀秀行代表の写真 また、未収金対策として、入院時に10~30万円の保証金が必要なケースや、連帯保証人を求めるが、患者が保証人の名前を勝手にサインするケースもある。こうした課題をMEDI-HOが解決できる見込みで、まずは北陸の医療機関にダイレクトメールを送って提供開始し、その後、全国展開する。
 「弁護士の仕事は、過去の後始末の色合いが強いが、保証サービスには予防の側面があり、両面から困りごとを解決できることにやりがいを感じる」と語る小堀代表。弁護士発の保証サービスが新たな社会インフラとして定着し、弁護士の手からこぼれ落ちていた社会課題を解決していきそうだ。

(※)応召義務
医師法19条1項「医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」のこと。

企業情報

企業名 株式会社日本料金保証
創業・設立 設立 2023年4月
事業内容 料金保証サービス

企業情報詳細の表示

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関連URL 情報誌ISICO vol.149
備考 情報誌「ISICO」vol.149より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.149


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