本文
手間を惜しまず、愛情注いだ能登大納言小豆の醍醐味を全国に
<20年度活性化ファンド採択事業>
◇事 業 名
能登大納言小豆の風味を活かした甘納豆の製造と販路開拓
◇キャッチコピー
能登の風土と真心が育んだ「甘納豆 さや心」 いらんかね!!
◇甘なっとう「さや心」開発の背景
珠洲で能登大納言小豆を生産している農業法人すえひろの末政博司氏が、自ら生産した能登大納言小豆を原料に甘納豆を作り、それを販売することを目的に、平成20年に石川県産業化資源活用推進ファンドに申請。その後、甘納豆の製造にあたって中浦屋の中浦政克社長が相談を受け、製造者である末政氏が販売を手がけるには難しい問題が多いことを指摘、能登大納言小豆の美味しさを普及させるため、お互いの専門分野と既存の経営資源を活用しながら新たな事業を進める方策としてLLP(有限責任事業組合)の立ち上げに至る。その際、餅は餅屋と言われるように、各地の小豆を知るプロであり、意思疎通が図れる真田製餡の真田社長に参画を打診し、造り手の末政氏、択び手の真田氏、送り手の中浦氏の三者が能登大納言小豆の普及を命題に心を一つに手を携え、能登大納言工房が22年にスタートする。
◇新規性
商品ができるまでには、生産者、加工者、販売者が関わる。食の安心・安全が叫ばれるようになり、生産者の顔が見えるものづくりはよく見受けられるが、加工者や販売者も顔を表に出した今回の取り組みは極めて珍しく、新しいビジネスモデルと言える。「お客様に商品が届くまでの責任をしっかりと持てる体制を作り上げてこそ、真の意味で顔が見えることにつながるのではないかと考え、このような形にしました」と力を込める。能登大納言工房を運営するLLPは、3年間という期間限定である。もちろん事業が順調に推移すれば延長することもでき、もっと言えば3年ごとに見直しをしながら事業に取り組むもので、推移次第では改めて新会社を設立することも有り得る。そうなれば能登大納言だけでなく、能登で収穫できる農作物、海産物全般を原料として捉えた新たな商品開発に取り組む可能性も出てくる。その過程で、この三人の考え方に賛同する人たちが一人、二人と増え、この物づくりの輪が能登半島全体に広がっていくことが最終的な目標であり、思いなのである。
◇課題
能登大納言小豆の普及に向けての課題は、
・一般小売流通に適応するため、選別・磨きなどの作業工程のレベルアップを行うなど、高額な価格設定に見合う厳しい品質保持体制の確立。
・安定した能登大納言小豆の確保。
・美味しさや生産地の自然を売りにした消費者目線のブランド戦略の展開。
・能登大納言小豆の製品が消費者に届くまでの流通過程を含めたブランド管理体制。
こうした問題を解決するため、JAサイドと話し合いを進めているところだが、販売価格が1kgあたり1,500円(一般的な小豆の約3倍)と決まっているため、コストに見合った商品づくりをしなければ市場には受け入れられないと考えている。より高品質の能登大納言小豆を厳選するため、今回試験的に外部の専門業者に選別と磨き作業を委託し、その成果物を検証してもらうことで、今後の更なる品質向上に向けての試金石としたい考えだ。
◇方向性
スタートから1年弱になるが、ネット販売よりも観光土産品店や道の駅などの実店舗での売れ行きが好調とのこと。さらに百貨店等への売り込みも検討しているが、百貨店等での展開を考えた場合に、甘納豆のパッケージが高級感に欠けることから、商品を販売する売場によって異なるバリエーションのパッケージを展開すべくデザイン面の検討を始めている。と同時に、「能登大納言小豆の選別作業において発生する規格外の小豆の管理をしっかりしておかないとブランドに傷を付けることになる」と中浦氏は警鐘を鳴らす。規格外品を販売した場合、それを購入した事業者が、そのことを明記して使用すれば問題ないが、そうではなく能登大納言小豆使用と謳って商品を販売すると、これまで数多く発覚した食品偽装同様に大変な問題になるからだ。それほどブランド管理は重要なのだ。そのため、中浦氏は規格外の能登大納言小豆を全て製餡して漉し餡にして販売することを提唱している。それによって能登大納言小豆のブランド管理体制がいかに徹底しているかを全国に発信できるからだ。能登大納言工房の当初の目的は能登大納言小豆の甘納豆を販売することだったが、今は能登大納言小豆のブランド価値をいかに守り育てていくか、そのことに多くの労力を注ぎ込んでいる。
◇発注単位 1袋から
◇希望小売価格 1袋(27g入り) 220円(税込)
1箱(6袋入り) 1,450円(税込)
◇配送方法 宅配便(送料別途)
◇返品対応 不良品のみ送料当社負担で対応
◇事業所名 有限責任事業組合 能登大納言工房
輪島市河井町4部98番地
TEL(0768)23-0039
FAX(0768)22-8610
◇担当者 中浦 政克 社長 マネージャー 中谷 裕子