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組み合わせイロイロ。九谷焼キャップ×ガラスびんのキャニスター。 ~ 株式会社ビッグサンタ

印刷ページ表示 更新日:2021年2月24日更新

組み合わせイロイロ。九谷焼キャップ×ガラスびんのキャニスター。

 

     <平成28年度いしかわ産業化資源活用推進ファンド採択事業>

事業名

 伝統的工芸品を身近な商品として実用化『九谷焼ジャーキャップ』の開発と販路開拓

商品名

 九谷焼ジャーキャップ

日常生活の何気ない場面で、人に癒しと彩りの楽しみを提供してくれる伝統工芸の数々。石川県を代表する伝統工芸の一つである九谷焼を、従来の食器や置物ではなく、若い女性に人気の広口ガラス瓶のキャップに用いるという斬新な切り口でプロデュースし、九谷焼ジャーキャップを開発した(株)ビッグサンタの宮田和雄社長にお話を伺った。

九谷焼ジャーキャップ

開発の経緯

2010年頃から、喫茶店でアメリカのメイソンジャーのBallと描かれた広口びんに、ストローを差してジュースを提供するのが流行りはじめ、若い女性たちに支持されていた。そんな光景を目にし、「Ballと描いてあるだけのありふれたガラス瓶を若い女性たちがかわいいと思うのなら、キャップに絵を付けたら売れるのではないか・・」と閃いたと振り返る。

びんのキャップを石川県の伝統工芸である九谷焼で作ればカラフルで綺麗ではないか。早速、技術力に定評のある窯元に製造の打診に行くも、世の中にないものの制作依頼に対し、「そんなもの作っても売れない。」と、門前払い。それでもくじけることなく足繁く通い、九谷焼の新たな用途開発にもなり、若い女性に九谷焼に関心を持ってもらうきっかけづくりにもつながる、そんなモノづくりであることを熱く訴え続け、1年半あまりの歳月を要し、ようやく窯元が引き受けてくれることに。

九谷焼ジャーキャップ 九谷焼ジャーキャップ 九谷焼ジャーキャップ

製品化に至るまでの苦労

「広口びんのキャップを九谷焼で作ったからといって売れるはずがないの一点張りの窯元を口説き落とすことが最も大変だった。」と苦笑する。実は、宮田社長も絶対売れるとの自信があったわけではなかった。若い女性たちが広口びんをかわいいと言っている声を耳にした時に、それにさらに華を添える九谷焼のキャップを付けることで、テーブルに置いた時に金属のキャップでは出せない華やかな魅力がプラスされ、きっと売れるだろう、やってみないと分からないものの、可能性を感じたからこそのチャレンジである。

キャップを焼成する段階で、キャップのねじ山にかぶる切り立ち部分に歪みが出てしまうことをクリアし、陶磁器にネジを切るのは無理だったことから、金属のキャップを中にはめる方法に変更したが、九谷焼は焼成段階で縮む素材であることから、ジャストサイズでキャップを作ることが難しかったとのこと。

九谷焼ジャーキャップの絵柄は、窯元の過去のデータの中から売れ筋の絵柄を教えてもらい、日本古来の吉祥や縁起に由来する絵柄を選び最初の商品シリーズが完成する。その後、ニューヨークの展示会に出展するにあたって開発した松竹梅シリーズ、作家による手描きシリーズなどが増えている。70mmの口径であれば、世界中のガラス瓶に使えることも大きな魅力。そのおかげで、ニューヨークや香港での展示会でも九谷焼ジャーキャップは好評という。

九谷焼ジャーキャップ 九谷焼ジャーキャップ

販路開拓は、置いて欲しい店に自ら営業

商品が完成すると、次はどういうマーケットがこの商品を理解してくれ、必要としてくれるかを探るべく、ギフトショーのISICOのブースに出展。バイヤーからは、「九谷五彩の色彩が美しい、世の中になかった新しい提案、華やいだ雰囲気を醸し出す」など九谷焼ジャーキャップに対する評価はなかなか良かった。とはいえ、従来の九谷焼の流通では、中間業者が入るため、最終的な価格が高くなり、それでは市場で売れないと判断し、自ら直接販売する形を選択。この商品を置いて欲しいと思うセレクトショップや土産物店などを自ら営業して回り、地道に販売先を増やしてきている。

発売から5年が経過しているが、年間に約3千個がコンスタントに売れているとのこと。昨年はコロナ禍ではあったが、自社のオンラインショップや楽天のサイトが貢献し、温泉旅館の売店や兼六園周辺の土産物店、金沢駅の売店、高速道路のサービスエリアなど、観光客減の影響を受けた分をカバーしている。

九谷焼ジャーキャップ 九谷焼ジャーキャップ 九谷焼ジャーキャップ

次なる新商品を開発するもコロナ禍に

この九谷焼ジャーキャップに続く新商品が、北陸新幹線開業後、金沢に次々とできたホテルの客室に置いてもらうことを目的に開発した九谷焼ソープボトルである。このボトルのデザインに関しては、県工業試験場の3Dプリンターの技術を活用している。

残念ながらコロナ禍でホテルが苦境のため、現在は営業できない状況が続いているものの、オンラインショップでは、手指消毒が叫ばれていることもあり、九谷焼ソープボトルの売れ行きは好調のよう。コロナ禍にあっては、ソープボトルとしてだけでなく、アルコール消毒液を入れて玄関先に置いておくのもなかなか粋な使い方。

九谷焼ソープボトル

ビッグサンタのめざすモノづくり

商いのターゲットは女性であり、女性にいかにして喜んでもらえるか、これが宮田社長のモノづくりの根底にある。と同時に、ISICOのセミナーで講師が口を揃えて言う「この商品をどこに置きたいですか、どこで売りたいか店舗名を言えますか。そこまで考えて商品を作らないと売れない時代です。」ということを肝に銘じ、結果はどうなるかは別として、そうしたモノづくりを実践している。

石川県の文化、風習、伝統の中から生まれる商品というコンセプトは変えることなく、コロナ禍にあっても需要のある商品開発が次なるテーマ。どちらかと言えば観光客をターゲットとした商品を中心にやってきているが、観光客だけでなく、日本中の人たちに買ってもらえる商品開発の必要性を痛感しており、石川県をテーマにした商材、石川県を切り口にした商いをキーワードに、決意を新たにする宮田社長である。

ビッグサンタ店内 ビッグサンタ 宮田社長 
                       宮田社長

会社概要

 ・商 号 株式会社ビッグサンタ
 ・創 業  2008年
 ・住 所  金沢市東山1-3-5
 ・代表者  代表取締役  宮田和雄
 ・TEL (076)254-6181
 ・URL https://100banya.shop-pro.jp/


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