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大野醤油の伝統の味と加賀野菜のコラボで醤油の新用途『万能たれ』を開発 ~フジキン醤油株式会社

印刷ページ表示 更新日:2018年3月26日更新

白だし

 大野醤油の伝統の味と加賀野菜のコラボで醤油の新用途『万能たれ』を開発

     <平成27年度活性化ファンド採択事業>

事業名

 杉樽仕込み大野醤油をベースにした、石川ブランド肉等に合うたれ等の開発-加賀野菜との組み合わせで、能登牛、能登豚、能登地鶏をさらにおいしく-

商品名

白山麓のしいたけ、金沢大野醤油使用『白だし』

キャッチコピー

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開発の経緯

大野醤油は、藩政期には野田・銚子・龍野・小豆島と並ぶ日本の醤油五大産地に数えられた歴史があり、現在「大野醤油」は、石川県の地域ブランドとして地域団体商標に登録されている。そんな大野町にあって、明治43年創業のフジキン醤油5代目の宮崎祥一社長は、醤油自体の消費量が低迷している環境下にあって、伝統の大野醤油と加賀野菜のコラボレーションによる、これまでにない新しい調味たれ造りに取り組む。

実は、宮崎氏は3年前まで地元金融機関に勤める銀行マンで、先代が病に倒れた後を受けて急遽醤油蔵の後を継ぐことに。たまたま最後に支店長を務めたのが能美市で、退職後に当時の顧客からの紹介で能美の里山ファン倶楽部とのご縁ができ、同倶楽部が栽培しているしいたけの6次産業化を図りたいとの思いと、醤油の新しい用途開発を模索していた同社の思いが一致し、今回のコラボレーションが実現する。

当初は、地元産のブランド肉の焼肉用のたれとして開発したが、焼肉だけでなくサラダなどにも使えることから『万能たれ』として商品化される。

万能たれ
能美の里山ファン倶楽部が販売する「万能たれ」

特徴、こだわり

大野醤油の場合、醤油の原液となる生揚醤油は大野醤油醸造協業組合で一括生産されている。それが大野の各醤油蔵において、各蔵独自のブレンドや秘伝の製法が施され、加熱殺菌する火入れの加減の違いなどにより、その蔵独自の醤油の味が創り出される。

そんな工程を経て出来上がったフジキン醤油に能美産のしいたけを加えた「万能たれ」は、本来は焼肉のたれとして開発した商品ではあるが、サラダにかけても冷や奴にかけても美味しいと好評のよう。それには鰹節のように強く主張する出汁ではなく、優しく全体の風味をまとめるしいたけの特徴が奏功している。

白山麓のしいたけ 白山麓のしいたけを活用した「白だし」 

販路開拓

この商品化にあたって、フジキン醤油が製造を担当し、能美の里山ファン倶楽部が能美市内にある温泉旅館や市関連施設でお土産として販売する売り先があることから商品開発に着手した。

3年前に急遽後を継ぎ、まずは販路開拓と加工品分野への進出を考え、ヤフーショッピングへの出店、石川県産業創出支援機構の活性化ファンドを活用して加工品分野へ進出するなど、短期間に次々と新しい取り組みを進めている宮崎氏。フジキン醤油の存在感を世に発信することに積極果敢に挑んでいる。

「本当は醤油蔵の後を継ぐことは全く考えていなかったが、父親が倒れたあと、事業を継続して欲しいと古くからの取引先や親戚、さらには近所の人たちまでもが応援してくれた現実を目の当たりにし、この恩返しをするには自分がやるしかないと覚悟を決めた」と述懐する。大野の街で育ち、大野を愛する思いがひしひしと伝わってくると同時に、純朴な宮崎氏の人柄がフジキン醤油の味にも反映しているに違いない。

フジキン醤油の商品 ぽん酢
     同社の商品               ぽん酢

課題と方向性

能美市の国造地区で生産されている国造柚子の生産農家から、能美市産の国造柚子を使用したポン酢を製造して欲しいとの依頼を受け、国造柚子の生産農家とタイアップして「ゆずポン酢」の生産も始まっている。

そもそもこの活性化ファンドに採択された加賀野菜との組み合わせについては、五郎島金時を入れて甘みを出せないかと試行錯誤したものの、なかなか思ったような味に仕上がらなかった。焼き芋にして食べると甘さを感じるが、調味料として甘みを出せるまでの甘さがなく、砂糖や人工甘味料を入れないと糖度不足になるという現実に直面する。金時草のパウダーにもトライしたものの、醤油と混ぜると思ったような色味にならない等、商品化は難航しているが、諦めてはいないと言う。

能美の里山ファン倶楽部が販売している「万能たれ」「白だし」を自社ブランド商品としても販売するため、ホームページのリニューアル作業を進めているところで、間もなく自社商品としての「ぽん酢」と「白だし」がアップされる予定。大野の歴史、伝統、文化に根付いた大野醤油の新しい時代に向けたフジキン醤油の挑戦は始まったばかり。

フジキン醤油

会社概要

 ・商 号 フジキン醤油株式会社
 ・〒920-0331 金沢市大野町6丁目31番地
 ・TEL (076)267-1306
 ・URL https://www.fujikin-shoyu.com/


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