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伝統工芸に香りをプラスし、金沢の新たな魅力を発信!
<平成27年度活性化ファンド採択事業>
◇事業名
金沢水引ストラップの販路開拓と香り改良で地域資源(エアリーフローラ、能登ヒバ、加賀棒茶)の香り商品開発事業
◇商品名
金沢水引ストラップ
◇キャッチコピー
金沢の 香り華やぐ ストラップ
◇開発の経緯
石川県中能登町に生まれ、子供の頃から身の回りの様々な香りに人並みはずれた興味と関心を持って成長したアロマ香房焚屋の三宅琢也代表は、会社員生活を送りながらお香の調香の修業のため、東京の香原料メーカーに2年あまり通い、お香専門家「香司」の称号を取得。2008年に念願だった自分の店・アロマ香房「焚屋」を野々市市内にオープンする。2年後、香りの可能性を確信した三宅氏は、観光客が多く訪れ、お香という商品に相応しい街、金沢市長町のせせらぎ通り商店街の中に移転、新たなスタートを切る。
自らの目標である「香りと地域の共生」を具体化すべく、「香りで心も体も地域も幸せに」の経営理念のもと、香りと記憶の関係性を深く掘り下げ、同店の商品を買った観光客が、その香りで金沢を思い出し、再訪につながるような商品開発に取り組む。
その第一弾として、平成22年にいしかわ産業化資源活用推進ファンドに採択された「香福袋 加賀友禅」(地域資源の加賀友禅の生地を使用した御守り形状の香り袋で、顧客のメッセージを刺繍で縫い上げた従来にない新しいスタイルのプレミアムな香り御守り)が誕生する。こうした香りと地域資源のコラボレーションに取り組み続ける中から、金沢の伝統工芸である水引細工のストラップに香りを添えた新商品「金沢水引ストラップ」が誕生し、平成27年度のいしかわ産業化資源活用推進ファンドに採択される。
◇商品づくりのこだわり
お香は仏教儀礼の一つとして約1500年前に日本に伝えられ、日本独自の洗練されたお香の文化へと発展してきた歴史を踏まえた上で、現代の生活に役立ち、地域にも貢献できるような金沢らしいお土産開発が三宅氏のモノづくりのコンセプトである。厳選した天然の原料・天然精油にこだわり、顧客のニーズに合わせたお香とアロマの癒しを提案することで、それまで気付かなかった香りの感性を目覚めさせ、潜在意識の深層からリラクゼーションさせることに注力している。
石川県農業試験場が開発したエアリーフローラの香り成分を石川県工業試験場に分析依頼し、華やかな独特の香りを抽出することに成功し商品化にこぎつける。さらに、加賀の地域資源である加賀棒茶の香り成分を商品化した新商品が間もなく店頭に並ぶ予定である。金沢水引ストラップは、一つ一つが水引職人の手づくりで、それに香り職人がお客様に相応しい香りをプラスしたまさに一点物の価値ある商品。加賀百万石前田家の家紋である剣梅鉢をモチーフにし、梅結びを表と裏の対で貝合わせにし、その中に香り袋を埋め込んであり、伝統工芸・香り・縁起物の三要素が三位一体となり、その相乗効果で付加価値を高めている。携帯やバッグのストラップはもちろんのこと、着物のアクセサリーや根付けとしても用いることができる。
◇商いのこだわり
「香り」というデジタルでは表現できない、人間の五感そして感性に訴えるアナログの繊細な旋律を探し当て、各人にぴったりの香りを発見した時に、日常生活では感じることのできない、癒しの世界に包み込まれる。と同時に、香りと記憶は、その人の人生において、潜在意識の中で密接かつ深く関わっているため、各人の感性に訴える香りを提案することで、金沢と香りが結びつき、観光客がまた金沢を再訪する動機付けに一役買いたいと邁進している。
同店でお香やアロマを購入すると、同店の香りネットショップへ誘う10%オフのクーポンコードが書かれたチラシが渡される。ネットショップでリピーターとなる観光客が大部分ではあるが、北陸新幹線の開業効果もあって、三宅氏の思惑どおり、「また遊びに来たよ」と金沢を再訪してくれるリピーターがぽつぽつ出てきているという。一度買ってお仕舞い、金沢に一度来たらお仕舞いではなく、また来たくなる魅力の一つに香りを昇華させていくことが三宅氏の商いの真骨頂だ。
◇今後の方向性
情報発信の面では、自社のホームページはもちろんのこと、ブログをはじめとしたSNSを活用する一方、従来からの観光ガイドブック等に、店舗の広告を掲載し、オリジナルのお香やアロマを自分で作る手作り体験お香教室のPRを行っている。北陸新幹線の開業以来、外国人観光客が急増しており、同店にも多くの外国人観光客が来店している。日本人はもちろんのこと、外国人にも日本の歴史あるお香文化と地元の伝統工芸がコラボレーションしたユニークな商品を発信していくことで、金沢の魅力アップに貢献していきたいと考えている。
次なる新商品として、自店オリジナルの九谷焼の香立ての商品化に向けて準備を進めている。「アロマ香房焚屋にしかない金沢をキーワードにしたオリジナルの商品、オリジナルのサービスに力を入れ、他との差別化を鮮明にしていかないと生き残っていけないと思っており、そのためにも香りの世界をもっともっと極めていくことが私の使命です」と、香りとアロマの魅力発信をライフワークとする三宅氏の今後の活躍に大いに期待したい。
代表 香司 三宅琢也氏 店舗外観
◇希望小売価格
1個 1,620円~1,944円(税込)
オプションにより価格が変わります。
◇販売事業者
・商 号 アロマ香房 焚屋
・住 所 金沢市長町1-2-23
・TEL (076)255-6337
・URL http://www.aroma-taku.com/