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珠洲愛あふれる情熱パンが能登へ誘う
<平成25年度活性化ファンド採択事業>
◇事業名
キャラクターと共に食で能登を巡る「のとクロ」ネット販売事業
◇商品名
のとクロ1号~5号
◇キャッチコピー
元気、発信、のとクロレンジャー!
◇開発の経緯
珠洲市内で両親が営んでいたパン屋を引き継ぎ10年余、個性的な手づくりパンが評判の人気店が、古川一郎さんが営む古川商店である。父から受け継いだ店舗兼工場が老朽化したことから、平成25年11月、思い切って旧店舗を取り壊し、数百メートルほど離れた交差点角のプレハブを新店舗とし借り、再スタートを切る。
店舗移転を機にそれまでの業務内容を見直し、自らのパンづくりの原点回帰を模索する中から、地元の食材を使い、地元の人たちに珠洲のお土産として使ってもらえるラスクの開発を思い立つ。梅しそ、いしる、ごま、珠洲の塩などシリーズ化を考えた時、古川氏の頭の中に何故か秘密戦隊ゴレンジャーが思い浮かび、能登の食材を使ったクロワッサンのラスク、のとクロ1号(黒ゴマ&珠洲塩)、のとクロ2号(いしる)、のとクロ3号(原木しいたけ)、のとクロ4号(海藻 あおさ)、のとクロ5号(梅しそ)が誕生する。それぞれのパッケージに奥さんの真美さんの手によるキャラクターが描かれており、このラスクを食べた人が、このキャラクターたちに誘われ、能登を訪れて欲しいとの古川夫妻の思いが込められている。こうした新しい取り組みが評価され、25年度の活性化ファンド認定事業に採択される。
◇新規性
地元の食材を使用したパンやお菓子はいろいろあるが、古川商店の「のとクロ」シリーズは、単に地元の食材を使用した商品を販売して終わりではない。5つのキャラクターはもとより、同店のパンや焼き菓子には個別のキャラクターが描かれていることから、こうしたキャラクターを活用し、能登半島を双六形式でキャラクターが案内するような観光マップの作成ならびにホームページを活用しての情報発信と販売促進に取り組むというもの。それによって地元の人たちと珠洲市外や県外の人たちとをつなぐ接着剤的な役割を「のとクロ」シリーズの商品たちに託している。
そうした思いの一端が、同店のトレードマークでもある笑顔に表現されている。この笑顔の鼻の部分をよくよく見ていただきたい。単に鼻の点ではなく、ひらがなの「と」の字になっている。これは笑顔の左目と右目をつなぐ、つまり地元と地元以外の人たちをつなぐ接着剤の役割を「と」の字で表現し、古川商店の商品がその役割を果たしたいとの熱いメッセージなのだ。
◇こだわり
のとクロ1号は黒ごまと珠洲の塩で香ばしくさわやかな味。のとクロ2号はメギスのいしると珠洲の塩、それにとうがらしがアクセントになった味。のとクロ3号は能登の原木しいたけが入った深い味わい。のとクロ4号は海藻のあおさが入った磯の風味。のとクロ5号は梅しそが入ったさわやかな風味と、それぞれに個性的なラスクに仕上がっている。
ラスクと聞くと甘いお菓子を想像しがちだが、のとクロシリーズは、いずれも珠洲の塩が効いた大人の味で、どちらかと言えばビールのお供にぴったり。子供よりも大人に受ける珠洲土産になりそうだ。まだまだPR不足のため売れ行きは今ひとつだが、市外の人へのお土産としてじわじわと人気が出てきている。
◇販売価格
のとクロ1号~5号 350円(税別)
◇課題と方向性
お客さんから「一口で食べられるサイズがいい」「食べるときに食べこぼしが出るのが・・」「もっと甘いのがいい」といった感想が届いているが、一口サイズにすると、最も大切にしたいサクサク感がなくなり、焼成技術面でもより難しくなるため、当分は現状のサイズを維持する考えだ。
のとクロシリーズを始めとした同社のパンや焼き菓子を本格的にネット販売するホームページの開設も視野に入れているが、「古川商店の商いは、何よりも店頭に買いに来てくださる地元のお客様に満足していただくことが第一であり、古川商店の幹をしっかりと太く育てた上で、枝葉を少しずつ少しずつ、焦らずに伸ばしていき、能登半島の珠洲に個性的なパン屋があるらしいぞと言っていただけるような存在感あるパン屋にしたい」と熱く語る。古川商店のシンボルマークである笑顔の中心の鼻の部分の「と」の役割を肝に銘じ、地元と市外の人たちを能登の産物を使った様々なパンや焼き菓子を介して繋ぎたいとの熱い思いで、今日もパンと向き合う古川夫妻である。
古川一郎さん、真美さん夫妻
◇店舗概要
・商 号 (株)古川商店
・住 所 珠洲市飯田町よ-8-1
・TEL 0768-82-0231